扶桑往来記

神社仏閣、城跡などの訪問記

インド旅行記 #5 帰国

2005年07月30日 | 海外出張記

マハラジャの城から帰ってきて最後の仕事。

最終セッションを終わるとマネジャー氏とブリーフィング。

すでにチェックアウトしてあってこの足でタクシーに乗って空港へ。

深夜便で帰るのである。

 

空港に着くと相変わらず大混雑。

どうみても用のなさそうな庶民がたむろっている。

インド人をかき分けてチェックイン。

荷物をインスペクタに通した後で機内持込物を入れてしまったことに気づいてやり直し。

一度スーツケースを開けてしまったのでもう一回インスペクタに通さねばと思って係のインド人にいうと「もうやったやんか」。

「わし一回開けちゃったんや」

「ノープロブレム、猿」

問題アリアリだろうと思ったが面倒なので荷物を預けた。

マレーシア航空もまあいい加減なもの、テロ対策はザルである。

 

日本行きは00:50発、MH193の座席が1C、最前列の窓側。

帰りもビジネスクラスで快適、シシカバブがとりわけ美味かった。

機内では先ほど終わったインタビューの整理。

クアラルンプール空港に7:30に着いてトランジット。

成田便は11:00発、空港内のラウンジでシャワールームを使い、免税店を冷やかすうちに搭乗時間。

夕方に到着して帰宅。

 

インドに行ったとはいえないようなホテル缶詰続きの日々だった。

今度はプライベートでデリーやムンバイ、そして聖地がたくさんあるガンジス川を旅してみたい。

 


インド旅行記 #4 マハラジャの城

2005年07月29日 | 海外出張記

インドでの最終日にちょっと外出してみた。

ホテルを出たところでリキシャを拾う。

リキシャとはauto-rickshawのこと、三輪自動車である。

ゴルフ場のカートのようなものでスピードは出ないしエアコンもない何とも緩い乗り物である。

 

「運ちゃんにどっかに連れて行ってくれ」と適当に頼む。

「イエス・猿(Sir)! マハラジャの城に連れて行きまっさ」

マハラジャとはインドの土豪のこと。

楠木正成のような存在である。

トコトコと市中を走って行くと、牛が悠然と歩いている。

噂に聞く「野良牛」。

インドでは牛は聖なる動物なので虐待されることはない。

もちろん野良犬もうろうろ。こいつは狂犬病の病原菌を持っているので要注意。

 

マハラジャの城といっても日本の城とは違う印象、開放的な巨大な民家。

勝手に入っていいのかと心配すると「ノープロブレムでっせ」。

ずんずん踏み込んでいく。

石造りの柱や調度品などはまあ貴族趣味といえなくもない。

「これは象の足ですわ」。

足をぶったぎって脚にした椅子が置いてあった。

巨大なベッドに何やら人が寝ている。

彼がマハラジャらしい。

運ちゃんとちょっと話なぞしている。

何とも豪快なツアーである。

 

繁華街に寄って怪しげな店でシヴァやガネーシャ像の土産を購入、ホテルに戻ってきた。

料金とチップを払って運ちゃんとお別れしようとするとモジモジしている。

チップが足らなかったのかとも思ったが持っていたLarkをあげるとうれしそうだった。

 

仕事をさぼってのショートトリップ、とてもおもしろかった。

 

 

 

 

 

 


インド出張 #3 土産物を物色

2005年07月27日 | 海外出張記

空き時間にホテル内のアーケードを物色。

その1はサリーの店。

値段はピンキリ、その辺、ペルシャ絨毯と同じ世界かもしれない。

いろいろ出してもらい家人が好きそうな色と柄のものを購入。

その2は雑貨店。

水や御菓子を毎日買っていた。

なじみになると「チャイでも飲んで行きなはれ」と愛想がよくなる。

お茶やらお香やらを買った他、インド版のバービー人形を2つ購入。

花にピアスをしている。

香港版を持っているので仲良くさせたい。

 

インド人の英語はちょっと独特でRを巻き舌で母音付きで発音する。

例えば「Yes Sir」は「イエス サル」と聞こえる。

何か会話していると何度もサルサル言われることになる。

そしてインド商人は客を「Brother」と呼ぶ。

雑貨屋の店主には毎日「兄弟」とあいさつされていた。

 

「インド人は嘘つかない」とは我々世代の共通認識。

もちろん、ウソをつくからギャグになるのである。

商品を定価で買ってはいけないのは中国同様、半額から交渉するのがよい。

「兄弟それはきついで」というのを段々寄せていく。

私は甘ちゃんなので結構ぼられていることであろう。

いいクラスのホテルにいるので皆、愛想がいい。

インド人は大きくふたつのタイプに分かれる。

身長が高く鼻が高くやせ型なのはかつてアーリア人と呼ばれたインドの支配層の血脈。

反対に身長が低くて小太りな人が多いのはドラヴィダ人。

中央アジアからやってきたアーリア人に対し、アフリカからやってきたのがドラヴィダ人ともいう。

インド人すなわちターバンというイメージがあったが、ターバンを巻くのは主にシーク教徒。

 

