『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

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『みちしるべ』**『道路公害反対運動全国交流集会』実行委員会報告**<2008.1. Vol.50>

2008年01月02日 | 藤井隆幸

『道路公害反対運動全国交流集会』実行委員会報告

世話人 藤井隆幸

日時;12月8日(土)午後1~ 5時
場所;名古屋港湾会館

議題

① 次回の大阪集会について
② 道路行政の転換への具体策について
③ 35周年記念の書籍出版について
④ 道路公害反対運動全国連絡会(全国連)の幹事会発足について
⑤ 全国連のホームページとメーリングリストについて

はじめに

 毎年開催されてきた『道路公害反対運動全国交流集会』は、07年の東京集会で33回目になりました。毎回、開催前に何度かの実行委員会をもち、開催の準備を行ってきました。今回の実行委員会は、これまでの実行委員会からステップアップしようという試みの一環でした。

 初期の『全国交流集会』は70年代の公害反対闘争の中で開催され、それこそ建設当局との体を張った闘争の決起集会でした。それら各地の運動の成果として、建設当局も環境に配慮せざるを得なくなり、一定の環境対策を勝ち取ってきました。80~90年代には環境アセスメント(影響評価)の闘いが重要になり、その科学的知識の交流に『全国交流集会』の果たす役割が変わってきました。21世紀に入り、財政の行詰りから建設当局の勢いは縮小してはきましたが、相変わらず巨大な予算とその利権に基本姿勢は変わりません。今後は、次世代への交通政策提言の必要性が求められる時代になり、経験交流だけでは情勢に相応しくなくなっています。

 70~ 80年代は実行委員会の事務局長だけ選んでいました。90年代には『連絡会』を立ち上げて分担金も徴収する中で、各地からの代表参加により実行委員会を開催し、集団での知恵を出し合えるようになりました。しかし、年に一度の『全国交流集会』を中心とした運動から、脱却したといえないのが現状です。その脱却をめざし、今回の実行委員会は行われました。

 『連絡会』に参加する団体は、年会費(分担金)¥5000を払っているようなのですが、兵庫県には年会費の納入団体が今のところありません。しかしながら、地域に漏れがないようにと、今回お誘いがありましたので、オブザーバー的に参加してきました。東京から3人、神奈川から2人、名古屋から3人、京都から1人、大阪から2人、広島から1人と私の合計13人が集まりました。

2008年全国交流集会in大阪

 まずは08年の『全国交流集会』開催の大阪から、集会の構想を提言してもらいました。開催日は11月8日(土)~9日(日)を予定するとのこと。初日の現地見学会は京都に集合してもらい、バスで第2京阪(下は国道1号線のバイパスで高架部は西日本高速道路)を京都高速道路新10条とのジャンクション予定地から、もう一方の大阪中央環状線(近畿自動車道)とのジャンクションの門真市まで見てもらう予定。半分ほどは開通しているはずですが、工事中も含め、できれば工事現場の中を通ってもらい、進捗状況の遅い寝屋川・門真は、現場近くの道路を通る計画だそうです。また、初日のシンポジュームは排ガス問題をテーマに、京都大学・東京理化学大学・神戸大学の工学・気象系と医学・疫学系の先生方に話をしているとのこと。ちなみに、懇親会は美味しいものを出すので期待してもらって結構とのことでした。

 2日目は分散会にするか、分科会にするかということですが、地元としては分科会にしたいとの意向でした。①健康被害、②行財政問題、③交通政策などを考えているそうです。毎回、分科会にしても総ての分科会が、自らの団体の自己紹介になってしまい、問題の掘り起こしや発展につながらないという意見もでました。討論の中で、参加者の理論的発展が可能なように、最低4時間以上の時間的保障をすることが確認されました。

道路行政の民主的転換を求める具体的行動

 今回の実行委員会が、前回の『全国交流集会』後の間もなく開かれたというのは、道路行政の分析や提言が出来るような、議論が出来ていないことへの反省もあったようです。以前の毎年の実行委員会には参加していませんので、そのような議論はされているものと思っていました。実際には、集会の段取りだけで忙殺されてしまい、政策的議論がされないというストレスがあったようです。

 東京や神奈川、名古屋の実行委員からは活発な意見が出ました。詳細は何かの機会に紹介できるかと思います。京都の実行委員がモバイルパソコンで、議論の中身を筆記して、USBメモリーで全国連事務局長に渡していましたので、その内にメールか何かでもらえるのではないかと思います。

 大阪の実行委員からは、昨夏は猛暑で誰もが地球温暖化に気を使う時代になってきたので、08年集会のテーマは「温暖化時代の道路問題」としたいとの意見がありました。東京の実行委員からは、国土交通省のホームページを見る必要性が力説されました。敵を知らなければならないのと同時に、国民に向けての意見募集もしています。「今後の10年の長期計画」は必見とのこと。07年11月の「公共工事の構想段階における住民参加についてのガイドライン(案)」に対する、パブリック・インボルムメント(一般意見)を募集しているとのこと。出来るだけ意見を出すようにとの要請でした。

