退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「さまざまな評価と煤けた世界」について

2016-04-13 03:00:23 | Weblog
晴れのちくもり。明日は雨らしい。

スチュアート・ガルブレイス4世「黒澤明と三船敏郎」を半分読む。

それぞれの作品に対するアメリカの新聞・雑誌の評価にふむふむ。
もちろん「あたりはずれ」はある。

出演者たちへのインタビューの短い挿入もあり。
とりあえずどうまとまるのかは楽しみ。

それにしても分厚い本の造り。
「二段組み」にすることは考えなかったのだろうか。

左腕の「筋トレ」のつもりで明日も持ち歩く予定。

アンリ・ジョルジュ・クルーゾー「恐怖の報酬」(’53)を久方ぶりに再見。

「マリオ」「ルイージ」などの名前はここからだったかと今更思った次第。
前半30分ほどの「設定描写」が19世紀の小説のように長すぎるような。

ニトロを運ぶ段になってようやく記憶通りの盛り上がり。
「そっけない死」の描き方がやはりポイントか。

イヴ・モンタンのマリオとシャルル・ヴァネルのジョーの「立場」の入れ替わりに注目。
フォルコ・ルリのルイージがそもそも「死期間近」だったことは忘れていた。

ペーター・ファン・アイクのビンバが「ナチの塩田」で3年間働かされていたことも。
「家訓」について語るあたりで「物語の定石」が見える。

パイプラインが切れて「オイル溜まり」が出来ているシーンがなかなか。
ただし昔観た記憶とずいぶん違っているのに驚く。

「エクソシスト」(’73)のウィリアム・フリードキンによるリメイクが初見だったはず。
そちらと混ざったせいということで。

リンダ役ヴェラ・クルーゾーのわかりやすい「ラテン系女子」も忘れずに。
彼女は監督の妻でもあり。

それにしても「苦痛と死」のイメージが溢れている印象。
ジョーのかつての同僚で石油会社の責任者オブライエン役ウィリアム・タッブスの声の「苦さ」よ。

油田火災の炎の凄味もあらためて。
この「煤けた世界」の味わいを知っておこう。
コメント
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