曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

2022日本シリーズ第3戦の感想

2022-10-26 08:46:00 | スポーツ


自慢していいですか。

第2戦の記事で、不調の山田を1番に、塩見を3番にと書いたのがその通りになり、山田が均衡を破るスリーランを放った。6、7番がヒット、8、9番がアウトの二死一二塁からなんで、1番に山田がいたからこそのスリーランだった。打順変更がまずこの試合のポイントだったと思う。

なぜ山田1番がいいと思ったか。

まずそもそも山田は一軍デビューから数年間は1番打者だった。その頃に最多安打記録を更新し、DHCと呼ばれたゾーンに入っていった。

ベストプレープロ野球など、様々な監督ゲームで僕もよくやってきたんだが、不調の選手を上向かせるときは1番がいいのだ。打席がたくさん回ってくるので、浮上のきっかけを掴むチャンスが多い。

山田の場合は特に、後ろに本塁打製造機がいるので、ここ2年間はホームラン狙いのバッティングに固執しているように見えた。1番打者だと出塁を考えるので、自然に待球するし、軽打、進塁打も意識するだろう。結果的には彼が渇望していた本塁打だったが。

守りでは高橋圭二がよく投げた。間隔が空いたので心配していたのだが、中村の好リードもあって、走者を出してもタイムリーは許さなかった。特に4回裏だ。一死二三塁で中川を三振。解説藤川も言ってたように、歩かせてもいい、ボールになる球で振ってくれればと気楽にそういう球を投げられた高橋と、ここで打たねばと100パーセントの勝負に行ってバットが止まらなかった中川の差だった。あの大ピンチを凌ぎ、円陣を組んだら山田のスリーランが出た。4回と5回の裏表で流れが変わった。

7回表の押し出しのところ、なんでオリックスは竹安だったのだろう。山崎颯や宇田川、ワゲスパックとか、剛腕リリーフが沢山いるのに。竹安の後、近藤に代わったが、先に近藤で良かったのでは。村上君のところでは、左のリリーフがいないのは厳しいな、とも思った。

去年もそうだったのだが、中嶋監督の策がヤクルトにはほとんど効果が出てない。通用してない、のとはちょっと違う。ヤクルトが罠とか囮とか奇襲的なものに気付いてないって感じ。

第2戦の山崎福早期降板は、ふた回りして目が慣れたところで違うタイプの山崎颯にしたろ、と思ったが、ヤクルト打線は普通に速い投手に変わったなと感じただけ。剛球リリーフと思わせておいて軟投型の竹安で意表を突くぜ、とやってもヤクルト打線は普通に打っただけ。終盤の2点差でバントは普通しないけど、一点差にしてマクガフにプレッシャーをかけたろ思ったけどヤクルトは普通に守ったし、マクガフがハラハラさせるのは平常運転なので、別にって感じ。

パリーグではそれがイリュージョンだったのかもしれないが、ヤクルトは翻弄されないというか、普通に頑張っているだけ。中嶋監督だけが空回りしている。

研究が足りないんじゃないかな。東京ヤクルトスワローズは、流れが悪いとすぐシュンとなるけど、鈍感というか、のほほんとしたチームカラーなので、微妙な策は気づいてもらえないんですよ。

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2022日本シリーズ第2戦の感想

2022-10-24 00:23:00 | スポーツ



オリックスは福田と西野に代えて安達とT-岡田をスタメンに起用。第1戦で福田は押し出し四球を選んだし、西野は2安打なのに。左のリリーフが一人もいないのも謎。去年から中嶋監督のやることは、よく分からない。

分からないと言えば、捕手も昨日の若月から伏見へチェンジ。解説の伊東勤が、昨日の反省を生かすとか、どうするんでしょう…みたいなことを言ってた。

合理的な野球、理論的な野球、確率の野球をノムさんに叩き込まれた僕には不可解なオリックス野球なのだが、結果的には3点取られた。そしてそのまま、こちらは点を取るイメージが湧かないまま回を重ねた。

失点の理由は主にサンタナの守備だった。オリックスの下位打線と、福田を下げてまでして使った安達に打たれた。まあ、中嶋采配が当たったということなのだろう。

3点の内訳は、投手山崎福のタイムリーで1点、ラオウのボテボテの三ゴロで1点、サンタナのエラーで1点。結構打たれた気もするし、でも中軸は抑えてるし。負けた気がしないのだが、勝てる気もしなかったという不思議な試合だった。

点差以上に勝ち筋が見えない(何しろこの負け前提の原稿を試合中に書き終えたくらいだ)流れで、村上君ですら第四打席は集中力が落ちてると解説に言われる中、塩見とオスナだけがアホみたいにヒットを打ってくれた。見所はそこだけだった。

先発の山崎福が4回で降板した。勝利投手の権利がまだなのに代えられた。打席が回ってきたわけでもなく、ちなヤク的には打ててる感触がないので、もう1イニング待てばいいのにと思った。ああいう使い方をしてたら、この監督のために頑張ろうという気にならないと思うのだが、どうなんだろう。

・・・と、ここまでの原稿を8回裏に書き終えていたのだが!

