小幡憲仁 議会活動日記

よく考える政治!
20年後の高浜をイメージし、今の政治を考える。

地方分権

2005年08月11日 | 私の考え
今回の総選挙の争点は、郵政民営化ということになっているようですが、地方分権についても争点にしてほしいと思います。自民党、民主党ともに、地方分権に関する政策はマニフェストで明らかにすることになりますので、我々有権者は両方の政策を充分に吟味することが求められます。

地方分権に関して、国と地方の財源の関係を簡単に説明します。(地方は変われるか:ちくま新書 より)
平成13年度に国民全体で収めた税金は、歳入ベースで85.5兆円です。国税が50兆円、地方税が35.5兆円です。国と地方の割合は、3:2の関係にあります。
一方、歳出は153.3兆円となり、不足分は借金で賄います。歳出の内訳は、国が57.4兆円、地方が95.9兆円です。国と地方の割合は、2:3の関係に逆転します。この差額が、国から地方へ交付金、補助金として交付される訳です。

補助金の問題として、これを国から取ってくることが、地方の仕事になっています。毎年、地方から大挙して陳情に上京するだけでも、本当に無駄なことだと思います。
国の補助金がついた事業を議会で拒否することはあり得ませんので、補助事業の決定権は地方議会ではなく実質的に中央官庁にあることになります。
せっかく国が金をくれるのに、反対することなどありません。こうして甘いチェックで事業が実施されていくのです。

地方交付税は(高浜町は地方交付税の不交付団体)、国税の一部を地方自治体の財政力の格差に応じて補填するものです。財政力の弱い自治体でも一定の公共サービスを実現するため、不足分を国が補填する制度です。これも、国が政策誘導的(景気対策など)に地方に借金で事業をさせて、その借金の返済金の一定割合を後で交付税に上乗せするなどの制度があるため、地方の財政感覚がなくなる原因になります。

とにかく、国のサイフだから、自分たち(地方)の金ではないのだから、多少、無駄だと思える支出にも目をつぶってしまう訳です。こうした課題に鋭くメスを入れる政策が必要です。

議会費

2005年08月10日 | 私の考え
来月8日に9月定例会が始まります。9月議会は、前年度(平成16年度)の決算を審議する重要な議会です。(議会はどれも重要ですが)しっかりとした審議を行うため、ここ最近は平成15年度の決算状況について再チェックしています。

地方自治体の財政状況は決算を調べるとよく分ります。この決算状況については、最近では「決算カード」として必要なデータを1枚のペーパーにまとめて公表されております(総務省のHPで閲覧可能)ので、このカードを比較すると他の自治体との違いなどが分り、参考になります。
そこで、県内自治体の平成15年度の決算カードを見比べていたらあることに気付きました。

地方自治体が使うお金は、その目的ごとに区分されています。例えば議会費、総務費、民生費、衛生費…などです。(他にも性質別の分け方、例えば人件費、扶助費、公債費…などがある)

高浜町で歳出合計に占める議会費の割合は、0.84%です。これは、0.77%の福井市に次いで2番目の低さです。当然、人口規模の大きな市では、歳出全体に占める議会費の割合が低くなる傾向にありますので福井市が一番低いのは理解できますが、高浜町が福井市に次いで2番目の低さとは、驚きます。これを喜ぶべきか悲しむべきかは少々悩むところです。

信じ難いですが高浜町議会には、議会専用の全員協議会室や委員会室がありませんし(さすがに本会議場はある)、議会図書室もありません。そのうえ、議員用のロッカーのひとつもなければ、議員がちょっと書類を広げるようなテーブルのひとつもないのです。
因みに昨年から、インターネットで閲覧できる議会会議録システムの整備を要求していますが、これも実現していません。

それでも、せめて議会の議論だけは他の町村には負けないようにと頑張っているところです。


争点

2005年08月09日 | 私の考え
今、構造改革を進めなければ日本に明日はない。派閥談合政治をぶっ潰す。非効率な官業を廃止・縮小し小さな政府を目指す。改革を選択するのか、今までの役人天国を存続させるのかが問われている…。
今回の総選挙に向けた、政権与党サイドの発言です。野党サイドの発言ではありません。これが、今回の選挙の争点の分りにくさの象徴ではないかと思います。

与党が、与党の政権運営を批判することによって、国民の支持を集めるという不思議な現象はいつまで続くのでしょうか。

衆議院解散

2005年08月08日 | 活動日記
【議会運営委員会】
午前中、議会運営委員会に出席。議員倫理条例、議会の会派制度、政務調査費、一問一答方式などについて議論しました。これらの課題については、今後とも継続的な議論が必要です。

