別所には、 めずらしい「鬱金桜」 も咲いている。 ショウガ似の 鬱金ウコンで染めたような黄色。
晴れ、ハウスの中は18℃。 お花見がてら68名の方がいらしった。 団体もあり、 はじめて大勢のまえで説明した。 真剣なまなざしが射るようにとどく。 道造と神保光太郎の交遊について熱く語った。
・ 入って来るなり 「はい! 四つ葉のクローバー…」 年配の男性はリピーターでしょうか。 うれしいプレゼントをくださった。 柔らかな緑に目を奪われお礼も言えないうちに
「シャガも 咲き始めたのにね…… 」 と出て行った。
風信子も無惨なすがたをしている。
・ 立原道造は24歳でなくなりました。 存命なら91歳くらい。
「あ! わたしも91です」 息子さんの案内で来られた。 細面のきれいな、 男性にきれいとは失礼だろうか。 でもそう言いたいくらいに 背筋もピンとして 品が良い。
・ 建築家はこころから興じ、 熱心に採寸し、 写真を撮る。
「彼が長生きしていたら すばらしい仕事をしたでしょうね」 プロの厳しい眼でみて、感嘆される。
「設計図はありますか」 かならず聞く。
・ 神戸に住む娘さんから聞いてきた。 ご本人が訪ねた日は休室だったそう。 彼女は道造の熱烈なファンで、 外観だけでも満足していたという。
わざわざいらしたのに ごめんなさいね。 曜日を確かめて、こんどこそかなえてくださいませ。
ヒアシンスハウスのホームページは こちらです
・ 春休みも終わる。 小さなお客様もだいぶあった。 5坪足らずのハウスのこと、 いつまでも心に残りますように。
しゃべり通し 声もしゃがれて 雪道を帰る。 花の橋懸かりをしづしづと歩いた。
キャ ! ノンは入院中で 携帯のカメラで写した。
花ちるやおもたき笈オヒのうしろより 蕪村
生涯は一度 落花はしきりなり 朱鳥
空をゆく一とかたまりの花吹雪 素十