予告編を見て興味を持った本作。
公開2日目(3月6日)に鑑賞しましたが朝一回目だったからか、人気はいま一つ。
その後はどうだったんでしょう?
全国で10館しか上映していないのですね。面白いのに・・・。
舞台は4世紀のアレクサンドリア@エジプト。
3年前の3月、エジプト旅行でアレクサンドリアにも行きました。
地中海に面した港町で、ポンペイの柱、地下墳墓のカタコンベ、国立博物館に行き、
地中海を臨むレストランで魚料理をいただきました。
唯一本残るポンペイの柱 カタコンベ入り口 地中海を臨む
アレキサンドリア国立博物館 地中海の魚を食べたレストラン
(画像をクリックすると大きくなります)
ポンペイの柱は西暦292年建造された神殿の一部で、391年ローマ皇帝の命により破壊された
400本の柱のうち唯一残された1本。これは異宗教を排斥しようとするキリスト教徒によって
破壊された際に残ったとされている・・・って!! 本作の主人公ヒュパティアは西暦370年頃生まれ
415年没ってことはまさにこの神殿が破壊された当時生きていたってことですよね!
私が歩いたあの場所をヒュパティアも歩いていたかも・・・
3年前にこのことを知っていたら、もっと感動してました。 ロマ~ンやなぁ~
今回の蜂起でどうなってしまったのでしょう?
テレビで御馴染みのエジプト考古最高評議会のザヒ博士は貴重な遺産の盗難と破壊を
心配しておられたようですが・・・。
*******************
アレクサンドリア AGORA
********************
< ストーリー >
ヒュパティアは実在の人物だったのですね。
4世紀末のエジプト。人類の叡智を集めたアレクサンドリア図書館館長の娘で哲学者・数学者・天文学者
でもあるヒュパティアは多くの生徒に講義を行っていた。生徒の宗教を問わなかったリベラルな彼女だが
急速に数を増すキリスト教徒が古代の神々を侮辱した事から市民の間に争いが起き、図書館の貴重な資料はキリスト教徒に破壊される。数年後、勢力を増しローマ帝国を後ろ立てとするキリスト教徒は
科学を否定し支配の邪魔になるヒュパティアに狙いをつける。
ローマ帝国末期の混乱に翻弄(ほんろう)された学者ヒュパティアの数奇な運命を描く歴史ドラマ。
歴史の授業で学んだエジプトは、四大文明の一つとして紀元前3000年からクレオパトラ7世の自殺
によって紀元前30年プトレマイオス朝が滅びローマ帝国の属州になるまでと、7世紀以降イスラムの王朝の
一部としてで、その間の700年ほどって?全く学んだ記憶がありません。
サボってたわけではないと思うけれど・・・
クレオパトラ後からイスラムまですっぽり抜け落ちたこの時代は、ギリシャ・ローマの神々信仰とキリスト教が
共存し、ギリシャ・ローマで培われた哲学や数学・天文学が受け継がれ、キリスト教による文化暗黒の時代
に入る前です。
本作の原題「AGORA アゴラ」は市民生活の中心地。役所や裁判所、市場、政治や文化的施設が集まり、
政治や芸術を論じ、哲学者の思想に耳を傾け議論する場所。アカデミックだわ~。
ヒュパティアが地動説を導き出すまでの過程や模型や実験の道具立てが興味深かったです。
「それでも地球は回っている」と言いながらキリスト教に屈したガリレオやコペルニクスが
科学と宗教の狭間で揺れる遥か1000年以上も前に、キリスト教に対峙し信念を貫き通し
命を落とすヒュパティア
地学得意じゃなかったんで詳しいことは分かりませんが、ガリレオやコペルニクスも解決し得なかった
ケプラーによって発見された楕円軌道にまで極めていたとは・・・ アハ体験!
