扶桑往来記

神社仏閣、城跡などの訪問記

歴史コラム #29 港の夜景考

2017年01月31日 | エッセイ:海の想い出

29回目はちょっと筆休めで軽い話題。

夜景のことを考えてみた。

私が夜景に興味を持ちだしたのは学生時代のこと。

京都は盆地の回りに小高い山が巡っていてどこに上ってもいい夜景がみえる。

お手軽なのは京都タワー、あるいは将軍塚。

古の都が箱庭のように輝いている。

そして92年にU.S.A.にはじめて行った時の飛行機の中から見た都市の数々、そしてマンハッタン。

おかしな話だが、これは戦争しても負けるわなあとしみじみ思った。

飛行ルートの順々にどこも大きな町が光り輝いている。

国力とは結局大きさなのだと思い知らされた。

 

さてコラムの本筋は函館の夜景。

今年、はじめて長崎の夜景を眺めた。

夜景のいい町は長崎にせよ神戸にせよ港町である。

そして最も夜景の妙なるところが函館である。

函館山から見おろすと函館の町はいかにもかよわく移る。

最も細いところは数kmしかなくそこが光の道となっている。

 

景色のいいところに行くとぼんやりとその町の歴史を振り返ってみる。

古代はこう、中世はこう、戦国があって江戸時代はこうとそこで繰り広げられた絵巻を想像する。

京都はあまりに出来事が多すぎる。

函館の絵巻はちょうどいい。