バンガロールはインド南部の新興都市。

高原地帯にあるので7月といっても湿気がことさら強い感じはない。

南部はドラヴィダ人が多い地域で背の低い人が多い。

肌が黒いので夜暗いところでみると目玉と歯が白く浮き上がっていておもしろい。

ホテルのロビーにいたスタッフの女性が何というか凄絶に美しく、毎日見惚れていた。

私はオンナ好きでもないが今まで生きてきた中で最も美しい人となった。

インドの女性はどことなく魔性が隠れていると思う。

 

魔性といえば不思議なことにインドでは時間の感覚が薄れていた。

日本を1週間も離れればホームシックのひとつも湧いてくるのが常で中国出張ではネコと遊べないのがつらかった。

インドではそんな気が全くなく、永遠にいてもいいような気分だった。

「インドに行くとハマる」とよくいうがまさにハマりそうで怖かった。

 

中国という国、人々については何度も通ううちに理解が深まった。

インドも同様、滞在して人々の生活などを知るのは実におもしろい。

 

 

 

 

 


インド出張 #2 飲食事情、いきなり洗礼を受ける

2005年07月26日 | 海外出張記

バンガロール二日目、仕事はホテルの中ですんでしまうので終日ホテル暮らし。

 

仕事というのは守秘義務に抵触しない範囲で簡単にいうとインタビューの記録である。

夕方に対象者が来て数時間のセッションをふたつ実施、21時頃に終わる。

これを4日やる。

つまり夜のセッションが終わってブリーフィングが終わると翌日夕方までは自由時間。

指定時間に出頭すればいい。

中国では現地事情になれると朝の散歩や昼飯がてらぶらぶらすることを覚えたが、様子を覚えるのには経験が必要。

体が資本なのでケガでもしたら罰金ものである。

ここのシェラトンはゴルフ場併設のリゾートホテルで気軽に外出することができず、タクシーで出かけることになる。

仕事の息抜きはあきらめてホテルで缶詰。

そうなると困るのが食事。

ホテルのレストランでカレーを食べてみた。

これが予想以上に辛く、いきなりお腹を壊した。

手持ちのクスリで収まったのでよかったがインタビューの最中にトイレに走る訳にも行かないので以後はカレー自粛。

ところがカレー味意外には選択肢が乏しい。

結局、朝食をしっかり食べて昼食はカロリーメイトとカップヌードル。

夜は軽食が出るのでそれでお終い。

 

水はホテルの水道もあてにならないらしいので全てミネラルウォーターをボトルで買ってそれのみ。

歯磨きもそれでやる。

 

中国の仕事では中国人スタッフと常時集団行動だったのが懐かしい。

 


インド出張 #1 バンガロールへ出発

2005年07月24日 | 海外出張記

調査の仕事でインドへ出発。

中国の仕事でパートナーだった中国人のマーケティング担当者が某外資の調査会社に転職。

彼の紹介で、某メーカーの調査チームに同行することになった。

先方にチケットと宿を手配してもらった。

マレーシア航空のビジネスクラスを取ってもらった。

インドは初めて行く国なので様子がよくわからない。

「飲み水に注意」ということ、加えて食べ物が合わないと大変らしいのでカロリーメイトとカップヌードルを少々スーツケースに詰めておいた。

 

成田から6時間ほどのフライトでクアラルンプールでトランジット。

ファーストクラスがない機体でサービスがとてもよく、機内食は今までの中で一番おいしかった。

パソコンで映画のDVDを観るうち到着。

クアラルンプールで2時間半の待ち時間だったが、免税店が充実していて苦にならない。

22:13発の便でバンガロール空港に23:30到着。

外は真っ暗、タクシーでホテルに向かう。

何をしている人たちかよくわからない群衆がそこここにいる。

治安が特別悪いという訳ではなさそうだが、はじめて歩く町は不安なものである。

道路は幹線道路なのだろうがデコボコで乗り心地が悪い。

街灯もなく行き交うクルマのヘッドライトも貧弱でとにかく暗い。

 

タクシーはインドの国産メーカー、ヒンドゥスタン・モーターズ社の「アンバサダー」。

英国のモーリス・オックスフォードⅢという車種のライセンス生産である。

形はいかにもクラシックで車格の割には功績が広く窮屈ということでもなく、VWジェッタベースの中国タクシーよりも快適。

インドでは政府要人もこれを使うらしい。

タクシーの運ちゃんに「灰皿どこや」と聞くと、「ここやで」と下を指さす。

その意図はどうやら「床で消せ」ということ。

豪快な国である。

 

ホテルはバンガロールでは高級なリゾートホテルの「Windsor Sheraton」。

深夜のチェックイン、中国と違って英語がほぼ通じるので助かる。