扶桑往来記

神社仏閣、城跡などの訪問記

「歴史で紐解く地方創生 Vol.3 島津一族」

2020年05月16日 | 文筆業として

単著18作目、紐解くシリーズ第3作。

昨年5月末に薩摩半島一周取材、以来半年閉じこもってようやく年明けに初稿。

薩摩藩成立までの当主を全て取り上げた。

信長、そして秀吉と家康との駆け引きは書いているこちらがはらはらした。

スマートでクレバーな印象がある島津家ではあるがそれは表面上のこと、その裏に大きな犠牲がある。

とかく「最も古い武家」で片付けられがちな島津家、家を保つということがどれほど大変かを思い知らされた。

戦国ものは織田、北条、武田、上杉、そして島津とやってきて大物は毛利、そして徳川、これらの料理法を考えておきたい。


「歴史で紐解く地方創生 Vol.2 真田一族」配本開始

2019年04月05日 | 文筆業として

松浦武四郎本に続いて紐解くシリーズの第二弾。

真田一族は2016年の大河ドラマ「真田丸」でも興味深い視点から昌幸とその子、信幸信繁をとらえていたこともあって取材執筆が実に楽しかった。

そして同じく大河ドラマ「風林火山」でも昌幸の父幸綱が重要人物としてとらえられていたことから幸綱が武田家に仕官するところから念入りに解説したつもり。

真田の里を再訪して信濃をまた走り回った取材も楽しかった。

 


松阪市役所訪問

2018年07月24日 | 文筆業として

先般執筆した「超人松浦武四郎」の本が松阪市役所に100冊贈呈となり、贈呈式があった。

サイネックス社の村田社長と西田専務と出席、先方は松阪市長と松浦武四郎記念館の山本学芸員がご出席。

新聞社も2社来ていて記事になった。

 

実家に帰ると御袋様が敏感に察知し「本を知り合いに配る」と言い出して困った。

この本、松阪市内の公共施設、図書館や学校に置かれるようだが、書店ルートには乗せないのである。

打合せを兼ねてコメダで昼食。

近鉄の急行でちんたらと名古屋まで行き、NTT時代にお世話になった先輩と会った。

 

夜に東京へ戻る。


「歴史で紐解く地方創生 Vol.1 松浦武四郎」

2018年06月08日 | 文筆業として

単著16作目、新シリーズ「歴史で紐解く・・・」を始めることになった。

本作から教育振興財団からの発行になり、セミナーなどでも使用される。
今年は松浦武四郎の生誕200年にあたるため選定。

故郷松坂に「松浦武四郎記念館」があり生家も保存改修工事が施されてリニューアルされた。

記念館に全面的に協力いただいた本作は資料が豊富で助かった。

類書があまりないのもいいこと。

内容構成に際しては北海道探検の先人がつけた足跡の延長に武四郎の功績があったことを紹介、最上徳内・間宮林蔵のことも詳しく書いた。
今日の北海道の地名はほとんど武四郎の考案になることは知られるようになってきたが、晩年の武四郎のことは知られていない。

武四郎のおもしろさは晩年にもある。

やりたいように生きる、見事な一生であった。


松浦武四郎の取材 -松浦武四郎記念館-

2018年04月12日 | 文筆業として

松浦武四郎の本の取材で松阪に出張。

記念館に行く前に生家近くの雲出川にかかる橋を見に行った。

常夜灯が残っている。

この辺りは平野のど真ん中、空も広々としている。

武四郎はこのような開けっぴろげの野で育ち、遥かにみえる熊野の山々に憧れた。

偉人を生む風土というのは必ずあると思う。

本で使う写真を撮りたくて生家にも行ってみた。

 

記念館に到着。今回は記念館の学芸員の方に御教授いただくことになった。

山本命さんはおそらく今最も武四郎に詳しい人のひとりだろう。

テレビ番組でも武四郎ネタの時は必ず登場されている。

今日も取材が入っているようだ。

大変話好きのようでこちらが聞きたい以上の情報を教えてくれる。

本の原稿はほとんど出来上がっているので確認作業が主。

ほぼ望み通りの取材ができた。

本は図表を作成してページ数調整をすれば脱稿。

 

疑問を持ち、それが解決されるのは大変うれしいことである。

 

 


「歴史に学ぶ地方政権 信玄・謙信の領国経営」配本開始

2017年11月12日 | 文筆業として

単著15作目、歴史に学ぶシリーズ6作目となる。

「偉人に学ぶシリーズ」は比較的淡々とその人の人生を追うように書いており、対して「歴史に学ぶシリーズ」はテーマが先にあり、地方再生に資する知見を見出すことにある。

従って紙幅も多く、内容も広範囲に資料を集めて読み込まなければならない。

今回は武田上杉を両方ともやるということで2冊分の大変さがあった。

いろいろ掘り下げてみると両雄共、経営者としては実にストレスの多い人生であったことがわかる。

特に謙信は家臣との絆が不安定で常に孤独、宗教に救いを求めるのも当然。

また武田上杉の活躍と中央での信長の勃興をみてみると信長のしたたかさも浮かび上がる。

室町将軍や朝廷などバイプレイヤーの存在も重要、個人的に戦国の理解が立体的になってきたように思う。

 


伊勢の偉人のこと -松浦武四郎記念館-

2017年10月26日 | 文筆業として

「信玄・謙信の本」が無事脱稿予定。

打合せのために松阪詣で。

次回は「松浦武四郎」をやる予定で、松阪市にある「松浦武四郎記念館」を訪問した。

2018年は武四郎生誕200年、彼が北海道を命名してから150年の節目。

記念館は彼の親族が寄贈した資料、遺品を展示している。

 

