退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「背筋が伸びるものと奇妙な倒錯を生むもの」について

2016-10-28 03:36:37 | Weblog
晴れ。夜風が冷たさを増す。

白川静「桂東雑記Ⅱ」を途中まで読む。

著者の書いたものに接すると背筋が伸びる気がする。
数々の著作の主な部分にはまだ触れず「搦め手」からであっても。

今後全部読み終えるまでじっくり付き合うつもり。
漢字のでき方とその背後にある「民俗」を知るのは何とも興味深い。

「世の中にはこんなスゴイ人もいるんだ」と思うことしきり。
相変わらず「眼高手低」のわが身は省みず。

僅かながらも「謦咳に接する」ことができるのはありがたい限り。
この種の「レベル」を知るとますます下手なことは出来ないと思うのみ。

サム・ペキンパー「ワイルド・バンチ」(’69)を再見。

かつては強盗仲間だったパイクを執拗に追いかけるロバート・ライアンが全体をまとめる。
刑務所で容赦なく鞭打ちされるのと彼の油断のせいで自分だけ捕まった回想シーンに注目。

それでも他人に彼の評価を聞かれて「最高だった」と言うあたりがなかなか。
ラストで途方に暮れる姿はまるで「恋人」を失った男のようで。

いかにも嫌らしいマパッチ将軍エミリオ・フェルナンデスの元に去った恋人を思いつつ
村のために戦おうとするジェイミー・サンチェスの「純情と熱血」(ギターの弾き語りもあり)。

「最後の仕事」のつもりがまたひと仕事しなくてはならなくなった老境のウィリアム・ホールデンと
「鉄道は絶対許せねえ」と自分を示しながら彼に付き合うアーネスト・ボーグナイン。

「酒と女」をひたすら楽しむゴーチ兄弟にベン・ジョンソンとウォーレン・オーツ。
彼らにからかわれつつ意外にしぶといサイクスのエドモンド・オブライエン。

ハリガン役アルバート・デッガーの脂ぎった感じも印象に残る。
コファーのストローザー・マーティンを代表とする「無法者たち」の顔も素敵。

そして「メキシコ女たち」の美しさも忘れずに。
アルフォンソ・アラウという名前が「赤い薔薇ソースの伝説」(’92)の監督だったり。

自分たちを裏切らなかった友のために圧倒的な人数の敵を相手に戦うラストの銃撃戦よ。
この「心意気」はおそらく易々と「国境を越える」はず。

自動車が珍しかった時代のマシンガンによる「舞踏」を楽しもう。
ここまで異常に人が死ぬと「常識のリミッター」がはずれむしろ「美しい」と感じる倒錯を引き起こす。

スペイン語の甘い歌の数々もまた楽しく。
案外「あぶない内容」があったりする歌詞もよろしく。
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