ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

ヘルタースケルター

2012年07月06日 | 映画


ヘルタースケルターでまず思いだすのは、ビートルズのホワイトアルバムに入っているあの曲。そして次は、その曲に刺激されて狂信グループを結成し、シャロンテートを殺害したチャールズ.マンソン。この辺りまではすんなり思い出されるが、その後同じタイトルの漫画があったことは全く知らない。その漫画を原作とした映画が蜷川実花ヘルタースケルターである。

前作さくらんは、原色使いが写真家としての彼女の作品と同じだったという印象しか残らない、映画としては重要な何かが決定的に欠けているという認識しか持てなかったものだったが、本人は映画に興味があるのだろう。今回は、主役に、何かとお騒がせの沢尻エリカを抜擢し、話題性先行の戦略と共に、万全の態勢で公開を待っている状態だ。メイキングの映像があったのでちょっと観てみた(映画には全く期待していない)。すでに、沢尻エリカの狂気に満ちた熱演が凄い、というような、多分意図的に流されたであろう評判がネット上を行きかっている。熱演イコール良い演技イコール良い映画とはならないことは自明の理なのだが、世の中にはそう信じている人も多い。

室内の場面であったが、相変わらずの原色使いで、壁にはマン.レイの唇を思わせる壁画或いは壁紙があり、思わず如何にもなと漏らすようなもの。どこかで見たような頽廃的なインテリア、どこかで見たようなグロっぽい雰囲気と、どうも類型的な映像にしか見えないのだ。総じて表面的にしか見えない。そして演技。確かに熱演かもしれないが、むしろ陳腐に感じた。

と、観る前から断定は出来ないが、さくらんに続きまたまた陳腐な映画である、と勝手に想像してしまった。

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