コラム3回目は海賊の話。
西洋の海賊のイメージはやはりカリブの海賊。
大航海時代を迎えた船乗りは国家公認の海運業者となった。
新大陸の積荷を運んでいるとライバル国の商船がそばを通る。
「沈めてもよい、むしろ沈めて欲しい」と雇い主に頼まれて海賊化する。
それに比べれば日本の海賊はおとなしい。
最強の海賊が村上水軍など瀬戸内の人々、彼等の仕事は関料の徴収、つまり通行料の集金である。
法も監視者もいないので本来、強奪だけでいいはずだが関料の対価として通行の安全を保障した。
潮目に詳しい彼等は水先案内人として御客様の船に乗り込んで舵の指導をサービスの一環で行った。
その代わりゼニを払わぬ客は執拗に追いかけて拿捕、搾り取った。
日欧のこの差はおもしろい。
20世紀、宇宙に乗り出した人類は使うハコを「宇宙船(Space Ship」と呼んだ。
「宇宙の海は俺の海」とは松本零士のキャプテンハーロック。
どの海も海賊がいる。