【衆議院解散】
今日、郵政民営化法案の参議院での否決を受けて衆議院が解散しました。
9月11日の投票日に向けた選挙戦が始まります。

さて、今回の総選挙ですが、自民党執行部では郵政民営化に賛成か反対か、この一点のみが選挙の争点であるかのような発言がありますが、それは少し違うと思います。
もちろん、大きな争点のひとつではありますが、まさか選挙後に郵政民営化法案だけを処理して、再び解散するわけでもありませんので、あくまでこの選挙は、今後の政権を、自民党・公明党の連立政権が担うのか、民主党に政権交代させるのかを選択する選挙です。
従って、この4年間の小泉政権の実績がどうだったのか、そして今後はどんな展望があるのかを充分に見極めて、双方のマニフェストをじっくりと見比べて、投票していただきたいと思います。

繰り返しますが、今後の政権政党を選ぶ選挙です。今まで通り自公の連立で行くのか、それとも民主に政権交代させるのか、現実的にはこの二つに一つです。

郵政民営化

2005年08月07日 | 私の考え
午前中、テレビの報道番組を見ていました。郵政民営化採決の話題でもちきりです。郵政民営化が否決なら解散というのも随分乱暴ですが、私にはそれでも民営化法案に反対する理由が分りません。
様々な議論がありますし、その内容をきちんと理解している訳ではありませんが、私は国営の金融機関などをいつまでも残すべきではなく、即刻民営化すべきと考えています。

民営化には賛成だが、この法案には反対という意見もあるようですが、これも私には理解できません。郵政民営化が賛成ならば多少法案に不備があろうとも(そのことは提言すべきですが)、代案を出さないのなら最終的には法案には賛成すべきです。
また、国民の関心が低いとも言われますが、国民の関心の低さと賛否とは関係ありませんし、そう関心が低いということもないように思います。
郵貯・簡保の350兆円の資金が財投を通じて非効率的な官業に流れており、その元を絶たなければこの国の将来はないという問題意識は、今では国民の大きな関心事であり共感を持たれていると思います。この点、民主党は民意を読み違えているのではないかと心配です。

また、今日のテレビで岡田代表は「A級戦犯が合祀されている靖国神社には決して参拝しない」と明言していましたが、これも気になりました。そんな所へ行く必要はさらさら無いというニュアンスに感じました。これも民意を読み違えているように感じます。靖国神社参拝は日本国総理の責務であり、これを問題なく実現できるよう努力する姿勢を見せて、その上で今は難しいというのならともかく、決して参拝しないというのでは、国民からすればひどく冷酷な人といった印象を受けます。決して少なくない人が、「これではちょっと…」と感じるのではないでしょうか。

以上、テレビを見ていて感じたことです。

広島原爆の日

2005年08月06日 | その他
午前中、猛暑の中を自転車に乗って「議会REPORT」を配布しました。軽く1リットルは汗をかいたのではないかと思います。

今日は、広島原爆の日60周年です。東京空襲などの無差別都市空襲も含めて、ナチスが行ったユダヤ人大量虐殺と並ぶホロコーストで、第二次世界大戦における最大の戦争犯罪です。
戦争とはいえ、10万人を超える無辜の民を1発の爆弾で虐殺するなど決して許されるものではありません。このことだけは決して忘れてはいけないと思います。

地方議会を問う

2005年08月05日 | その他
8月3日から日経に「地方議会を問う」と題した特集記事が連載されています。地方議会の実態を調査し、問題点を浮き彫りにし、どうあるべきかを問う内容です。

・政策立案能力に疑問符 浮上する「不要論」
・行政との「なれ合い」映す 働かぬチェック機能
・(合併特例による)マンモス化に住民反発 「特例」にリコールの嵐
これは記事の見出しです。内容は読まなくともだいたいの想像がつきますが、記事を読み進むと改めてその実態が分かります。
例えば、合併で誕生した秋田県由利本庄市では、市議会議員数が127名。公民館を借りて議会を開催しています。
この5年間で都道府県議会で議員が提案した政策条例は僅か95件です。(最も多いのが鳥取県の14件)都道府県平均で一人あたり月額35万円もの政務調査費が支給されているにも関わらずです。
ほとんどの議案が修正されることも否決されることもなく、機械的に可決されていく実態があります。

ところで、今日、「地方は変われるか」(佐々木信夫:ちくま新書)を読了しましたが、この本に日経の記事の答えの一部が書かれているように思いました。

アスベスト

2005年08月04日 | 活動日記
アスベストが世間を騒がせています。文部科学省では、学校施設のアスベスト使用に関する文部科学大臣談話を7月15日付けで発表しています。
この談話によると、文科省では昭和62年に全国一斉に学校施設のアスベスト使用状況の実態調査を行い、その後、アスベスト除去の補助制度を設けて対策工事を支援してきました。また、子供たちの安全対策に万全を期すために、改めて学校施設等におけるアスベスト使用状況等の全国実態調査を実施し、その結果を踏まえ必要な対策を講じていく、とあります。

