○毛呂乃(2-0)
二日目も磐石で「むぅ、ギンギンです」と納得の相撲。「昨日の反り、どうでしょうか」鞭のように強くしなやかに反った昨日、そして巨木のように太くたくましく直立した今日。昨日の反りも見事だったがきょうの屹立もまた見事としか言いようがない。今日のお相手は、「難局ですが、のり子、得られる」。男色に比してあまり得意ではない「のり子さん」との一番だが、白星を得られる自信は確か。二日目にして迎えた女色という難局でも万全の屹立をみせ、100m走の選手のようにスタートラインで身構える。「用意・・・乗ります!」と号砲とともにのり子に乗りかかり、即座に突入。「ナニ(=まら)、反れ!」と命じるとのり子さんの中のナニが昨日にも増して反り返る。火のように赤熱化した四尺まらはあたかも聖火トーチ。「聖火に聖水出すか」と聖火トーチから発射してフィニッシュ。あえての女色という、自ら設定した難局を王道の相撲で突破。奇想天外な相撲だけでなく、基本の相撲でもモノが違うことをあらためて見せ付け、当然の連勝。
○金精山(2-0)
「土俵際で粘っての勝利で、正直冷や汗もの」と、不利な体勢で目が覚めたあと、強引な粘りでどうにか逆転勝ちを拾った。しかし、ルールの隙をつくような、横綱相撲とは程遠い内容には、やはり本人も納得がいかないようす。「横綱になったから序盤が悪いのか、もともとの癖なのか不明だが、とりあえず、昨晩の稽古が激し過ぎたのは間違いない」と首をかしげる。前日の稽古の疲労が翌朝まで残ってしまうというのは、好調なときの金精山なら考えにくい。横綱昇進のプレッシャーのせいなのか、単なる年齢的な衰えなのか、心配なところ。とはいえ暗い台詞ばかり吐いてもいられない。金精山の本領と言えばとにかく稽古。たとえ稽古のせいで不利になるのだとしても「悶絶するくらい激しい稽古が出来たら、本番で負けても悔いはない」と力強い言葉で、さらなる猛稽古へと自らを駆り立てる。
●玉椿(1-1)
夜勤中の1時間の仮眠時間を使っての取組となった玉椿。「仮眠から目が覚めた瞬間は萎んでたんだけど、作業場にもどったとたんに硬くなっててさ。こういうのって判定に困るよね」と苦笑い。ルールを厳格に適用すれば『負け』ということで、「まあしょうがないか」と黒星判定。