小幡憲仁 議会活動日記

よく考える政治!
20年後の高浜をイメージし、今の政治を考える。

地方議員の研修

2005年05月15日 | 研修報告
北信越の地方議員が集まる研修会に参加するため、新潟県の越後湯沢町に来ました。
道中、落雷による信号機故障で列車が遅延し、会場のホテルに入ったのが午後4時前になってしまいました。
研修では、4名の講師の講演を聞くことになっておりましたが、何とか、北海道のニセコ町長と民主党枝野衆議院議員の講演は完全に聞くことが出来ました。
以下、私の簡単なメモです。

【ニセコ町長逢坂誠二氏の講演】
・地方議員の役割について
地方議員は市民からほとんど何も期待されていません。議員も自らを振り返って、志を持った仕事をしているとは思っていないのではないですか。首長も議会には期待していないのです。邪魔な存在です。
世間には、議員の質問を行政が考える議会があるそうです。質問も答弁も行政が考えて、議員と首長が下手な学芸会を演じるのです。
刺激的な内容ですが、このくらいの認識から議会改革をスタートする必要があります。地方議会はそれ程ひどいのが実態です。様々なアプローチが考えられますが、まずは、今の議会の体質そのものを変えていくことからスタートしなければならないのです。議員としてきちんとした活動をしたければ、議会改革から始めるのが先決です。

・国政と自治の関係について
中央集権体制の日本では国政の場で地方のことが議論されますが、その議論に地域の声が反映されていません。自治と国政の間で情報交換がされておらず、国政の場では往々にして自治の的外れな議論が行われているのです。例えば国民年金の事務を市町村から社会保険事務所に移しました。実施前から失敗することは市町村の現場では分かりきっていましたが、その声は無視され、予想通り失敗しています。
市町村合併、介護保険、住基ネットなど地域の住民に直接関わりのある事柄にどれだけ地方の声が反映されたのかはなはだ疑問です。

【枝野幸男衆議院議員(民主党憲法調査会長)の講演】
民主党の政策の根幹は地方分権です。では、なぜ地方分権なのかは次の理由からです。
日本は過去130年間中央集権体制をとってきました。そしてこの選択は基本的に間違いではありませんでした。貧しい国が発展していくためには最も合理的な方法だからです。
北海道でも沖縄でも、日本中どこに行っても同じ製品をきちんと生産できる国づくりが必要だったのです。しかし、今では中国の北京でも上海でも同じように作ることができます。従って、地方の特色を生かし、各地方でなければ出来ないことをやっていかないと中国には対抗出来ません。これが地方分権が必要な理由のひとつです。

次に、日本が豊かになって住民の政治に対するニーズが変わってきました。昔は財布を満たしてもらうことが住民のニーズでしたが、今は老後や将来に対する不安の解消や安心の確保というように変わってきています。大都会の住民と地方の住民とでは、将来に対する不安も安心の定義も違いがありますので、こうしたニーズに中央集権では対応できません。地方分権が必要だという訳です。

地方分権の発想そのものを変えていく必要があります。国でやることを地方に任せるのではなく、あらゆることを市町村でやるのです。そのうち出来ないことだけを県が実施して、県にも出来ないことだけを国で実施するという考え方に変えていくことが必要です。

【懇親会】
研修終了後、枝野議員も参加されて出席者同士の懇親会がありました。(ネクタイ着用による円卓での懇親会です)新潟県の加茂市、三条市、見附市の市議会議員と親しく懇談することが出来ました。

(写真:逢坂町長)