温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

塚原温泉 火口乃泉

2009年03月24日 | 大分県


別府と湯布院の中間に聳える標高1045メートルの伽藍岳中腹に、全国第2位の強酸性を有する温泉「塚原温泉」があります。温泉街はなく、入浴施設「火口乃泉」のみ存在しています。お風呂には共同風呂と家族風呂、露天風呂があるのですが、訪問時は生憎強い雨が降っていたため共同風呂に入りました。青森県の恐山境内にある湯屋群を思わせる素朴な造りです。


家族風呂・外観

上述の通り、酸性度は全国第2位、アルミニウムの含有量も全国第2位、鉄分の含有量は全国1位と、全国屈指の濃い温泉でありますが、成分表を見ずともいかにこのお湯の酸性度が高いか、お湯に浸かれば体が教えてくれます。緑色透明のお湯からは明礬と硫黄の匂いが鼻をつきます。ちょっとでもお湯が口に入れば、強烈な酸味と苦み、アルミ箔を齧ったような味、えぐみ、そして金気味が混然一体となって舌に襲いかかってきます。
視覚・臭覚・味覚のみならず触覚もお湯のインパクトを感じ取り、酸性によって皮膚にひりひり沁みてくるのがわかります。もし体のどこかに傷があれば非常に沁みて痛いことでしょう。この強い酸性による効果を求めて、アトピー症に悩む患者さんがここへ多く訪れるそうです。また水虫など皮膚の感染症にも有効だと思われます。逆に傷がある場合は単に沁みて痛いだけでなく回復が阻害されるかもしれません。とにかくガツンとくる強いお湯です。
ペーハーが1.4ということは、塩酸などと変わらないわけで、ちょっと汗でも流そうという感じで簡単に入れるような生易しいものではありませんが、温泉好きなら万全の体調で是非入浴すべきでしょう。



尚、共同浴場の裏手から伸びる道を数分登れば、ガレが広がり噴気が立ち上る伽藍岳の火口を見学することができます(別途見学料200円必要)。この火口は活動が活発で、年々拡大する傾向にあるそうです。なお噴気帯には立ち入ることはできません。




酸性-含硫黄・鉄・アルミニウム・カルシウム-硫酸塩泉
pH1.4 60.6℃ 成分総量9059mg/kg

大分県由布市湯布院町塚原1235 地図
0977-85-4101
ホームページ

共同浴場500円 家族風呂2000円(1時間以内) 露天風呂600円
6月~9月:9:00~19:00(受付18:30まで)
10月~5月:9:00~18:00(受付17:00まで)

私の好み:★★★
コメント
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