『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

1999年9月創刊。≪阪神道路問題ネット≫交流誌のブログ版。『目次』のカテゴリーからの検索が便利。お知らせなども掲載。

『みちしるべ』現状に屈せず人が大切にされる社会を!**<2008.1. Vol.50>

2008年01月01日 | 大橋 昭

現状に屈せず人が大切にされる社会を!

代表世話人 大橋 昭

 皆さん明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 「今年こそはよい年を」の願いをよそに2008年は原油、穀物の高騰、円高、株価の暴落など、内外の不安な経済情勢が私たちの生活に大きな影を落とす幕開けとなりました。

 既に昨年末からガソリン、食品の諸物価の値上がりが日常生活を直撃するという状況の中で、唯一「C型肝炎薬害患者」救済の朗報もありましたが、少子高齢化の加速と格差、貧困の拡大は加速し、福祉の低下、医療崩壊、教育崩壊、農村の疲弊、税金負担増、雇用の不安定化など重苦しい事態に依然明るい兆しが見えてきません。

 これらの社会不安を除去し国民に幸福と安心をもたらすべき、政治の原点「経世済民」を忘れた、今日の政治家や官僚、企業家たちに「偽」の名を付したことは当然の帰結です。まさに私利私欲と自己保身と情報隠しに終始し、無能、無策、無責任にまみれたその存在に国民の怒りは頂点に達した感があります。

 昨夏、参議院選挙で大敗を喫した自・公政権が、なおもアメリカの戦争政策に追随し、「ねじれ国会」をよいことに主権者不在の中で生活に関わる多くの重要法案をよそに「新テロ法案」を強行可決しました。これからは戦争という暴力ではなにも解決しないという認識の欠如は、国際貢献という名のもと戦争を放棄した平和憲法9条に反し、日本の外交戦略の脆弱さを暴露して余りあります。また汚職まみれの防衛族を依然手厚く保護し、莫大な血税を無駄使いする防衛政策政治は、世界平和の願いに逆行する看過できない暴挙です。一方、小泉、安倍、福田政権にまたがる構造改革という名の収奪は、一層の社会的弱者の切捨と格差、貧困を拡大させ、生存権を保証する平和憲法25条を形骸化し、生活の基盤である人と人の関係をバラバラにし、社会の安心と安全を崩壊させました。とりわけ社会の基本を支える働く者への労働法規の規制緩和「派遣法」は、働けども働けども人間らしく生きてゆけないまでに人間の尊厳を奪い、現況は生きる希望を砕いて余りあります 。

 今、私たちには弱肉強食の猛獣資本主義に決別し、安全で豊かな社会をめざし、不条理極まりない政治に対抗する主権者としての自覚と自立が緊要です。

 同時にすべての国、とりわけアジア近隣諸国との平和共存の実現と、あとがない地球環境は子孫からの預かり物の視点を失わず、あらゆる機会により多くの人達と交流連帯し、モノ・カネに囚われない価値観に立ち、日常の中から「共生と協働」の実践を通じ、現状に屈しない、人間として尊重され、生きて行ける社会への変革運動が急務であることを訴え新年のご挨拶とします。

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