別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

堰のながれ

2006-03-29 | 向き合う

きのうは 『いえに帰るのは 不安…』 と答えた。
 毎日、それとなく、どのように話したらいいのか迷いながら続いていた。
手術もない。 改善したと思えないのに何を言うかと緊張する。 毎度の話に耳を貸さなかった。

 主治医の薦めもあるし、自宅でようすをみてみよう。これまでどおり痛みもなく過ごせるようにできる。家で別の先生に診てもらう、もっと快適になるよう訪問看護で、好きなもの食べて。 ハイビジョン見ようね と誘う。

「今言ったこと分かるよね 退院するのよ」 『わかった』 きょうは簡単に応じた。 『TV見てたら 老舗の和菓子が出てきて美味しそうなの ぜんぶ食べたいって思った』 「いろんな花も咲くよ いっしょに見よう」
 
 堰き止めていた水が、急に流れだした。 思うことがあったのか。
庭で山吹が咲いていた。 母のへやの目の前で、たった一輪だけ。 撮ってきたのをモニターで見せた。