白状しておくが、私は松浦武四郎という人物をほぼ知らずにいた。

NHKの番組で武四郎を取り上げていたのを視て俄然興味が湧いた。

調べれば調べるほどこの人はおもしろい。

巷間、北海道の道名郡名などを考案したことが取り上げられることが多いが、それは彼の業績のほんの一部でしかなく、彼は日本初のアルピニストであり、ヒューマニズムを標榜するジャーナリストであり、優れた学者である。

冒険家としてくくられてしまうのが実に惜しい。

本の執筆に関しては入念に取材し、その人生の全てを解き明かしてみたい。

武四郎が最晩年暮らした書斎「一畳敷」。

実物は国際基督教大学の構内にあり、学園祭の時のみ公開。

今回は逃したので来年行きたい。

 

生家は来年の公開に向けて整備中。

 


「偉人に学ぶ地方再生 Vol.4 河村瑞賢」配本開始

2017年02月01日 | 文筆業として

単著14作目、偉人に学ぶシリーズ4作目は河村瑞賢。


教科書でよく知られた西廻り航路の開発の他にはよく知られていない人物。

瑞賢の人生についての史料は少なく創作による部分が大きい。

それでも確実な事実関係をつなげていくと瑞賢のおもしろさが発見できた。

瑞賢は商人というよりもディベロッパー、政治家との交渉が実にうまい。


「偉人に学ぶ地方再生 Vol.3 藤堂高虎」配布開始

2016年05月31日 | 文筆業として

単著13作目、偉人に学ぶシリーズ3作目になる。


藤堂高虎は豊臣家を見捨てて家康に内応、他の豊臣系大名の寝返りを先導したことで評判が悪い。

本作では客観的事実を元に高虎の有能さを検証した。

高虎の青年期は上司運が悪くそれが主家退転の原因、豊臣秀長に見出されて出世街道に乗ったと思ったら秀長急死、大名になったと思ったら秀吉の変調と今ひとつ運がない。

運を開いてくれたのが家康、以後は江戸幕府の草創期を裏で支えた優秀なテクノクラートとなった。

ぜひ再評価して欲しい人物である。

 


「偉人に学ぶ地方再生 Vol.2 保科正之」配本開始

2015年11月01日 | 文筆業として

単著12作目、偉人に学ぶシリーズ2作目。

保科正之は調べれば調べるほど完璧な政治家。

日本の総理大臣にしたい歴史上の人物の筆頭格。

保科正之をトップに山田方谷に現場指揮を任せれば最強組織のできあがり。

しかしながらあまりに偉大な家祖の存在は幕末まで会津藩の精神性を縛る。

守旧派が革新派を黙らせる手段となる。

 

取材で会津に行くのも三回目、今回は猪苗代湖畔の正之の墳墓に参詣したのが思い出。

今年は山田方谷、保科正之と2作発行。

次回作も決まっており充実した日々。

歴史物は数を追うと知見が縦横に深まっていくのがおもしろい。


「偉人に学ぶ地方再生 Vol.1 山田方谷」配本開始

2015年02月20日 | 文筆業として

単著11作目、今回から「偉人に学ぶシリーズ」を立上げることになった。

編集会議で提案された山田方谷、農民の出から備中松山藩の家老、幕府老中板倉勝静のブレーンを務めた。

よく調べてみるとその藩政改革の内容と何より指導力がもの凄い。

今日最も必要とされる人材の見本。

備中松山城下を再訪したのも記憶に残るいい旅だった。


「信長に学ぶ地方再生」配本開始

2014年05月12日 | 文筆業として

この作品で単著10作目、歴史に学ぶシリーズ5作目となった。

素材として扱いが最も難しい人物、織田信長。

世に「信長はこうでなくては」との先入観が強固。

改めて「信長公記」など読み返し近年の研究成果などを調べてみると信長にはどうやら政治的野心がない。

むしろ織田家を商社としその経営者として競合や国政組織や制度、抵抗勢力を排除したのが信長の人生だったような感あり。
惜しむらくは人事の才が登用育成には卓越したものの天才にありがちな「俺ができるなら皆もできて当然」との思い上がりが甚だしい。

明智光秀がやらなくても誰かが暗殺に動いたのではないか。


「歴史に学ぶ地方主権」配本開始

2013年07月02日 | 文筆業として

編集会議でぜひやりたいと熱弁して通った企画。

地方再生を担う行政機関はすなわち地方公務員の起源は地頭となった鎌倉武士にあることに注目。

飛躍がありそうかと思われるかもしれないが、地域社会の主が武士であったことは重要。

公地公民から私有地へと切り替わった平安末期以後、明治維新まで武士が「実効支配」してきたのが日本。

 

今回は武家政権の成り立ちと進展を関東を例にとった。

後北条氏は大名家が「法人化」する過程がとてもわかりやすい。

武家が何を考え何に従うかその行動理念がよくわかるのが関東の歴史。
鎌倉政権から南北朝、室町時代と内部闘争ばかりやる中、自浄努力を説いた北条王国ができていく。


「歴史に学ぶ地域経営」配本開始

2012年04月03日 | 文筆業として

東北地方を地盤とした蒲生氏郷・伊達政宗の地方再生を紹介。
この二人の戦国大名、生き方についての思想信条が対照的、有能な軍人政治家でありながら上昇志向が薄い氏郷と野心溢れる政宗。

ところがこと民政についてはふたりとも実に細やかに対処して前例にこだわらないところが共通。

戦国の優れた政治家の筆頭格。

氏郷のふるさと日野や松坂会津、そして正宗ゆかりの地は東日本大震災からの復興が始まったばかり。

東北地方を取材したことも我が文筆人生に大いに影響があるように思う。