温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

早稲沢温泉 ゆ乃宿 湯流里

2012年07月11日 | 福島県
 
西吾妻スカイバレーを走って白布峠から桧原湖の方へ下りてくると、まず目に入ってくるのがこちらのお宿です。立ち寄り入浴を目的として訪問したのは5月下旬の某日。本当は高原野菜直売所のお風呂で早稲沢温泉のお湯に入りたかったのですが、さすがにまだ農産物が店頭に並ぶような時期ではなく、直売所自体も固く戸を閉ざしていたので、看板に「入浴」と書かれた札がさがっており、峠道沿いのわかりやすい立地にあるこちらへお邪魔することにしました。看板の隣にはパックリ割れたキビタンが切ない笑みを浮かべていました。



玄関は金屏風が正面に立てかけられている以外は民家然としており、こちらではなく別に客用の玄関があるんじゃないかと、キョロキョロしてしまいました。この玄関で入浴を乞うと、とってもグラマラスな奥さんが愛想良く対応してくださいました。



玄関のすぐ左側が浴室です。いかにも個人宅のような独特の雰囲気が漂う脱衣室には、ソファーが2脚置かれています。棚に納められている籠にはタオルが沢山入っていましたが、おそらくこれは宿泊客用かと思われますので、私は持参のものを使いました。


 
内湯には、右側に浴槽、左側にシャワー付き混合水栓3基がそれぞれ配置されています。やや湯気が籠り気味なのですが、湯気と一緒に石膏臭も室内に充満しており、浴室に足を踏み入れた途端、ムワッとした湿気とともにはっきりとした石膏の匂いに全身を覆われました。


 
浴槽は2~3人サイズ。小さなシーサーが2頭置かれた湯口から源泉が投入されています。湯口まわりをはじめ、浴槽の湯面などには白い析出がライン状にビッシリと付着しています。お湯は無色澄明で、湯中にはこげ茶色の細かな湯の華が沢山浮遊していました。使用源泉は早稲沢温泉の共有泉である「宝来湯」で、早稲沢の中心部からは約800メートル離れていますが、その隔たりをあまり感じさせない鮮度が感じられます。濃厚な硫酸塩泉らしく、石膏感がはっきりしている他、芒硝感も確認でき、タイルの目地は虹色に煌めき、波打つ湯面からは青白い光が放たれていました。
なお浴槽のお湯は洗い場へは溢水せず、浴槽側面に口を開けているオーバーフロー管へ流れて露天風呂へと落とされています。


 
浴室の引き戸を開けるとすぐに露天です。内湯と比べてやけにデカいな、と思って周囲を見回してみたら、女湯浴室からもこの露天へ出られるようになっていました。つまり混浴なんですね。頭上は透明アクリル波板の屋根で覆われていますが、道路と反対側は視界を遮るものが無く、この日は美しい山の新緑や春の花々に心を癒されながら、ぬるゆに浸かってのんびりとした入浴時間を過ごせました。


 
上述のように露天風呂では内湯のお湯を受けているのですが、露天用の源泉投入は無く、更には沢水による加水が多いため、かなりぬるい温度設定となっており、私の体感では32℃前後ではないかと思われます。冬はどのように使われているのかわかりませんが、夏の暑い日にこの露天へ入ったら、さぞかし爽快でしょう。加水されているとはいえ、露天の湯面にも白い析出がライン状にビッシリ付着しており、青白い発光や虹色の輝きも同様に見られました。内湯はやや熱めの湯加減ですから、私は内湯で火照った後にこの露天に入ってクールダウンさせるととっても爽快。内湯と露天を何度も往復してしまいました。



宝来湯
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉 70.3℃ pH7.8 535L/min(動力揚湯) 溶存物質1.670g/kg 成分総計1.670g/kg
Na+:235.0mg(44.63mval%), Ca++:243.6mg(53.20mval%),
SO4-:995.9mg(89.90mval%),
H2SiO3:72.9mg, 

福島県耶麻郡北塩原村大字桧原字楢木平原1048-110  地図
0241-34-2084
ホームページ

日帰り入浴可能時間不明
500円
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★
コメント
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