退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「圧倒的な光ふたつ」について

2016-04-23 02:38:47 | Weblog
晴れ。仕事場でエアコンをかける。

「谷崎潤一郎対談集【文藝編】」読了。

座談会での武田泰淳の谷崎への迫り方が印象的。
活字からその勢いが伝わってくる感じ。

「自称弟子」の今東光についてはやや迷惑がっていたような。
インタビューの中身もむしろ「すれちがい」が多く。

当時の若い女性の言葉遣いがずいぶん気に入らなかったようで
繰り返し同じ話をしているのにふむふむ。

その作品の多様さをあらためて認識しつつ
「巨人」と言うよりない凄さが身に沁みる。

もっとも全集を読んだわけでもないので推測も含めた「感想」にすぎず。
これまた「老後の愉しみ」が増えたようでうれしい。

NHKで「若冲 ミラクルワールド特別編」を観る。

もっぱら技術の解説がなされていたけれど「圧倒的な美しさ」は別次元の趣き。
「動植綵絵」を中心とする傑作群には茫然とするよりない。

映画でいう「パンフォーカス」のさらに緻密なかたちとでもいうのか。
「色彩の魔術師」といったらシャガールだと思っていたけれど。

おまけに水墨画も凄いのだから何ともはや。
久方ぶりに「掛け値なしの天才」をじっくり見たかも。

蛍光色やショッキングピンクなど
いかにも「ケバケバしい色彩」しか知らない向きは是非。

繰り返すが「本物」を知ると「世界」が変わる。
「光が影を浮き彫りにする残酷さ」にご注意を。
コメント
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