退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「神話と命名の関係」について

2015-07-15 02:21:41 | Weblog
晴れ。相変わらず暑い。

マイク・ブラウン「冥王星を殺したのは私です」を読む。

数々の「新星発見」をなしとげながら一方で妙な「陰謀」がありつつ
私生活では結婚・子育てに邁進する著者のちょっと「おかしな感じ」がなかなか。

自らの発見をフイにしてまで「望ましい惑星の定義」にこだわるあたりも
「好ましい人物」であることが伝わってくる。

「宇宙」と「ドメスティック・ユーモア」の結合。
なるほどこういうパターンもあったかという快作。

星の命名に関する神話や語源なども楽しめる「おまけ付き」。
「水金地火木土天海冥」の英語ヴァージョンなども。

「My Very Educated Mother Just Served Us Nine Pizzas」
それぞれの惑星の頭文字を取って「あいうえお作文」よろしく文を作った模様。

Mercury(水星)・Venus(金星)・Earth(地球)・Mars(火星)・Jupiter(木星)
Saturn(土星)・Uranus(天王星)・Neptune(海王星)・Pluto(冥王星)。

「惑星」を表す「planet」は「古代ギリシャ語」で「さまよえる星」という意味。
だからこそ「惑星」という漢字が当てられていて。

星が曜日に関係していることは言わずもがな。

「月曜(Moon)と土曜(Saturn)」はわかりやすいものの
「火曜」は「古代ゲルマン神話のティウ」が起源で「Mars」は「古代ローマの軍神」。

「水曜」は「ゲルマン神話の死神ウォーデン」、「木曜」が「北欧神話の主神トール」から。
「Jupiter」は「ローマ神話の最高神ユピテル」。

「金曜」は「北欧神話の夫婦愛の女神フリッガ」が元で
もちろん「Venus」は「ローマ神話の女神」であることなど。

唐突だが映画「日曜はダメよ」(’60)に主演したメリナ・メルクーリの「メルクーリ」は
「Mercury=マーキュリー」のことだったのね。

「マーキュリー」と言えば日本での評価が世界につながった
英国のロックバンド「クイーン」のヴォーカル、フレディー・マーキュリーを思い出すわけで。

「AU= Astronomical Unit=天文単位」は「地球から太陽までの距離」を表す。
「ウラヌス=ウラニウム」「ネプチューン=ネプツニュウム」「プルートー=プルトニウム」。

さらに身近だと「チタン=タイタン=ギリシャ神話の巨神族」。

星の名も元素の名前も「神話」から。
そういう興味の持ち方も許してくれる本書を是非。
コメント
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