『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

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『みちしるべ』**「南西諸島を戦場にする自衛隊配備に反対」の声を!**≪2020.秋季号 Vol.108≫

2020年11月20日 | 平出正人

自衛隊配備の最前線に立たされる南の島
「南西諸島を戦場にする自衛隊配備に反対」の声を!

平出正人

 辺野古新基地建設と同時並行的に、政府は南西諸島への自衛隊配備を強行しています。自衛隊の南西諸島配備計画は、民主党政権下の2010年に改定された、「防衛計画の大綱」で登場しました。尖閣諸島をめぐる日中間の対立が高まったのを機に、「自衛隊配備の空白地域」である南西諸島への配備の必要性が打ち出され、2013年改定の防衛大綱に引き継がれました。そして、2016年3月から与那国島に約160名の陸自沿岸監視隊が駐屯。また、2016年10月から奄美大島に約550名、2020年4月から宮古島に約700名の陸自警備部隊・地対艦空誘導弾部隊が駐屯。そして、石垣島に奄美・宮古と同じ陸自部隊約500〜600名を駐屯させる計画で、2019年3月から駐屯地の建設工事が始まりました。今年3月26日には宮古島と奄美大島に新しい基地が開設され、石垣島でも造成工事が進んでいます。

 いわゆる「自衛隊の南西シフト」といわれ、「緊張高まる中国の脅威から領海、領土を守る」「南西地域の島嶼部(とうしょうぶ)の部隊の態勢を強化する」という名目です。しかし「国防の要衝」「国の専権事項」といわれ、既成事実のように進む自衛隊基地の建設は、独自の歴史を持ち、さまざまな困難を乗りこえて平和な生活環境を築いてきた島の人々の暮らしや運命を左右する重大な問題をはらんでいます。自衛隊配備の最前線に立たされる南の島――そこでは「愛国」や「国防」を叫びながら、後は野となれ山となれで公共財産を売り飛ばして利得を得るという東京司令部直結の売国政治が露骨にあらわれる一方、島で生き、平和な島を子や孫に受け継ごうとする人たちの、決して諦めることのできないたたかいがますます鋭さを増しています。

 私たちはこの現実をしっかりととらえ、伝えていくために、昨年の7月に「南西諸島への自衛隊配備に反対する大阪の会」を結成しました。この1年、宮古島・石垣島への訪問団や講演会、街頭でのスタンディング、各地イベントでのアピ-ルも行ってきました。

 自分の身に起こった事ではないからと言って、何もおこっていないわけではありません。静観・傍観・沈黙することは現状容認であり何一つ問題の解決には至りません。今一番の問題は❝沈黙と無関心❞だと思います。私たち一人ひとりは微力であっても、決して無力ではありません。一人ひとりがつながれば大きな力になります。一人の100歩よりも100人の一歩……。『負けない方法、勝つまでずっと諦めぬこと!』南西諸島は遠いですが、今起きていることは日本の将来と深くかかわっています。今こそ諦めず、明るく、したたかに、お互い心を寄せ合いながら幅広い活動を続けていきましょう。「南西諸島を戦場にする自衛隊配備に反対!」の声を共に上げていきましょう! 

(南西諸島への自衛隊配備に反対する大阪の会の会報より転載)

【南西諸島】九州島南方から台湾北東にかけて位置する島嶼群(とうしょうぐん)。北から南へ、大隅諸島、吐噶喇列島、奄美群島、沖縄諸島、宮古列島、八重山列島と連なり、沖縄諸島の東に離れて大東諸島、八重山列島の北に離れて尖閣諸島があります。

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