ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

うなぎ について

2012年07月28日 | 食べ物

 

このところ鰻の話題が多いが(夏の風物詩でもあり一年のうち一番需要の多い時だから)、本当に皆鰻が好きなのだろうかというのには疑問がある。周りを見回しても、別になくても構わないと言う人間の方が多いように感じる。鰻屋の旦那が、これを機に鰻を食べなくても構わないと思う人が多くなることを一番恐れている、とテレビのインタビューに答えていたが、現実は既にそうなっているのではないだろうか。

今回原価が三倍ほどになって、仕入れ値は一匹800円だか900円になったと当地の情報筋から聞いた。ということはそれまでは300円だったのか。それを2000円以上(他にかかるのはご飯にお吸い物くらい)で出していたとすれば、結構良い商売をしていたんだというのが正直な感想。もし本当に鰻の原価が300円だったとすればの話だが、世の中、知らない所では色んな仕組みがありそうだ。

で、鰻不漁に関しては、今までのシラスウナギをごっそり採ってというやり方が(日本ばかりではなく中国でもやってるわけだから)、結果資源枯渇につながった見るのが妥当ではないだろうか。こういうものは、ある時期を境に激減するものだ。嘗てのニシンなどが良い例だろう。養殖といっても、自然界のこれから親となって産卵するだろうというものを根こそぎ採って食べちゃうんだからいつかは採れなくなるだろう。養殖して育てたものの一割でも海に戻していたらこんなことにはならなかったと思うが、それは今となって言える空しい理屈である。

シラスウナギといえば、スペインではそれをオリーブオイルで炒めて食べる有名な料理があるが、もう何年も前から不漁で滅多に食べられないというのを聞いた事がある。視覚的にはごっそり食べちゃうという印象があるが、日本の場合は同じくごっそり採って親にして結局食べるわけだから同じことである。育てるのにエネルギーを消費する分、むしろ日本のほうがより資源の無駄遣いと言えないこともない。

既に、鰻を食べなくても構わない人間となっている身からすると、今回の鰻価格高騰は、あらゆる水産資源を考え直すいい機会になるのではなだろうか、と飽くまでも傍観者として思うのである。

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