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秋場所の見どころ

2018-09-08 10:00:00 | 協会からのおしらせ

まらずもう秋場所の初日がいよいよ迫ってきた。
久々に番付に大きな変動が起きた今場所、平成25年1月の家満以来、5年半ぶりに誕生した新大関・金精山に注目が集まっている。

金精山は平成23年3月初土俵、勝ち星にこだわって白星を稼ぐ力士が多い中、師と仰ぐ毛呂乃同様勝敗度外視、相撲内容最優先の男らしい相撲でファンを沸かせてきた。入門後3年間は、三段目に昇進しても序二段に逆戻りすること2回、スピード出世とは無縁で苦労したが、ここでじっくり力をつけたのがあとあとの大成につながった。序二段優勝を果たし三段目復帰を決めた平成26年5月から開花、26年11月に幕下昇進、そこから2年、28年7月に待望の十両昇進を果たした。晴れて関取の仲間入りを果たしてからの活躍はみなさんご存知の通り、史上初の十両連続優勝を手土産に幕内に進むとそこから負け越し知らず、優勝1回、殊勲賞2回、敢闘賞4回の大活躍で一気に大関に駆け上がってきた。全裸上等で日々シコにいそしむ姿はまさに相撲の申し子。協会の看板となった今場所、観客にとっても本人にとっても、気持ちいい相撲を見せてくれるに違いない。
しかし、注目されプレッシャーのかかる新大関の場所、これまで新大関がそのまま優勝したケースはなく、大関昇進が他の力士の奮起を促したというケースばかり。
ここまでの大関昇進場所を見てみると・・・

玉椿新大関→関脇・毛呂乃・全勝優勝
毛呂乃新大関→前頭・摩羅の川・全勝優勝
摩羅の川新大関→横綱・雲虎・全勝優勝
汚痔新大関→横綱・摩羅の川・全勝優勝
家満新大関→横綱・摩羅の川・全勝優勝

と、先輩力士や自分も大関を、という下位力士がおっ立ち、全勝で優勝を果たしている。
今場所もし、金精山がすんなり優勝できたとしたら初の快挙。成績よりも相撲内容を重視する力士だけに、本人は「優勝も大関も意識しない」といったところだが、ファンとしては新大関優勝が見たいもの。そこで壁となるのが「魔の3日目」。大相撲の元横綱・日馬富士は「魔の3日目」に悩まされ、引退までの11場所中、3日目は3勝8敗となぜか苦手にしていた。不思議な巡り合わせで苦手な日というのはあるもので、日の出の勢いの金精山にも「魔の3日目」は付きまとう。ここのところ快進撃を続けている金精山も、この1年間で3日目に勝ったのはわずか1回。日馬富士同様、最近11場所は3勝8敗で不自然なまでに勝てない。この1年で唯一3日目に勝てた場所はそのまま優勝できており、金精山にとって、この「魔の3日目」を越えられるかが大きなポイントとなるだろう。滑り出し、乗り切れないまま気持ちを切らしがちな3日目。ここをコントロールできれば、もう一皮むけてもう一つ上の地位も望める。

優勝の行方を占うとしたら毛呂乃か、と思われるかもしれないが、過去の秋場所を見てみるとそうとも言い切れない。
毛呂乃は秋場所が得意ではないのである。先場所も優勝し盤石に見える毛呂乃だが、過去17回の優勝を誇るにもかかわらず秋場所の優勝はわずか1回。全勝したことは皆無で平均1.8敗、ほぼ2敗しているのだ。こりん星にまで進出し、精力的に活動しているが、金精山同様に勝敗度外視のタイプなため、相撲に使える精力が15日間続くかはかえって怪しいところ。

そうなると優勝争い一番手は先輩大関・玉椿となる。まらずもう史上最多、11回目のカド番で迎える今場所だが、歴代2位の優勝7回という実績も忘れてはならない。平成27年以降、毎年1度は優勝しているが今年に入ってまだ優勝はなく、そろそろ、という声も多い。秋は滅法強く過去5年で3回優勝、この2年間連続優勝中で、関係者の間では「秋に咲く花・玉椿」と言われているほど。不安要因としてカド番が挙げられるかもしれないが、秋場所をカド番で迎えるのは毎年のこと。昨年も一昨年もカド番優勝であり、カド番なのはむしろ験がいいくらい。日頃無気力なだけに、大関陥落の危機感があった方が相撲に身が入るのだろう。そんな玉椿の不安要因は、労働環境。この大関、無気力で勤労意欲がないため、実生活においての労働状況が相撲に直ちに影響する。先場所12敗を喫しているが、これもこの時期労働していたため。働きもせず寝ているだけの時期に開催される場所には強いのだが、今場所中、半分ぐらい仕事が入っているとのことで、ただでさえ枯れかけの精力が相撲につぎこめるのか、それだけが心配される。

と、ここまで見るとやはり今場所は混戦になるだろう。
他の場所ほどの安定感がなく、2敗ぐらいしかねない毛呂乃、新大関の重圧と、まずは「魔の3日目」と闘わねばならない金精山、秋には滅法強いが今場所に限っては労働に精を抜かれそうな玉椿。それぞれに不安要因を抱えての秋場所、大相撲でも全勝は出にくい状況なので、1つ2つ負けたところで気持ちを切らさず15日走りきれるか、それが出来た者が栄冠を手にする、という図式になりそうだ。

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