9回裏、宮本二塁打、塩見四球で無死一二塁。代打内山。オリックスはペナント終盤は抑えだったらしい阿部。簡単に0-2と追い込まれてから2球続けて落ちる変化球を見送って2-2。スリーボールにはしたくないだろうから、外のカットボール(2個目のストライクを空振りで取られた球)かな、俺なら。と思ったら、そこにストレートが来てレフトスタンドへ同点スリーラン!!!阿部がっくし!!!

凡戦が急に激戦に変わり、そこから両軍凌ぎ合い。オリックスは勝ちパターンを使い切り、ラオウも下げていたし、延長に入れば後攻が有利なので期待したのだが、リリーフ陣が両方踏ん張って12回引き分け。

負けるはずの試合を引き分けたんだから、良しとしよう。これで大阪で三連敗しても神宮に戻れることが確定した。

山田の不調が深刻、なんてレベルじゃない。だが、守備は凄いので使いたい。プライドを傷つけないように、僕なら第3戦から塩見と打順を入れ替えて1番にする。

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2022日本シリーズ第1戦の感想

2022-10-22 23:34:00 | スポーツ



日本最強投手の山本由伸から点を取るのは難しい。弱点はピーマンだけと言われている。前半は0-2くらいでビハインドの展開。7回あたりで山本由伸に打席が回って代打が出て、投手交代してからが勝負。と思っていた。多分両監督もそうだったろう。

それが、初回塩見の初球打ちヒットからオスナのタイムリーで2点先制。あれが全てだった。打てないはずの山本から普通に先制。オリックスのゲームプランを、いきなり破壊した。

リードした分を小川がいつも通りに吐き出した後、すぐ塩見のソロ。さらにオスナのソロ。山本由伸から4点も取れた。彼は第6戦、下手すると第5戦に出てくるだろうが、出てきても点を取れる目処が立った。左脇腹痛の具合にもよるが…。

リードした展開で木澤が1イニング抑えたのも大きい。シリーズ初登板で緊張したのか、最初はストライクがまったく入らなかったが、なんとか耐えた。これで木澤を使える目処がたった。

というように、色んな目処が立っていいことばかりの第1戦だった。村神様1号降臨も出たしね。

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長谷川晶一「詰むや詰まざるや」の感想

2022-10-20 08:19:00 | 



アメリカには、各年のMLBワールドシリーズがどれだけ名勝負だったかを決める計算方式がある。

『ハードボール・タイムズ』のクリス・ジャフは、主観的ではなく定量的な評価を行った。彼は歴代のポストシーズン各シリーズについて「1点差試合は3ポイント、1-0の試合ならさらに1ポイント」「サヨナラゲームは10ポイント、サヨナラが本塁打によるものならさらに5ポイント」「7試合制のシリーズが最終戦までもつれれば15ポイント」などというように、試合経過やシリーズの展開が一定の条件を満たすのに応じてポイントを付与することで、面白さの数値化を試みた。

これを日本シリーズ用にアレンジして、過古72回のシリーズをランク付けした人がいる。

このランクで歴代一位に輝いたのが、1992年の西武-ヤクルトである。

1992年の日本シリーズは、今でも史上最高の日本シリーズと言われている。黄金時代真っ只中の西武優勢という下馬評の中、延長12回裏、杉浦享の代打サヨナラ満塁本塁打でヤクルト先勝という衝撃の第一戦から始まり、西武が王手をかけてからの第5戦から第7戦まで全部延長戦。全試合が死闘というシリーズだった。

これと、両チームがもう一度対戦することになった1993年の日本シリーズをセットにして、多数の関係者インタビューを元に書かれたのが本書である。

僕は1989年からヤクルトのファンになったのだが、その前は西武を贔屓していたので、1992年のシリーズは複雑だった。絶対に勝ちたい、勝ってくれ、という強い気持ちがなかったように記憶している。というか、西武の強さを元ファンとして知っていたので、「いや勝てないでしょ、まだ」と思っていた。

本書の中でも、広澤克実が同じような気持ちを語っている。広澤は西武の応援歌「地平を駆ける獅子を見た」by松崎しげる が聞こえてくるたびに足が震えたらしい。彼は92年第7戦の本塁突入失敗「お嬢様スライディング」を、本書を通してずっといじられる。数少ない笑わせ役。

当時リアルタイムで見ていたわけだが、ネットのない時代ゆえ、得られる情報は限られていた。石毛は腰痛で試合に出たり出なかったりしていたが、実は荒木から食らった死球により送球が困難になっていたらしい。今でもペンを持って字を書くのに不自由があるとか。全然知らんかった。

先に多数のインタビューと書いたが、本当に多種多様多数のインタビューが収められている。神宮球場のドリマトーン奏者の話なんてのもある。ヤマハの電子オルガンをエレクトーンと呼ぶのは知ってたが、河合のはドリマトーンというのは本書で初めて知った。

