台北北部近郊の行義路周辺には温泉付きレストランが軒を並べています。これは客がひとつの施設内で食事やカラオケを楽しむ間にお風呂にも入るというもので、複合入浴施設という意味では日本のスーパー銭湯に似ていますが、日本の場合はお風呂がメインであるのに対し、こちらは食事がメインです。行義路の温泉はこのような温泉付きレストランばかりで、宿泊施設や公衆浴場はありません。
行義路温泉の源泉地帯
折からの日本ブームで、行義路の温泉施設には日本風の名前が多く、今回紹介する川湯もそのひとつです(かつては「川の湯」と「の」が入っていたが、最近「の」は消されたようだ)。ここはそれぞれの建物が日本木造建築に似せて造られていたり、食事用個室に「田沢」「秋保」などという部屋名がつけられていたりと、全体的なコンセプトも日本風でまとめられています。もっともそのいずれもが日本人から見るともう一歩といった感が否めませんが…。
「川湯」の敷地内
あらかじめ受付で400元を支払うと、その分の食券と無料入浴券が手渡されます。つまり400元以上食事をすれば無料で入浴ができるというものです。食事の代金が400元以上になれば超過分は食後に清算することとなります。夜市に比べるとかなり高い金額設定ですが、メニュー単価がそれなりにするので1~2品頼めば簡単に400元は超えてしまいます。なお、食事しなくても入浴は可能ですが200元を要します。
お風呂は露天風呂へ入ることになりますが、入浴スタイルも全裸で入る日本式です。台湾には珍しく脱衣所とシャワーが分かれており、ドライヤーやロッカーも完備されています。中に入ればカランはもちろん、ジャグジーやサウナもあって、まさにスーパー銭湯そのもの。肝心のお湯は、透明ながら僅かに青白く濁る酸性硫黄泉で、レモン味が口の中に広がり、湯面からは硫黄臭が漂います。酸性硫黄泉なのでお湯が付いた手で目をこすると目が沁みますが、それでも草津温泉のような刺激は感じられず、その分皮膚には優しいのかもしれません。実際、長湯してもさほど湯疲れしませんでした。源泉は浴槽側面から注入されており、ふんだんにオーバーフローしています。
都会の近郊でこんなお湯に浸かれるなんて、台北市民が羨ましいことこの上ありません。
硫砿泉(日本では酸性硫黄泉に該当します)
台北捷運(地下鉄)北投線(赤いライン)・石牌駅から508・535・536系統のバスで「行義路3」下車 徒歩5分
(バス停は坂の途中。バスを降りたら坂を少し登り、すぐ目の前に見える路地に入ってそのまま進めば温泉レストラン群に突き当たる)
508系統のバス
バス停傍にある温泉街案内板
台北市北投区行義路300巷10号
02-2874-7979
http://www.kawayu-spa.com.tw/
24時間営業
(男湯は木曜、女湯は火曜の、それぞれ6:00~10:00が清掃のため営業休止)
私の好み:★★★