退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

ゆりかごから墓場まで

2008-06-19 01:05:14 | Weblog
くもり。やや風あり。

妹の末娘に会うもののほぼ眠り続け。
久方ぶりにベビーカーを押すことになる。

ようやく目を覚ましたと思ったら終始ふくれっ面で
去り際もぶーたれたままで終わる。

斉藤綾子「結核病棟物語」を読む。

「愛より速く」で鮮烈デビューした著者も今年で五十。
結核と肋膜炎を併発した二十の頃の体験を元に書かれた作品。

回復期に強烈に押し寄せる性欲の描写に目がイキがちだとしても
野蛮な婆たちの生き生きとした描写の見事さを忘れずに。

武田泰淳の「快楽」、「Care killed the cat(心配は身の毒)」の引用、
「掴む」「零れ始めた」「眉を顰めて」「懇ろ」「捲れ」などの漢字の使い方にも注目。

「性」と「死」の匂いあふれる『「病」によるビルドゥングス・ロマン(成長物語)』が
実に読みやすい日本語で語られているので是非。
コメント
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