そこで、高浜町教育委員会を訪問し、町内の学校施設のアスベスト使用に関する実情を確認しました。
まず、昭和62年当時の実態調査結果ですが、当時の調査では高浜町内の学校施設にはアスベストの使用箇所はなかったとのことです。従って、その後の除去対策工事を実施した実績はありません。(必要がないので)

環境省のHPには「アスベスト問題に関する関係閣僚による会合」の資料が掲載されています。これによると、7月29日付けで、文科省から各都道府県教育委員会あてに改めて実態調査の通知が出されており、11月までに調査結果を公表し9月までに調査の状況について中間経過を報告するとあります。
今後の高浜町の対応について注目してまいります。

議会とは

2005年08月03日 | 私の考え
分権時代の議会は、従来の単なるチェック機関としてだけではなく、地方自治体の唯一の立法機関として、首長との対等な立場の政治機関としての役割が期待される。議会自らが条例を提案し、予算を修正するくらいのことをしないと議会の存在意義はない。
…と、御託を並べることは簡単ですが、自分を省みて、現実は、チェック機関としての役割すら果たしていないのではないかと反省する次第です。

とにかく、この高浜町を変えてやろう、という気概だけは旺盛なんですが実力が伴っていません。勉強しなければ、と思っております。

読書活動担い手研修会など

2005年08月02日 | 活動日記
【在住外国人の支援】
高浜町教育委員会を訪問し、現在進められている在住外国人の支援事業についてのレクチャを受けました。高浜町には現在約300人の外国人が在住していますが、言葉や文化の違いが壁になり、町民として受けるべき住民サービスを受けていなかったり、地域の一員としてのコミュニケーションがはかれていないといった現実があります。
これらの課題を解決するため、高浜町における在住外国人に対する支援事業等について現状と今後の方針を確認しました。

【国際交流嶺南センター】
敦賀市にある国際交流嶺南センターを訪問し、職員から施設の概要や事業内容を聞きました。施設は福井県国際交流協会で運営されており、在住外国人に対する生活相談や日本語学習、外国の新聞・図書等の閲覧や貸し出し業務などを実施しています。訪問したときも日本語学習を実施されていました。
生活相談としては、結婚や離婚についての相談が多いとのことでした。

【児童・生徒の読書活動担い手レベルアップ研修会】
敦賀市のプラザ万象で開かれた、読書活動の担い手研修会に参加しました。(写真参照)全部で120名の参加者がありましたが、ほとんどが女性の参加者で少し場違いな雰囲気でした。研修会そのものは私の希望通りの内容で満足できるものでした。
4講座に分かれており、私は「小学生への読み聞かせ(基礎コース)」を受講しました。講義とグループディスカッションで2時間半ほどの研修でした。

以下、講義の受講メモです。

●なぜ読み聞かせするのか
・小学校1,2年程度では、文字は読めてもストーリーに入っていくことは出来ない。読み聞かせによって、その本の世界に入っていくことができる。本好きに育てるには読み聞かせが必要。
・子どもたちの感動が伝わってくる。読み手にとっても喜びを体験できる。
・人生経験豊かな大人が読むと豊かに作品を味わうことができる。
・子どもたち同士が一緒に同じ本を聞くことにより友達の感動が伝わる。読み聞かせに慣れていない子どもでも、まわりの反応につられて聞き上手(つまり本好き)になる。

●絵本とは
・絵本は子どもに読ませるものではない。大人が子どもに読んでやる本である。
・優れた絵本はひとつの芸術作品。もの凄いエネルギーをかけて作られている。

●読み聞かせの実践
・いい本を選ぶ。初版発刊から25年以上版を重ねている絵本なら、まず間違いない。
・9歳までは楽しい話の絵本を読む。戦争などの悲しいテーマは避けるべき。本嫌いになる恐れがある。
・昔話の絵本も難しい面がある。昔話は語り伝えていくものであり、絵にすると残酷な場合がある。
・自分の好きな絵本を読ませること。評判のよい本でも自分が嫌いな本は避ける。
・とにかくたくさんの絵本を読むこと。そして勉強すること。互いに読み合うだけで充分な勉強効果がある。
・本は開き癖をつけておくこと。よい造りの本は多少強引に開き癖をつけても傷むことはないし、最初にきちんと開き癖をつけたほうが本は長持ちする。
・本の全体のストーリーをきちんと理解していくこと。

●最後に
・安易な気持ちで引き受けない。責任重大であることを肝に銘じること。