退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

故郷にも東京にも居場所のない男

2008-01-25 01:08:37 | Weblog
晴れ。風冷たく強し。

斎藤武市「南国土佐を後にして」を観る。

「ダイスの眼」の異名を持つ若者が刑務所を出所し
カタギの暮らしを目指すものの様々な邪魔が入って、という話。

ダイスの腕に惚れ込んで彼の就職口に前科があることを知らせるヤクザ。
兄貴分会津に二本柳寛、ベレーの寛に西村晃。

とりわけ後者の軽妙な演技に注目しよう。
後に何代目かの「水戸黄門」役もやった人。

恋人浅丘ルリ子はほとんど何もせず彼の帰りを待つ女。
対照的に情熱的な求愛をするのは中原早苗。

親父の借金のカタに恋人を奪おうとする地元のチンピラに内田良平。
彼の手下たちもまた旭の就職を徹底的に邪魔する。

仕方なく東京へ戻った旭を助けるのが
特攻で死んだ旭の兄と結婚するはずだった料亭の女将南田洋子。

彼女に入れ込んでいる社長金子信雄は一度は旭を雇うものの
中原早苗の告げ口電話によって彼を解雇する。

彼女は敏感にも女将が旭に兄の面影を見ているのに嫉妬したのだ。
(兄は旭が二役で演じているのでそっくりなのは当然なのだが)

そんなこんなで旭は恋人の借金を返すために一度だけダイスを振る。
見事なダイスさばきとカッコよさを是非。

もちろんペギー葉山は何度も主題歌を歌い
刑務所の慰問で知り合った彼を励ます役で登場する。

助監督に神代辰巳の名がある1959年(昭和34年)の作品で
原作は「月光仮面」や「おふくろさん」の川内康範。
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