先日エリザベートで城田トート閣下にすっかり魂もっていかれた私でしたが、今日は気持ちを立て直して井上芳雄閣下に会いに帝劇へ。
いや~、うさぎ先輩から「ピーターパンだね。」とは聞いていましたが、まさにそんな感じ。軽やかで神出鬼没なトート閣下。
何度も観ているのに、肝心なところをちゃんと見ていなかったことにも気づきました。皇帝陛下とエリザベートがハンガリーを訪問したとき、民衆が掲げていたハンガリーの三色旗は下げられ、黄色いハプスブルグの双頭の鷲の旗だけにされていたのに、エリザベートがさっとコートを脱いでその三色旗をモチーフにしたドレスをに見せたから、彼女は民衆の心を掴んだんですね。なるほど。美しいだけじゃなくて、機転もきく人だったんだ。
が、しかし、やっぱり自分のことが一番好きな、「私だけに」体質を捨てきれなくて現実逃避しちゃった悲しい皇后だったのね。
トートとエリザベートは合わせ鏡、という説をどこかで読みましたが、今回の組み合わせはまさにそんな感じです。私が!私が!のエリザベートと、俺が!俺が!のトート閣下。井上トート閣下もまた、自分のことが一番好き感がぷんぷん。
こんなに素晴らしい自分にちっとも振り向かないエリザベートにムカついてしつこくつきまとう感じ。体操室でドクターに化けたトート閣下が拒絶され、「ハウス!」といった感じで追っ払われる時の慇懃無礼なお辞儀も「クソ!」とひそかにつぶやいている感が満載。ルドルフの葬儀の時にも「まだ俺のこと愛してないのかよ!」といういらだちMAXな感じ。
エリザベートの最期、一瞬えも言われぬ表情を見せた閣下が、次の瞬間「ゲームオーバー」的な無表情に変わったのにもぞっとしました。せつなさを見せた城田閣下とはかなり対照的なトートでした。とにかく表情が豊かで、歌に込めた感情も恐ろしいほど細やかです。すごいなあ。。。マイヤーリンクのシーンで、憔悴する皇太子に「死にたいのか」と言い放ったのにはちょっとびっくりしました。。前からあった?あの台詞。。。あ、古川ルドルフは、びっくりするほど小顔で長身。高貴なオーラのある皇太子でした。みんなにそそのかされて、その気にさせられて、気の毒に。井上くんのイメージが強いルドルフの役、本人目の前だとやりにくくないかな、などと老婆心丸出しにして観てしまいました
今夜のゾフィ皇太后は、香寿さん。美しい!このままM!の「星から降る金」@ヴァルトシュテッテン男爵夫人を歌っても違和感ない感じ。ゾフィ様のシックなお衣裳、初めて素敵だと感じました。その着こなしはさすが
ルキーニの山崎君は、もう本当に自由自在な感じに進化していました。この大変な役は、きっと大きな成長のきっかけになるんだろうな。くっきりしたメイクもあるのかもしれないけれど、「男」を感じさせるようになりましたねえ。。育ちゃんなんてもう呼べないかも。
先日から気になっている広瀬友祐くんは、市民活動家シュテファンのほかにも衛兵、貴族、精神病院の職員、悪夢に出てくるバイエルン王ルードウィヒ2世(湖で水死の人)など、いろんなところに出ていらっしゃいました。そういうのを見つけるのも楽しいものです。皇太子ルドルフ、古川くんも、ちゃんとエーヤンの旗持ちしてました。ミルク!では見つけられなかったなあ。
皇帝陛下って、結局最後まで片思いだったんだなあと、今日も「夜のボート」で涙を流す姿に胸が痛くなりました。
「一度私の目で見てくれたなら あなたの誤解もとけるでしょう」という歌詞にどきりとする私でございます。。。