扶桑往来記

神社仏閣、城跡などの訪問記

天守五層目のこと 100名城No.29、松本城址

2011年08月20日 | 日本100名城・続100名城

松本城が8月中着物で行くと入場料無料というイベントをやっている。
それと100名城スタンプラリーでまだ松本城のものを押していないことも手伝って家人とその友人と連れだって出かけることにした。

松本城には数度、行ったことがある。
直近でいうと2009年の5月、快晴の日に行った。
今日は残念ながら小雨で眺望は望めないであろうが暑くはあるまい。
調布から松本までは約200km、中央高速道路から長野道で約3時間。

松本城に着いたときには運良く雨が上がっていた。

松本城は完全な平城である。
また樹木がそれほど多くも高くもなく、周りから天守がよく見える。
反面、山城のようにふうふういいながら登っていき、やおら天守とご対面というようなドラマがない。

この天守は私がいつも悪い例としてあげつらうように格好がよくない。
特に東西方向からみた屋根の平側(入母屋がみえない方向)からみると頭でっかちでバランスが悪い。
松本城は明治に入って土台の木材が腐り大きく傾いた。
明治と昭和に大修理を行って今日の姿になっているわけだが、修理前の写真をみると大きく傾き今にも倒れそうである。
これも上部が大きく重量バランスが悪いせいではなかったかと思ってしまう。

今日は夏休み期間中の土曜日であるせいか人出が多い。
聞くと天守に上がるのは1時間待ち、天守に入っても混んでいるので回るのに1時間という。
天守に登るのはあきらめて内堀の外を一周するだけにした。

松本城天守の形が悪いという人の根拠のひとつは、「5重目最上層が高欄を持つ廻り縁から積雪防水を考慮して外壁を春用に設計変更されたため、大きくなってしまった弊害」というものである。
これはすぐにわかる。
4重目と5重目の面積は同じになってしまっているため頭でっかちになるわけである。
そもそもの建築目的は違うが仏教建築における五重塔は上層の方が下層よりも小さくなっていくため美しく頭でっかちにならないことを考えればよかろう。

新たに気付いたのはそれぞれの屋根の隅棟(各辺の屋根どうしがつながるところ)の角度が4重目の屋根の部分のみが異なりずれている。
これも違和感の原因であろう。

後は定番の石垣の高さの話。
松本城の天守石垣は低い。
建築時期の技術水準からであろうが高く角度を急にするとより見映えとして(防御力としても)いいだろうと思う。
格好が悪い松本城ではあるが黒門を出てコの字型の二の丸から内堀越しにみる天守はそこそこ見映えがする。
5重の大天守を中心に左に渡櫓と乾小天守、右に辰巳付櫓と月見櫓が付く複合連結式の形がよくわかる。
乾小天守と月見櫓は初層が一段低く石垣も大天守よりは低い。

何やらけちばかりの話になってしまった。
天気のせいなのかもしれない。
 

Photo
本丸御殿跡から 

Photo_2
黒門の桝形、二の丸から
 

Photo_3
南側から 
 

Photo_4
西南角から、この角度からみると姿がいい
 

Photo_5
隅棟の角度が4重目の屋根だけ異なる




最新の画像もっと見る

コメントを投稿