(ヒュパティアが発見かどうかは謎ですが、当時の学者が既にこの事実を解明していたということです)
聡明なだけでなく美貌をも兼ね備え、信念を貫く強い意志も持ち合わせていた・・・
ひょっとするとダ・ビンチ(彼もめっちゃハンサムだったとか)に匹敵する?いや越えている?かも。
政変が起こり新たな勢力が台頭すると必ず起こる文化の破壊。
施設を壊し、叡智の詰まった本を焼く焚書。
キリスト教の蛮行によりの貴重な本の大半が失われ、その叡智を受け継いだのはイスラーム。
イスラム文化がギリシャ文化を引き継ぎ、ヨーロッパ諸国はイスラムを経由してギリシャ文化を
継承したそうです。
政治(宗教)的圧力と信念の間で揺れ動くヒュパティア。
そんな彼女を愛し、宗教に屈するか?愛を取るか?で揺れ動く男たち。
歴史を学び、各々の究極の選択に立ち会い、その上天文学の知識まで得られる、
1本で3度おいしい映画です。
この映画の監督や脚本家は非キリスト教徒なのか、それとも自戒の意味を込めたのか?
監督はスペイン人だけれど、キリスト教の排他的蛮行をこんなに描いていいのかしらん?
2001年新アレクサンドリア図書館が建設されたんですね。→新アレクサンドリア図書館
昔の図書館は手書きの巻物、いまは当然ながらコンピューター管理ですね。
バチカンにあるラファエロの「アテナイの学堂」はレオナルド・ダ・ビンチをモデルにソクラテスを、
ミケランジェロをモデルにヘラクレイトスを描いたというのは聞いた記憶があるのですが、
何と!この絵にヒュパティアが描かれている!そうです。→Wiki
↑ここに立つ白い服の女性ですって
この女性の下にいる少女という説もあるようです。
***** 見た 映画 *****
4月 1日 「わたしの可愛い人 シェリ」DVD ミシェル・ファイファー、ルパート・フレンド主演
公開2日目(3月6日)に鑑賞しましたが朝一回目だったからか、人気はいま一つ。
その後はどうだったんでしょう?
全国で10館しか上映していないのですね。面白いのに・・・。
舞台は4世紀のアレクサンドリア@エジプト。
3年前の3月、エジプト旅行でアレクサンドリアにも行きました。
地中海に面した港町で、ポンペイの柱、地下墳墓のカタコンベ、国立博物館に行き、
地中海を臨むレストランで魚料理をいただきました。
唯一本残るポンペイの柱 カタコンベ入り口 地中海を臨む
アレキサンドリア国立博物館 地中海の魚を食べたレストラン
(画像をクリックすると大きくなります)
ポンペイの柱は西暦292年建造された神殿の一部で、391年ローマ皇帝の命により破壊された
400本の柱のうち唯一残された1本。これは異宗教を排斥しようとするキリスト教徒によって
破壊された際に残ったとされている・・・って!! 本作の主人公ヒュパティアは西暦370年頃生まれ
415年没ってことはまさにこの神殿が破壊された当時生きていたってことですよね!
私が歩いたあの場所をヒュパティアも歩いていたかも・・・
3年前にこのことを知っていたら、もっと感動してました。 ロマ~ンやなぁ~
今回の蜂起でどうなってしまったのでしょう?
