別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

水の華  

2009-07-04 | 別所沼だより

  

             風は 或るとき流れて行つた
             絵のやうな うすい緑のなかを、
             ひとつのたつたひとつの人の言葉を
             はこんで行くと 人は誰でもうけとつた

             ありがたうと ほほゑみながら。
             開きかけた花のあひだに
             色をかへない青い空に
             鐘の歌に溢れ 風は澄んでゐた、

            気づかはしげな恥らひが、
            そのまはりを かろい翼で
            にほひながら 羽ばたいてゐた…… (後略)

                  Ⅰ 憩(ヤス)らひ  ― 薊のすきな子に ―   立原道造

                  -☆-

  沼の水が汚れている。 気温があがるにつれて水面はアオコ、 青い藻のようなのに覆われる。 水質浄化は進まないのだろうか。 4年くらい前からはじまった試験、 ブロックもまだはずされない。 沼が赤茶けた色に染まる日もあった。 こころが痛む。
 
  風はこれほど澄んでいる。 メタセコイアが涼しげな顔で、 すらりと出迎える。 その枯葉はいつも水底に積もっているのだろうか。 アオコは植物性プランクトンのしわざ、 水の華ともいわれる。 とんだ美人じゃない。 
 早く きれいな水になってほしい。 蛙もカワセミも待ってるよ
  ひとけのないハウスを、 紫陽花はしずかに見守った。

                  -☆-

  見沼では 蓮や睡蓮が咲きそろう。 水辺に花がよく似合う。 

  


  ヤブカンゾウ も競いあう

         

コメント (4)
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