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森羅万象 ~ 歩く印象派

サハラ砂漠がなぜか緑化しつつあるらしい

2009年08月07日 23時44分02秒 | 地球の不思議・宇宙の不思議
2009-08-06-Thu CATEGORY: 海外ニュース

 アフリカ大陸に砂漠化、干ばつ、そして絶望をもたらすといわれる地球温暖化。
だが、実際の筋書きは大きく異なるのかもしれない。
気温上昇によって、アフリカの最乾燥地域の人々の暮らしが豊かになるという研究結果が出たのだ。

ナショナルジオグラフィックによると、サハラ砂漠とその周辺地域は現在、降雨量の増加で緑化していることが確認されている。
サハラ砂漠は約1万2000年前にも緑豊かなサバンナに変化したことがあるが、研究モデルではそのときの気候が再来し、砂漠が減少するという予測が立てられているという。

「Biogeosciences」誌に掲載された新しい研究論文によると、1982年から2002年に撮影された衛星画像から、サハラ砂漠南縁部に広がる半乾燥地域「サヘル」全域で緑化が進んでいることが確認できるという。
また、チャド中央部やスーダン西部などでも植生が非常に豊かになっている。

ドイツにあるマックス・プランク気象研究所のマルティン・クラウセン氏は、「気温が上がれば大気の保水性も上がり、結果として雨が多くなる。取りざたされている変化は、結局はそういうことなのではないか。主な要因は大気の保水力ということだ」と第三者の立場でコメント。

ケルン大学アフリカ学研究所の気象学者シュテファン・クレペリン氏によると、
北アフリカでは広範囲にアカシアなどの新しい樹木が繁茂し、西サハラでも放牧地がかつてないほど広がっていうという。
同氏が20年前から調査を行っているサハラ砂漠東部についても、
「あの辺りは数百年から数千年もの間、まったく人の手が入らなかった土地で、以前はサソリ一匹、草一本見あたらなかったのに、今はラクダが放牧されている。
ダチョウやガゼル、両生類まで戻ってきた。この傾向は間違いなく20年以上前から続いている」と話す。