テレビで御馴染みのエジプト考古最高評議会のザヒ博士は貴重な遺産の盗難と破壊を
心配しておられたようですが・・・。
*******************
アレクサンドリア AGORA
********************
< ストーリー >
ヒュパティアは実在の人物だったのですね。
4世紀末のエジプト。人類の叡智を集めたアレクサンドリア図書館館長の娘で哲学者・数学者・天文学者
でもあるヒュパティアは多くの生徒に講義を行っていた。生徒の宗教を問わなかったリベラルな彼女だが
急速に数を増すキリスト教徒が古代の神々を侮辱した事から市民の間に争いが起き、図書館の貴重な資料はキリスト教徒に破壊される。数年後、勢力を増しローマ帝国を後ろ立てとするキリスト教徒は
科学を否定し支配の邪魔になるヒュパティアに狙いをつける。
ローマ帝国末期の混乱に翻弄(ほんろう)された学者ヒュパティアの数奇な運命を描く歴史ドラマ。
歴史の授業で学んだエジプトは、四大文明の一つとして紀元前3000年からクレオパトラ7世の自殺
によって紀元前30年プトレマイオス朝が滅びローマ帝国の属州になるまでと、7世紀以降イスラムの王朝の
一部としてで、その間の700年ほどって?全く学んだ記憶がありません。
サボってたわけではないと思うけれど・・・
クレオパトラ後からイスラムまですっぽり抜け落ちたこの時代は、ギリシャ・ローマの神々信仰とキリスト教が
共存し、ギリシャ・ローマで培われた哲学や数学・天文学が受け継がれ、キリスト教による文化暗黒の時代
に入る前です。
本作の原題「AGORA アゴラ」は市民生活の中心地。役所や裁判所、市場、政治や文化的施設が集まり、
政治や芸術を論じ、哲学者の思想に耳を傾け議論する場所。アカデミックだわ~。
ヒュパティアが地動説を導き出すまでの過程や模型や実験の道具立てが興味深かったです。
「それでも地球は回っている」と言いながらキリスト教に屈したガリレオやコペルニクスが
科学と宗教の狭間で揺れる遥か1000年以上も前に、キリスト教に対峙し信念を貫き通し
命を落とすヒュパティア
地学得意じゃなかったんで詳しいことは分かりませんが、ガリレオやコペルニクスも解決し得なかった
ケプラーによって発見された楕円軌道にまで極めていたとは・・・ アハ体験!
(ヒュパティアが発見かどうかは謎ですが、当時の学者が既にこの事実を解明していたということです)
聡明なだけでなく美貌をも兼ね備え、信念を貫く強い意志も持ち合わせていた・・・
ひょっとするとダ・ビンチ(彼もめっちゃハンサムだったとか)に匹敵する?いや越えている?かも。
政変が起こり新たな勢力が台頭すると必ず起こる文化の破壊。
施設を壊し、叡智の詰まった本を焼く焚書。
キリスト教の蛮行によりの貴重な本の大半が失われ、その叡智を受け継いだのはイスラーム。
イスラム文化がギリシャ文化を引き継ぎ、ヨーロッパ諸国はイスラムを経由してギリシャ文化を
継承したそうです。
政治(宗教)的圧力と信念の間で揺れ動くヒュパティア。
そんな彼女を愛し、宗教に屈するか?愛を取るか?で揺れ動く男たち。
歴史を学び、各々の究極の選択に立ち会い、その上天文学の知識まで得られる、
1本で3度おいしい映画です。
この映画の監督や脚本家は非キリスト教徒なのか、それとも自戒の意味を込めたのか?
監督はスペイン人だけれど、キリスト教の排他的蛮行をこんなに描いていいのかしらん?
2001年新アレクサンドリア図書館が建設されたんですね。→新アレクサンドリア図書館
昔の図書館は手書きの巻物、いまは当然ながらコンピューター管理ですね。
バチカンにあるラファエロの「アテナイの学堂」はレオナルド・ダ・ビンチをモデルにソクラテスを、
ミケランジェロをモデルにヘラクレイトスを描いたというのは聞いた記憶があるのですが、
何と!この絵にヒュパティアが描かれている!そうです。→Wiki
↑ここに立つ白い服の女性ですって
この女性の下にいる少女という説もあるようです。
***** 見た 映画 *****
4月 1日 「わたしの可愛い人 シェリ」DVD ミシェル・ファイファー、ルパート・フレンド主演
「アテナイの学堂」もネットサーフィンしていて発見!私も「知る喜び」を味わいました。思わぬところで繋がっていくと嬉しいですよね。
>4度目のおいしさ
クマネズミさんにそう言っていただけて、わたしも5度目のおいしさを味わっています
それにしても、アレクサンドリアに3年前にせよ行ってこられたとは、羨ましい限りです。
ヒュパティアの時代に建っていた柱が1本だけでも未だ残っているとは驚きました(全壊したとばかり思っていましたから)。
そして、バチカンにあるラファエロの「アテナイの学堂」に彼女が描かれているとは、思いもよらない情報です。
ryokoさんのブログを読んで、「1本で3度おいしい」どころか、4度目のおいしさを味わうことが出来ました!