『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

1999年9月創刊。≪阪神道路問題ネット≫交流誌のブログ版。『目次』のカテゴリーからの検索が便利。お知らせなども掲載。

『みちしるべ』**横断車道(104)**≪2021.夏季号 Vol.110≫

2021年08月21日 | 横断車道

横断車道(104)

コロナ禍の昨今、「早く終息することを願ってます」という放送をよく聞き、違和感を持つ。人類75憶分の一であろうが、一人一人が収束の主人公で、医療従事者や政治家丸投げの、よそ事ではない▼8月は原爆被害・終戦・お盆で、戦争反対の意見が多い。その事は良いのだが、なぜ大戦が起こったのか?そこに突っ込む意見に乏しい。ナチスは未だに裁かれるが、戦争推進日本指導者は、その末裔が今も政権にある▼明治維新は武家社会からの革命と言われるが、徳川幕府から天皇制への移行で、要はクーデターに他ならない。幕府と薩長の争いが誇張されるが、列強による圧倒的な内政干渉は、触れられない▼日本人にとって「忠臣蔵」は人気物語。浅野家にひいきして、吉良家をこき下ろすつもりはない。が、物語の神髄は、喧嘩両成敗であるべきところ、浅野内匠頭だけが自害させられたことに対し、将軍家への批判であったろう。物事には必ず両面があり、その双方を斟酌して、結論を出すべきで、弁証法という哲学がいう▼江戸末期の日本は世界最大の軍事国家であった。100万を超える軍隊があったのだ。欧米列強も充分承知のこと。黒船とて300人程度しか乗船できない。不可能であったろうが、100隻の黒船で押し寄せても、上陸部隊は2万人。数十万の幕府軍にはかなわない。そこで薩長など、世界情勢に疎い藩をけしかけて、漁夫の利を狙ったのだろう▼第二次世界大戦も、日本が一方的に戦線を開いたというよりも、圧倒的優位にあった米国のやらせを見ないわけには行かない。真珠湾攻撃は事前に察知していたのは、山本五十六が「負けた」と言ったことでもわかる。当時は巨艦巨砲の時代は過ぎ、空母を中心とした機動艦隊が主力。真珠湾には機動艦隊が一隻もなかったのだ▼戦後日本は戦争推進勢力が、今なお政権にある。個々の与党勢力を同一視はしないが、不思議に思う国民は少数だろう。我ら道路問題に携わる者にとって、日本の道路行政は米国によってコントロールされてきた。都市部の都市計画道路は、殆どが昭和21年の決定である。まだGHQ支配下の時である。高度経済成長下で、米国は日本に世界に異例の公共事業突出を要求し、実現させてきた。戦前まで鉄道王国であった日本が、その衰退とともに、高速道路網の面積比率で、世界に類例のない高密度にしてしまった▼さて、コロナ禍で日本経済の傾斜が顕著になっている。東京五輪が拍車をかけてコロナ地獄を進行させている。その中で、予断を許さないが、米国は経済の回復傾向にある。ワクチン経済は留まるところを知らない。ビル・ゲイツ財団がコロナワクチン研究に、膨大な寄付をしていることは報道された。が、彼はワクチンを製造する製薬企業の大株主でもある。損をしたのか得をしたのか、定かではないが。

     (コラムX)

【投稿日】2021.8.13.

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