扶桑往来記

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歴史コラム #2 海に栄え海に沈んだ武家

2012年07月31日 | エッセイ:海の想い出

コラム2回目は平家の話を書いた。

今年の大河ドラマが「平清盛」であることもテーマ選定の理由。

平家は武家ではあるが武功という点で八幡太郎義家に代表される源氏の朝廷への貢献度に見劣りする。

一方で伊勢平氏から京に上って実力を密かに蓄えた清盛一族は徐々に朝廷の顕職を侵していき、ついに太政大臣となる。

プライドの源氏、実利の平氏といってもよさそうだが、結局海外貿易で財を成し海上ルートの重要拠点を押さえた平氏が天下を獲る。

さらに源平の差がもうひとつ。

一族仲が悪い源氏、一族仲良しの平氏、こちらの方もまた歴史を動かす。

平家の大軍を最初に破って京に入った木曽義仲、木曽を討った九郞義経、満を持して京を制圧した頼朝、彼等の親戚兄弟も含めて皆仲が悪く結局殺し合って北条に天下を獲られる。

清盛一族はまとめて壇ノ浦に沈みこちらは最後まで仲が良かった。

 

「陸の源氏」「海の平氏」で話をまとめたが、歴史好きとしてはおのれの欲にのみ猛進的な源氏の大将のもののあはれに惹かれるのである。