別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

堰のながれ

2006-03-29 | 向き合う

きのうは 『いえに帰るのは 不安…』 と答えた。
 毎日、それとなく、どのように話したらいいのか迷いながら続いていた。
手術もない。 改善したと思えないのに何を言うかと緊張する。 毎度の話に耳を貸さなかった。

 主治医の薦めもあるし、自宅でようすをみてみよう。これまでどおり痛みもなく過ごせるようにできる。家で別の先生に診てもらう、もっと快適になるよう訪問看護で、好きなもの食べて。 ハイビジョン見ようね と誘う。

「今言ったこと分かるよね 退院するのよ」 『わかった』 きょうは簡単に応じた。 『TV見てたら 老舗の和菓子が出てきて美味しそうなの ぜんぶ食べたいって思った』 「いろんな花も咲くよ いっしょに見よう」
 
 堰き止めていた水が、急に流れだした。 思うことがあったのか。
庭で山吹が咲いていた。 母のへやの目の前で、たった一輪だけ。 撮ってきたのをモニターで見せた。
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2 コメント

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花を見ても ラグちゃんを見ても (月草)
2006-03-30 22:42:29
QOLのこと お母様の介護のこと…

いつかの私と母をみる思いがします。

父を癌で亡くしましたが 父は最期まで治ることを信じていました。父も辛かったでしょうが 母はもっと辛かったと思います。

私はふわふわのミュー君に慰められました。

ラグちゃん、どうしているかなぁ~。
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Unknown (ラグタイム)
2006-03-31 10:12:22
 お父様 お若くていらしたのですね。ことばがありません。



 なにもできないけれど、せめて寄り添い、苦痛をなぐさめ、励ましてやろう。 とつぜん届いた一通の報せ、その場に泣き崩れた母のすがたは、幼い日の記憶のそこにあります。以来、泣き顔を一度も見たことがありません。必死で守られてきた。

 こんどはこちらがしっかり支えていく番です。泣いたり、ひるんだりせず ゆるやかに明るく付き合います。  
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