35周年記念の出版

 『全国交流集会』の歴史の中で、15周年と25周年には記念出版をした経験があります。大阪集会の次は35周年記念に当たります。内容はともかく、出すか出さないかの意見はまとめようということでした。各地が販売をすれば、採算面からは何とかなるとの試算でした。各実行委員からは出すべきとの意見でまとまりました。今後、1年をかけて、内容をつめることになりました。

全国連の幹事会発足

 これまでは各地から実行委員が参加して、集会の段取りが中心の実行委員会でした。理論的整理などを行い、政策提言などが出来る組織にしてゆきたい。そのために、恒常的に連絡会に「幹事会」を設置したいとの提案がありました。

 幹事には誰がなるかなどの条文的なものはありません。各地から主なメンバーが参加し、今までの実行委員会より短期間に幹事会を開催することになりました。阪神間道路問題ネットワークとして、代表派遣してゆくのか否か、検討する必要もあるようです。しかしながら、分担金や代表派遣費の根拠となる財政もない段階で、結論を出すのは難しいのが現実です。当面は、オブザーバーとして連絡がもらえるようです。

 次回は、また地理的に中心の名古屋で、08年の1~ 2月頃に行われる予定です。

ホームページとメーリングリスト

 随分以前に、京都のH氏が全国連のホームページを作ってくれました。が、現在はH氏が別分野で活躍していて、放置されている現状です。同じ京都のHD氏が、更新しても良いとのことでした。次の幹事会あたりで、具体案が出るものと思われます。

 全国連のメーリングリストも、一部の学者の書き込みがある程度で、事実上停止しています。新たに全国連のメンバーに広く開放するメーリングリストと、幹事会だけのメーリングリストを立ち上げることになりました。古いメーリングリストは廃止する方向で話し合われました。全国連全般のメーリングリストには、阪神間道路問題ネットワークの、インターネット接続者も参加できるようなので、詳細がわかればお知らせします。

往復各駅停車の旅と懇親会

 今回参加するのに利用した交通手段ですが、JRの在来線を使いました。新幹線を使えば1時間半で行けるのですが、『熊野より』の“山姥さん”ではないのですが、「急ぐ旅でもなし」新快速を乗り継いで3時間の旅でした。新幹線では7500円ほどのところ、在来線では3500円ほどの半額です。新快速でも大阪から米原まで12駅も止まります。米原からは快速に乗り換え。快速といっても岐阜までの11駅は各駅停車。岐阜からは尾張一宮・名古屋・金山と20分程度の旅。金山でお昼を食べて、地下鉄で終点の名古屋港まで。帰りも同じ経路でした。

 「公害被害者総行動」というのが、毎年5月に東京で開かれています。「新幹線訴訟原告団」はバスをチャーターして、新幹線を使うことはありません。大阪空港訴訟原告団はバスか新幹線で、飛行機は絶対に使いませんでした。国道43号線訴訟原告団は最後の頃は新幹線でした。ともかく、意地でも被告の世話にはならないというのには、感心したものでした。私の場合、誰に気兼ねをしたわけでもないのですが、経済的理由というのが最大の理由です。S画伯は近鉄で、アーバンライナー(特急券が必要)を使わずに、丸特切符で1700円程度といっていました。今度は試してみようと思っています。

 実行委員会の後に、懇親会があったのですが、不況の阪神間では考えられない現象を見ました。名古屋駅周辺なら、東京方面から来ている新幹線指定席のメンバーも、ゆっくり参加できるということでした。土曜日というのに通勤帰りの服装の人達で満員の地下鉄に乗り、名古屋駅に付きました。大手居酒屋を何軒か回ったのですが、なんと何処も予約席で埋まっていました。忘年会シーズンとはいえ、土曜日も仕事帰りというのは驚きました。阪神間ならこの時期、何処のお店も空席が充分あります。まして土曜日など、駅前でもお休みの店があったりします。

 名古屋だけ活気が良いということだそうです。消費税を1円も払っていないのに、今年は2800億円も還付金。2兆円の純利益のトヨタのお膝元現象だそうです。尼崎には松下のプラズマテレビエ場誘致をしましたが、随分の違い。名古屋駅正面は一面のイルミネーション。若いカップルが携帯電話で、思い思いに写真を撮っていました。今年の阪神間は師走に入ってもジングルベル無しですが、名古屋では色とりどりのクリスマスの装飾を凝らした店舗が目立ちます。

 何とか残った10人のメンバーが入れるお店があり、狭く迷路のような2階で、火事があったら仕舞いだと言いながら、お酒にありつきました。新幹線指定の都合で、6~ 7時の1時間だけの懇親会。思いの外早く終了で、西宮には10時頃には帰り着きました。

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