温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

須川温泉 栗駒山荘

2011年09月04日 | 秋田県
しばらく津軽地方の鄙びた公衆浴場ばかりを立て続けに取り上げていたら、あまりに地味でマニアックすぎたためか、当ブログのアクセス数は下降線を辿ってに減少傾向となり、昨日には遂に最近の平均値の3割にまで落ち込んでしまいました。このため、さすがにテコ入れしなきゃいけないなという危機感に苛まれ、今回は世間様に迎合すべく、どんな人でも感動してしまう超有名温泉ホテル「栗駒山荘」を取り上げてみます。鄙びた温泉が好きな私も、さすがにこちらの露天風呂には圧倒されてしまいました。


客室やお風呂からの眺望が評判で人気を集めるこのお宿は、週末や観光シーズンは予約がすぐに埋まってしまいます。今年(2011年)も紅葉の時季を迎える9月下旬から10月にかけては連日満室のようです。そもそも私のような一人旅の男にはお呼びでない施設であるともいえるでしょうから、日帰り入浴でささやかにお邪魔させていただくことに…。

 
駐車場の隅っこには足湯が設けられており、こちらは無料で利用できます。晴れていれば鳥海山まで眺望できる素晴らしいロケーション。

 
モダンなログハウス調の館内は天井が高く、ガラスを多用しているので開放的。それでいてとても落ち着いており、洒落た空間が広がっています。かといって敷居が高いわけではなく、日帰り入浴も積極的に受け入れており、受付の隣には専用の券売機を設けているほどです。


公営の施設とは思えないシックで良い雰囲気。わずか600円しか支払っていませんが、リゾート地にいるような優雅な気分になって浴室への通路を歩きます(実際は大したことないのかもしれませんが、普段私が泊まっているのは安宿なので、相対的に立派に見えてしまうのです)。

脱衣所も広々していて使い勝手良好。総木造でこげ茶の落ち着いた色調により統一されています。床は柔道場のような正方形の畳敷きなので、足の裏がとっても爽快。建設コストは相当かかってるんだろうな…。

 
内湯は大きなガラスに面した展望風呂。カランも数多く用意されており、使い勝手の面は文句なし。でも真水が不足しやすい立地なので、カラン利用時には節水に協力しましょう。

 

露天風呂は内湯の浴槽と平行に据えられており、眺望できる方向は内湯と同様ですが、高原の爽快な風に吹かれながらの湯あみは言葉で表現するのが難しいほど素晴らしく、お客さんも皆さん露天風呂へと集中してしまいます。かく言う私もその一人。
訪問時は西日がまぶしかったのですが、目下の小さな高層湿原、栗駒山麓、そして奥羽山脈の稜線が広がるパノラマを眺めながら、硫黄たっぷりの温泉に入れるのですから、感動しない人なんているでしょうか。順光で気象条件が良ければ鳥海山まで見えるんだそうです。
お湯はお隣岩手県の須川温泉から引いてきた強酸性の硫黄泉で、口腔を収斂する酸味+鉄味+塩味などが複雑にまじりあう個性的な味と硫化水素臭がはっきり感じられます。源泉から引湯する間にお湯がこなれてくるのか、須川で入るよりは質感が若干柔らかくて優しく、須川の露天風呂のような見た目の青みは見られません。また上州の草津温泉のような皮膚への刺激もあまり無かったように思います。
湯使いの違いなのか、あるいは外気温の影響の有無なのか、内湯は白濁の度合いが強いのですが、露天はそれほど濁っておらず、むしろ透明に近い感じすら受け、そのかわり、微細に分散した粒子(コロイド)が固まって、目で容易に確認できるほどの湯華となってお湯の中を舞っていました。

お湯は良いし、空気も澄んでるし、そよ風が気持ち良いし、眺めも最高。私はここで2時間近く入浴しつづけちゃいました。たとえ宿泊できなくても、日帰り入浴で是非入っておきたい露天風呂です。すぐ近所の須川温泉露天風呂のシンプルさに抵抗感がある方や、綺麗なお風呂に入りたい方にはぜひこちらをおすすめします。


仙人温泉
(源泉所在地 岩手県一関市厳美町字祭畤山国有林46林班ト)
酸性・含鉄(Ⅱ)・硫黄-ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型) 48℃

秋田県雄勝郡東成瀬村椿川字仁郷山国有林  地図
0182-47-5111
ホームページ

日帰り入浴9:00~18:00(最終受付17:30)、冬季休業
600円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
コメント (10)
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