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秋場所の見どころ

2019-09-07 10:00:00 | まらずもう新聞編集部のまらずもう分析

 今場所の注目はなんといっても両大関。17連勝中で綱獲りのかかる金精山、15連敗中で大関陥落の危機にさらされている玉椿とまさに好対照。先場所星取表を真っ白と真っ黒に染め上げた両者には、ともに別方向で大関でなくなる可能性がある。

 まずは大注目の金精山。昨年3月以来となる2度目の優勝を全勝で飾り勢いに乗っている。大関昇進直後は不本意な成績が続いていたが、ここ半年で見違えるように成績も安定。14勝、12勝、15勝と申し分なし。初優勝時はそれを起点に大関に駆け上がっており、チャンスをものにする力は強い。ただし9月との相性という点では不安は大きい。この力士、3月からの3場所は特に強く、昨年は13,12,10勝で大関昇進、今年の14,12,15勝。ほぼ安定したうえで星の上乗せをしており、力を伸ばしていることがわかる。ではこの9月からの昨年の成績はどうか。4勝11敗の大敗を皮切りに、8勝でやっと勝ち越し、そしてまた5勝10敗と大敗と別人のよう。大関昇進後の不慣れな場所だったと思いたいが、9月以降の半年は鬼門。加えて今場所も夜勤3日を控え楽観はできず、先場所全勝しているとはいえ厳しい場所になるのではないか。なお本人は「横綱はいいっす」といたって無欲だが、この力士の最大の魅力は地位や成績にこだわらない男らしい相撲ぶり。男らしい相撲を取り続け、結果的に横綱の座が向こうからやってくるのが理想といったところか。その時、ついに敬愛する毛呂乃さえ経験したことのない地位に勃つことになる。まずは初日しっかり勝つこと、そして夜勤を乗り切れば、最後は毛呂乃との一騎打ちになるだろう。

 もう一方の大関、玉椿は12回目のカド番を迎える。およそ10年ぶりに連敗記録を更新、史上初の15戦全敗を記録して迎える今場所は、金精山とは別の意味で注目を集めている。しかし7月の不調は生活サイクル上毎年のことでカド番脱出はお手の物、しかも9月は横綱級の強さでここ4年間14勝、15勝(優勝)、14勝(優勝)、14勝と圧倒的。さらにカド番優勝の経験も豊富だけに一般ファンからは楽観ムードが漂うが、実際の状況は厳しい。優勝候補にあげるどころか、今度こそ陥落の危機ではないかと危惧する専門家も多い。今まで負け越すにしても3つぐらいは勝てていたのが先場所は全く勝てなかった。1つでも勝っているなら相撲に希望が持てるが、ゼロというのは重い。7月の負け越しが毎年のこととはいえ、ここ5年で7勝、6勝、6勝、3勝ときて0勝と同じ負け越しでも着実に成績は落ちている。9月に次いで得意にしていた5月も、5年前から12勝、12勝、15勝、14勝だったのが今年は10勝どまり。急激に落ちている。5月よりも9月のほうが得意、5月では10勝はできたと考えれば2桁勝利くらいできるかもしれないが、数場所でめっきり老け込む力士も少なくない。場所前のけいこの様子でも負けが多く、カド番脱出までかなり苦しむのではないか。それでもカド番脱出はできる力があると信じたい。大関53場所目、カド番12回目。大関昇進時に「大関の特権を最大限活用し、栄誉ある地位に一場所でも長くとどまれるよう精進」と口上を述べた玉椿。大相撲の大関最高峰、敬愛する千代大海の在位65場所、カド番16回までもう少し。こんなところで大関の座を手放すわけにはいかない。

 さて、優勝争いの大本命はといえばご存じ毛呂乃。先場所優勝を逃しているが、理事長になってから2場所続けて優勝を逃したことは1度しかなく、今回は勝ちにくるだろう。場所前から浅間山を噴火させるなどいつも通り活発で、大相撲に対しても好みの風貌の大関を「もう手が無理」と休場に追い込んだり、十両力士を膀胱トラブルに陥らせて休場させたりとやりたい放題。毎日違う技が見たい、というファンの声にも応える気満々で、唯一不安要素の見当たらない力士。ハイレベルな相撲が期待できそうで、綱獲りの金精山にとっては大きな壁となることは確実。いつにもましてハイレベルな相撲を見せそうな毛呂乃、そしてその毛呂乃をも打ち砕き一つ上の男をめざす金精山、令和初のカド番脱出ショーに向かう玉椿。3人の男たちの戦いが、いよいよ始まる。

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