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富士山の永久凍土激減 温暖化の影響か、生態系に変化も

2010年09月10日 00時53分16秒 | 山関係のニュース(報道されたもの)
2010年9月9日14時31分朝日COM

 富士山頂(3776メートル)周辺に広がっていた永久凍土が激減していることが、静岡大と国立極地研究所の調査で分かった。1976年には山頂から標高3100メートル付近まで連続して広がっていたが、98年には3200メートル以上しかなくなり、現在は山頂周辺に散在するだけになった。植生への影響が心配されている。

 永久凍土は、2回の冬とその間の夏を合わせた期間より長く、0度以下の状態になっている土壌や岩石をさす。

 調査は、静岡大理学部の増沢武弘教授、極地研の藤井理行所長らが行った。南斜面の標高2500メートルから山頂まで50~100メートルおきに約100地点で、地中に長い棒を突き刺して深さ50センチの温度を測って、凍土の有無を調べた。

 76年8月の調査では、永久凍土は標高3100メートル以上に広がっていた。98年8月には、3200メートル以上に上昇。さらに、2007年8月には、連続した広がりは消え、部分的に確認できた最も低い地点でも、標高3600メートルまで上がっていた。07年からは山頂付近の地中温度を通年で測っており、昨年まで6地点確認できた凍土が、この1年では北側3地点に減っていた。

 気象庁によると、富士山頂の8月の平均気温は76年で4.2度、09年は6.6度と上がる傾向にある。

 増沢教授によると、山頂付近にはコタヌキランなど3種類の植物があるが、ここ数年で株が大きくなったり、増えたりして、生態系が変化しているという。

(地中の温度を測って永久凍土の有無を確認する=08年8月、富士山頂付近、中山写す)

 環境省の研究委員会は08年、地球温暖化の影響で起こり得る影響として「富士山の永久凍土の減少」を指摘している。極地研の藤井所長は「温暖化の影響は間違いないが、予測以上のスピードだ」と驚いている。(中山由美)


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