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森羅万象 ~ 歩く印象派

「ミスとの闘い」原辰徳  2009.8.19

2009年08月19日 23時18分24秒 | 歩く印象派
2009.8.19

 夏休みの野球観戦は、いかがでしょう?心なしか暑さも落ち着いてきたように感じますが、みなさん、お元気ですか? ジャイアンツの現状は「耐える試合」が続いています。阿部が一塁を守るなど、苦しい時期ですが、全員がひとつになり、9月の最終スパートに向けて闘っている状況です。 

 ここ数試合、やや気がかりなのは、チームにミスが出ていることです。15日の試合は坂本が2失策し、試合には勝ちましたが先発グライシンガーの足を引っ張りました。そして16日の試合は木村拓がなんでもないセカンドゴロを後逸し、同点になる走者を出してしまいました。野手だけではなく、先発した高橋尚はブラゼルに一発を浴びました。この一発も、ど真ん中の失投です。走者をためた場面での〝投げミス〟は、致命傷になります。特にここ数試合の高橋尚は、野手がエラーをし、なんとか持ちこたえてほしい状況で、あっさり点を取られる印象があります。一生懸命に投げているのは分かりますが、高橋尚は若手の手本とならなければいけない立場の投手であり、ここ一番での〝投げミス〟を避けることができる力があると思っています。それだけに歯がゆい思いをしました。

 今日はミスについて話します。私はミスについて、あまりとやかく怒るタイプではありません。根底の部分で「わざとミスする選手はいない」というものがあるからです。簡単に言うなら、ミスが出るのは「技術不足」が原因なのです。よくミスの原因を「精神的な部分」と結びつける人がいます。しかし、私は精神的な部分に結びつけるのは、自分の技術不足を認めずに逃げるための口実にしているケースがほとんどだと思っています。プレッシャーのかかる場面でも、しっかりとしたプレーをするのも技術です。少しばかりプレッシャーのかかる試合でミスをするのも、プレッシャーからのミスではなく、しっかりした技術がないからです。別の言い方をするなら、しっかりとした技術の裏付けがあれば、多少のプレッシャーはものともしません。

 後は「経験」です。経験を積めば、プレッシャーにも慣れます。しかし、しっかりとした技術を持っていないプレーヤーが「経験がないから」といった精神的な部分に逃げ込んでいては、成長しません。経験のないプレーヤーに自信をつけさせ、教育していくいのが我々の使命ですが、すぐに精神的な部分に逃げ込んでしまうような選手には、なかなか経験を積ませるような状況にならないものです。これからは痺れるようなプレッシャーを感じながら戦う試合が多くなります。そんな中で選手たちがミスに対してどう向き合っていくか。見ていてください!

上記はHARA Spirit 原辰徳オフィシャルサイトより

>「わざとミスする選手はいない」
>ミスが出るのは「技術不足」が原因
>精神的な部分に結びつけるのは、自分の技術不足を認めずに逃げるための口実
>しっかりとした技術を持っていないプレーヤーが「経験がないから」といった精神的な部分に逃げ込んでいては、成長しません。


ともすると精神的な部分に逃げ込んでしまいがちな諸兄に贈りたい言葉だ。もちろん自戒も含めて。