『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

1999年9月創刊。≪阪神道路問題ネット≫交流誌のブログ版。『目次』のカテゴリーからの検索が便利。お知らせなども掲載。

『みちしるべ』パリのパン**<2013.9. Vol.80>

2013年09月21日 | パリ&東京&沖縄より

パリのパン

三橋雅子

 パリの食材は日本の半値、外食は倍値と聞いていたから、専らアパートで自炊をすることにした。私は飯作りはちっとも億劫ではないから、むしろ市場を徘徊して食材を眺めるのが楽しくて張り切った。無論スーパーもあるが、そこら中パン屋が多い、肉屋が多い。同じ通りの数件先にまたパン屋があって迷うが、人だかりの多い方が?と並んでみるが待つ間もなく、どんどん人がはけていく。その間にケースの中のおいしそうで安いのを、と選び、ブール位ならいいが、ちょっと込み入った名前を復唱してレジに進む途中で、はや自信を無くしてケースに戻ろうとすると、側で私が復唱していたのを聞いていた人が替わりに言ってくれる。メルシ、メルシ・・・。値段は1,なにがしかユーロで2百円しない、百円台で、こんな本格的なフランスパン(当たり前だけど)が買えるなんて、と早くも感激、日本では少なくとも2~3百円はする、いや気取った偉そうな所なら、この位のブールは400円台・・・ホカホカで固くて香ばしい匂いに包まれて…この位で人は十分幸せになれる…。さて肉屋もより取り見取り。多種多様に眩惑されて、まずは、オーソドックスにパルマハム、こんなに断面の大きい本格的なハムだもの、イタリアンの食材屋なら千円で、ちょっぴりの筈、という頭が失敗した。10ユーロといったらにっこり、布を剥いで切り始めたのがいつまでも止まらない…ああ、もうその辺で、と思ったが言葉が出ない、あっという間にてんこ盛りのハムになってしまった。

 ハムばっかりでもしょうがない。何か野菜を、と八百屋を覗くと、これまた色とりどりのピーマンやら、ブロッコリやら、きのこ・・・まではいいけど、訳の分からないものがカラフルに溢れている・・・とりあえず先ずは調理の見当がつくものを見繕っていそいそと家路に。両手に満載の豊かな食材はそれだけに幸せになる。

 失敗とは言え10ユーロののハムの食べ応えのあること、複数人で4~5日はたらふく楽しんだろうか。誠に美味極まる本物のハムを。これで千円台とは・・他の食材も推して知るべし。そして何より焼き立てパンの安くておいしいこと。2百円足らずで一人なら二日分はある。さすが「パンをよこせ」で革命が起こったお国柄か。消費税がかかっていないことが最大の理由であろう。日本でも、食費に掛からないなら、消費税いくら上げてもいいよ、と言いたくなる。

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