作者はスポーツライターだが、ガチのヤクルトファンなので、もっと偏るかと思ったらそうでもない。内容は概ね中立的である。多少贔屓してるように見えなくもないが、やはり亡くなっている野村監督より森監督のインタビューの方が多いので、バランスが取れてる感じ。あと作者は12球団のファンクラブに全部入ってるくらいで、プロ野球全体のファンでもある。

知将対決ということで、「キツネとタヌキの化かし合い」というフレーズが何度か出てくる。確かに当時のスポーツ紙でもそう書かれていたが、僕は両監督の風貌から、タヌキとタヌキじゃねえの、と思っていた。当時見たフレーズでは「野球の名人戦」というのが言い得て妙だと思っていたが、それは出てこない。

どちらの年も、西武は第二戦の先発がエース郭泰源である。森監督は、第一戦は情報収集が目的で、勝たなくてもいいと考えている。別の年だが、よく東尾修が第一戦に投げ、意図的にいろんなコース、球種を試して、相手の各打者を分析するということをやっていた。今そんなことする監督いる?

勝ち数の順に並べてこないので、西武が出る日本シリーズは、いつも先発が読めなかった。本書でも互いの先発の探り合いが水面下の頭脳戦として描かれていて、野村監督は、故障で投げられるはずのない伊藤智仁を登録選手名簿に入れて、西武を撹乱しようとしている。

ヤクルトの方は、92年は岡林が第一戦、第四戦、第七戦で投げている。今の感覚ではあまりにも投げすぎだが、本書を読むと、なぜそうなったかが分かる。森監督は「早く岡林を代えてくれ」とずっと思っている。それが読めるから野村監督も代えられない。第三戦の予定だった火曜日が雨で順延になり、中4日で第四戦にも使えることが分かると、躊躇なく岡林を出す。

93年の第一戦は、勝ち頭ではない荒木大輔が先発。早実時代から大舞台に強く、勝ち運を持っているから、だそうな。野村監督は「野球は頭でやるもんだ」ということを僕に教えてくれたが、結構縁起も担ぐ。連敗して宿舎のホテルを変更しようと無茶を言うエピソードも書かれている。

92年第七戦の広澤本塁突入失敗から、野村監督が敢えてセオリーに反する新戦術「ギャンブルスタート」を考案する。93年の第七戦で、古田がベンチの指示を無視してギャンブルスタートを敢行。この件について古田が二十数年ぶりに野村監督に謝るというのをYouTubeで見たことがある。僕も古田のように、あれはギャンブルすべき状況だったと思うのだが、本書によると第6戦で試して広澤がアウトになったので躊躇したらしい。また広澤か。

権藤博が横浜の監督時代に野村ID野球を揶揄して「詰将棋みたいな野球を見て面白いですか?」と発言したことがある。いや、俺は詰将棋みたいな野球を見たいんですけど。と、当時ムカついた記憶がある。本書のタイトル「詰むや詰まざるや」は、江戸時代の詰将棋の名著から貰っている。ググるとそっちも引っかかるのでチラ見したら、ああなるほど森対野村だな、と思った。

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セリーグCSファイナルS第3戦の感想

2022-10-15 08:57:00 | スポーツ



第3戦については、勝負眼とか分岐点ではなく、2022阪神の守備力の話ですかね。内野が全部土の甲子園が本拠地だからエラーが多い(イレギュラーが多い)のだろうと思っていたのだが、違うんだな。

青柳が無失点で抑えていたのに、マルテと浜地の悪送球が連続して一気に5失点。高津監督がスクイズといじった村上君のフルスイングピーゴロが内野安打と判定されたから1安打5得点になったけど、あれが投ゴロ判定だったら、あの回無安打である。

エラーはエラーでしょうがないというか、(たぶん)一生懸命やった結果なので受け止めるとして、僕が問題にしたいというか、昨日の勝因(阪神の敗因)に挙げたいのは守備の交代の多さだ。とにかく阪神は試合中のポジション変更が多い。

佐藤輝明はライトで始まって、途中からサードに移るパターンが多い。大山はレフトからライトに移動し、さらにファーストに行ったり。サードを守ることもある。マルテはサードだったりファーストだったり。セカンドはこのCSファイナルだけでも糸原、北條、植田と三人も守っている。

固定されているのはショート中野とセンター近本だけで、他は常に流動的。僕はそこそこプロ野球詳しいつもりでいるが、阪神の正セカンドが誰なのか言えない。固定できるような選手がいないんだからしょうがない、と言われるかもしれんが、そのセカンド(植田)とファースト(マルテ)の連携ミスからああなったのだ。

あんなにコロコロ変えてたら、上手くなるものもならないと思うんだよね。次は監督が変わるのでレギュラーが相当数入れ替わると思うけど、佐藤輝明と大山だけは腹括って守備位置固定した方がいいと思いますよ。余計なお世話かもしれませんが。


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