別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

ヒアシンスハウス夢まつり

2009-11-03 | 別所沼だより

  

   晴天に恵まれハウスの前は人だかりができていた。 ジャズにあわせ作品がどんどん出来あがってゆく。  表現豊かな奏者の ビートのきいた演奏に酔って、 明るくひびき合う美術家…。  大まかなデッサンはきまっているのでしょう。  観客もスイングしながら楽しんでいる。 沼風に載るリズム、 からだが自然に動いてしまう。 その過程も観賞するインスタレーション。 やがて増殖する生きもののような 芸術空間がうまれた。 タイトルは何としよう。 
    

  2時 別所沼会館へ移動する

  開会の挨拶に「魂と塊」の話があった。 ひとりひとりの思い… 魂が 集まってひとつの塊になる。 よく似たふたつの文字に鬼が住む。 詩人やハウスへの多くのつよい思いがかたまってカタチになった と。 そして夢まつり…

  以前 孤高の陶芸家について 「魂の塊」を書いたので 魂と塊はつよく響いた。 今は多くの人たちの思いが形になったのだ。 立原道造を愛するたくさんの魂が塊になって夢を繋いだ、 これから拡がってゆく。 

           -☆-

  良い映画を見ました。 以下は観賞メモです。 記憶違いはお許しください。

  ダム建設は現在も賛否両論あるなかでタイムリーな映画。 多くの示唆をくれた。 観なかった方には  先ず 予告編をご覧ください
   船、山にのぼる (風の楽団 音楽もすてき 音量調節してください) 
  
   色んな物が沈む…  風景だけじゃない  思い出も沈むのだ 

  とても重い、 住民にとって マイナスになるところを 少しでもプラスに。
  楽しい 面白いに変わっていったところ  
印象的でこころを打つ。


    

  ↑ 写真 カタログから
  村人がくらした土地に組み立てられてゆく船 長さ60m、幅12m、高さ3m

  長い建設反対の闘争期間を経て…
  「灰塚アースワークプロジェクト」  この広域の自然と文化を結びつける
  村祭り  神楽  樹齢600年のムクの木 「えみき爺さん」の移植大作戦など
 
こころに残る。  ダムの底に丸太1500本でつくる船 水没するダムと山にあがる船  モーター船に曳航されダムの中程に進む船のシーン  水位を下げると山のてっぺんに着地。
  村人の思い出の木 野の花 もう帰れない。 全てを呑み込んで静かな湖面…
映画は壮大なドラマを淡々と写していく。  熱意が心を動かした。 かかわる人たちのきもちが 徐々に近づいていく。 12年の軌跡… 
 温かいものがジンワリ届いた。 船のことも知らなかった。
   
  上映後ゲストトーク   興味ふかく楽しみだった
    本田孝義(映画監督)  池田 修(PHスタジオ代表)

 ・いくつかの疑問が 映画完成とともに解けて 見えてきた  
 ・都市とアート、 地方と現代アート、 周辺とアートの関わりなど 
 地域の見え方も変わる。 作品の反射がもたらすもの      

  最後に ヒアシンスハウスについて 
  本田監督… ハウスを外から見るとこじんまりとして品がある。建物があるだけでは意味を成さない。多くの出入りがあってハウスが活きてゆく…
   池田氏…  ハウスから おじいさんの(立原道造1914年生)知恵と力をいただいた。 (大日本)帝国時代の設計で 歴史的建造物。 BankART1929にも通じる
 
                  
-☆-

   合唱:La Mer    指揮 大竹教子  (11月21日全国大会出場予定) 
    
   五つの心象より
   原題無題 「風は かすかに」  詩 立原道造 作曲 小林秀雄

      風は かすかに 日に ひかり
     かがやきて 鐘の
     かなしい歌を まねする
     朝ぼらけ 風は 私の肩をゆく

   清々しい すてきな歌声が心に沁みた。 
  沼のほとりに佇む詩人…  かすかな風は 雑木林をぬけて

                  -☆-

  満月の夜道をいそぐ  頭のなかにくり返すメロディーは ツーンと哀しく
   ダムのこと  ハウスのこと   詩人のこと…  
    
     風はかすかに  日にひかり…  
       かがやきて 鐘の 
         かなしい歌を まねする  かなしい歌を まねする…


子どもワークショップ
線で立体! 竹とんぼ教室など賑わった        

  
さまざまな美のかたち 表現があった。 
   造形  詩  演奏  ヒアシンスハウス  映像  コーラス ・・・
  芸術の秋   盛んな一日が終わる。  

        

コメント (2)
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