扶桑往来記

神社仏閣、城跡などの訪問記

国宝茶室 「如庵」

2009年04月08日 | 世界遺産・国宝・重文

桜の季節、豊田にいたのでどこか花見に行くかとWebで探していたらいいところを発見。

犬山城の隣、有楽苑にある国宝茶室「如庵」が内部を特別公開していた。

早速出陣。

着いてみると犬山城あたりはほぼ満開。

如庵公開はツアーのようになっていて御一行様が集合時間に集まって入場。

私は茶道にはさっぱり不案内で歴史好きの方面からの興味が主。

建築よりもむしろ織田有楽斎の人生の方に惹かれる。

信長の弟という本人にとっていいんだか不幸なんだかという生まれの長益有楽斎、桶狭間の合戦の時、13才。

織田家の人として合戦には参加、小牧長久手にも出張っているが武功が全くない。

兄弟や甥たちが秀吉とどう付き合ったらいいか悩む中、茶人の道を選んで大正解。

貴種の数寄人として政局を上手く泳いだ。

関ケ原では東軍、大坂の陣では大坂城にありながら危機を逃れて元和7年に75才で死んだ。

私の好きな「へうげもの」というマンガでは古田織部の悪友としていい役をもらっている。

 

如庵の茶室に一同座らせてもらった。

有名な「暦張り」があった。

如庵の他にも古図を元に復元された「元庵」、新設計の「弘庵」もある。

犬山城にも登ってみた。

桜の季節は城も華やいで特別ないい趣きである。

 


瀬戸蔵ミュージアム

2009年04月07日 | アート・文化

M君を連れたまま今日の本当の目的、瀬戸の地方再生への取組取材。

その一環で瀬戸蔵ミュージアムに行く。

瀬戸焼をPRする施設でカネのかかったハコモノである。

瀬戸焼は家庭用食器の需要をつかんで戦後大きく成長した。

ところが近年は中国製品の台頭で売上が減少傾向、ここらでテコ入れをしないと産業が衰退してしまう。

内部では瀬戸物の製造風景や昔懐かしい「瀬戸電」なども展示。

ミュージアムではあるが、先ほどまでいた「資料館」の方がよほどミュージアムなのが皮肉。

あちらは県営、こちらは市営。

うまくコラボレーションすればいいもの同士の足し算高価が得られるように思う。

 

産業再生はなかなか難しい。価格勝負の製品は使う側が地元産を選べばいいだけの話ではあるが、自分の財布から出すとなるとまずは価格となるのが人情。


愛知県陶磁資料館とM君のこと

2009年04月07日 | アート・文化

2002年頃、勤めていた名古屋の地図会社の知人M君と連絡を取って久しぶりに会った。

この人は京都大学文学部の卒業で大学と会社、ふたつの意味で先輩後輩。

会社はすでに吸収されて存続しておらず我々もそれ以前に離脱した。

この会社、社員がとにかく自由人が多く、統制されていない点が愉快だった。

大企業に10数年勤めた身には異次元な社風、大企業に辟易していた当時の自分には大変居心地がよかった。

 

M君は中でも世捨て度が高く、細君に家系を任せて自由に生きている。

先日も南米にひとり旅していたらしい。

 

さて待ち合わせなどこちらの都合でいいというのでちょうど瀬戸に取材に行くことにしていたので付き合ってもらうことにした。

瀬戸とは和が故郷豊田市の隣町で馴染みは深い。

瀬戸物というように窯業の町である。

ここに隠れた名所、「陶磁資料館」というものがあり行ってみたかった。

資料館であって博物館でも美術館でもないのが知名度がない背景、中身はとんでもない。

およそ陶磁器に関して全ての資料、実物を収蔵している。

つまり全部見て回れば人類の陶磁器との付き合い方が丸わかり。

M君には気の毒ではあるがいい勉強になった。

特に織部や志野など地元ものはさすがに展示が多かったのが印象的。