宗像大社に向かう。
博多駅からJR鹿児島本線で東郷駅下車。
バスで宗像大社前で下りると参道につく。
時刻は13:00頃。
駐車場脇の大鳥居には麻生太吉の名が刻まれていた。元総理大臣麻生太郎の曾祖父である。
宗像大社は里の宮になる辺津宮、大島にあり沖ノ島を遙拝する中津宮、沖ノ島にある沖津宮の三つの宮がある。
気軽に上陸して参拝することができない沖津宮はともかく、辺津宮から少し行った港から船で渡る中津宮に詣でてみるかと思ったが、後々の時間を考えて辺津宮のみにしようと思う。
大鳥居をくぐると心字池があり、石橋を渡ると本殿。
本殿は天正6年(1578)の造営、拝殿は天正18年(1590)小早川隆景の造営になる。
本殿は流造で横方向から視て美しい。
拝殿は切妻造で随分と縦に長いのが珍しい。
宗像大社の祭神は宗像三女神である。
記紀神話においてアマテラスとスサノオとの間で行われた誓約の際、スサノオの剣を噛んだアマテラスがプッと吹いたのがこの神々である。
沖ノ島にタゴリヒメ、中津宮にタギツヒメ、辺津宮にイチキシマヒメが祀られる。
女神様達はアマテラスに高天原から続く道を護るよう言いつかって降臨した。
その場所が宗像大社の辺津宮という。
宗像三女神の別名を道主貴(みちぬしのむち)といい、海から陸から全ての道の守護神ということから海運の神、今では自動車の厄除けで名高くなった。
航海の神ということでは住吉三神もまた崇敬が篤いが、こちらはイザナギの禊の際、水中から生まれた。
貴という尊称はめったにあるものではなく、アマテラスと宗像三神のみらしく、ために宗像大社を「裏伊勢」と称したりする。
まあ、とんでもなく古い神様ではある。
たまたま併設の神宝館で大国宝展なる企画を行っていたのでのぞいてみた。
展示のほとんどが国宝、中でも純金の指輪が素晴らしい。
「金は何ものにも変質しない」という科学的事実の証明である。
また、鏡がざくざくでもう参りましたというしかない。
これらは沖ノ島で出たもので、天皇家に連なるヤマト政権が営々と捧げてきた奉献の品々である。
よくもまあ盗掘に遭わずに残ったものである。
神宝館の裏手に第二宮、第三宮に沖津宮、中津宮の神様を祀る空間がある。
社殿は唯一神明造といってもいいほど、伊勢の神宮に似ている。
そして樹木の道を石段を使って少し上っていくと「高宮祭場」がある。
ここが宗像三女神が降臨した場所として崇められている。
古代の祭場であるから何もない。わずかに石で示されているのみである。
不思議なことに左右の空間から伸びた木々が中央に向かって曲がり、あたかも屋根を造るように天井の空間を覆っている。
今日は天気がいいので木漏れ日が地面にうかび、なかなかに清々しい。
私には霊力を感じる能力が薄く、何かを感じることはないが、世に名高いパワースポットなのだという。
もう一度、本殿に戻って名残を惜しみ、祈願殿にて御朱印をいただいた。
バスの時間がちょうどよく、気分をよくして駅に戻った。
沖津宮の参拝は部外者には難しかろうがいつか実現したいものである。
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