-畑沢通信-

 尾花沢市「畑沢」地区について、情報の発信と収集を行います。思い出話、現況、自然、歴史、行事、今後の希望等々です。

熊野神社

2013-10-09 19:43:07 | 歴史

 熊野神社については、これまで何度も他の記事に出てきていましたので、既に紹介したつもりになっていました。ところが、一度も正式な紹介をしていませんでした。 

 熊野神社は、下畑沢一帯を隈なく見渡せる高台にあります。その位置するところから判断するに、畑沢全体と言うよりもあくまでも下畑沢のために建てられた感じがします。事実、楯岡高校の「郷土Ⅱ」に資料として掲載されている「村社 熊野神社縁起」によりますと、明暦三年(西暦1755年)に有路猶昌が有路家の氏神として有路家の子孫繁栄と村の安全を願って建てたとあります。有路猶昌の先祖である有路但馬守は、野辺沢家の筆頭家老を勤めていましたが、最上家のお取潰し(西暦1622年)とともに野辺沢家も滅亡しています。有路家は、畑沢で農民として定着したそうです。野辺沢家がなくなってから約30年後に熊野神社が建てられたことになります。

 ところで、延沢城があったころ、下畑沢には山楯という楯と、背炙り峠には峠を守る楯があったと言われています。熊野神社はその山楯と丁度、対面するような位置にあります。野辺沢氏がいなくなっても、軍事的な意図をもって熊野神社を建てたのかと思われるほどに位置関係が絶妙です。同様に下畑沢の稲荷神社も、下畑沢だけでなく中畑沢と上畑沢が遠望できる位置に建っています。下畑沢の二つの神社は、単なる宗教上だけでなく、別の目的を匂わせています。これは私が得意とする「勘繰り」でしょうか。この写真は、山楯方向から撮影したものです。

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