別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

源氏を愉しむ

2008-10-28 | アートな時間

  先日出かけた 横浜美術館 源氏物語の1000年。 本展の見どころで 写真が見られます。
 書や絵の細やかでうつくしきを、 眼を凝らし、3時間かけて、150点くらい見たのです。 雨の日に、受けとる傘は穴だらけ、何を採ったらよいか、 順不同、 気ままな選択です。

  ・王朝人の生活と教養  

   国宝 紫式部日記絵巻      古筆から漢籍の素養
    白紙文集、  国宝 倭漢抄 下巻 伝藤原行成
    古今和歌集 「高野切」 伝紀貫之、 古今和歌集亀山切」 伝藤原行成 など
   少しも乱れず流麗な書体、 罫もないのにまっすぐ書かれていて驚く。 
   やはり文字は美しいに限る。 パソコンばかりでますます下手になった。

   ・源氏物語の伝承

    国宝 「御堂関白記」 藤原道長

      源氏物語(大島本) 室町時代  拡大          


       源氏物語(河内本) 鎌倉時代  拡大
            

     転写の過程でさまざまな 異本

  ・源氏絵の系譜(中世から近世初期、 江戸時代のもの) 

      源氏物語扇面散屏風(広島 浄土寺蔵) 拡大

        
  
  
展示は6曲1双みられるが写真は部分。  60面の扇絵は巻の順ではなく、 春夏秋冬の順に貼ってある。 絢爛豪華な作品に目を見はり、 何帖の どのエピソードかと探しあぐねる。 
 
 ・源氏物語の広がり
  源氏物語は貴族の古典的教養に欠かせないものとなり鎌倉、室町時代には楽しみ方も多様化。 色紙絵、扇面、 工芸調度に及ぶ。 内容を意匠化、人物を省き、 語られ詠まれたエッセンスのみ現す手法  留守模様、 つまり葦手の意匠。
  
  千代姫婚礼調度から 胡蝶蒔絵挟箱(六条院の春の町、桜、山吹。龍頭鷁首リュウトウゲキシュの舟で舟遊び。 舟楽、  空想上の鳥、鷁 ? ・ 初音蒔絵見台(年月を松にひかれてふる人に今日鶯の初音きかせよ) 歌も葦手書きされて。 初音の調度は他でも見たことがある。
  おなじみの 源氏物語図貝桶 合貝。 

  パンフレット 拡大 (右下隅に現れるマークをクリック、 文字も読めます)

  源氏物語絵巻(模写) 堂本印象  大和絵の趣、 そのまま物語の世界へ誘われた
  多くの 紫式部像  構想を練る式部像。 謡曲「葵の上」によるものetc.
   初めて目にする 国宝・重要文化財・重要美術品がたくさんある。 大琳派展でも感じたように、 文学が芸術に展開されるのを、おもしろく愉しんだ。 

 

コメント (2)
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