今日のお仕事は親知らずの抜歯でした。
かなり深く骨に横に埋まってましたので、中々難しかったです。
この患者さんは、60代の男性で、現時点ではこの親知らずにそこまでの違和感は感じてませんでしたが、将来の高齢者になった時の危険性、現在の排膿して歯周ポケットがかなり深い状態などを説明した所、先生抜いて下さい、となりお引き受けしました。
何度やっても、こう言う親知らずの抜歯は緊張します。
そして、いつも思うことが、ここまで根を育てないで抜歯できたらな、と言うことです。
歯医者は痛くないなら抜かなくて良い、と言っていたと必ず言われます。
しかし、今は長生きをします。
そうした時、お口の中が汚れてこう言う親知らずが腫れて痛んだり、果ては骨髄炎になってしまう危険性が非常に高いのです。
高齢者になって親知らずが痛んで抜かなければならない羽目に陥る、と言うことです。
そんなことになってしまったら、それはそれは大変な事態になります。
高齢者は体力もなく、抵抗力も落ち、治癒力も悪くなるからです。
そして、強調したいのが、骨と親知らずが癒着してしまい、とても抜くのが難しくなる、と言うことです。
失礼ながら、痛くないなら抜かなくて良いと言っている歯医者の先生は、そう言う患者さんの抜歯をちゃんとしたことがあるのでしょうか?
大きな問題になったら大学病院とかに紹介すれば良い、と考えてるなら、もっと早くに勧めて紹介するべきです。
放置すれば放置するほど、このような親知らずは難しくなり、大変な事態になって患者さんは多大な労苦を味わされる羽目になるのですから。
今回のこの方も60代てましたが、骨と歯が癒着し始めてて、とても大変でした。
ここまで親知らずを育ててしまってますから、手前の歯の支えてる骨も溶かしてて、そちらにも心配が残ると言わざるを得ません。
皆さんはご存知ないでしょうが、歯は最初に歯冠が作られ、それから歯根が延びて完成するんです。
なので、親知らずも10代の終わりには歯冠は必ずあり、歯根も半分以上完成してるんです。
その状態でレントゲンを見れば、歯医者なら必ずああこの親知らずはちゃんと生えないな、ダメだな、と診断付けられる筈です。
なら、その時に抜いてしまえば、歯根も短いし、骨も柔らかいので、とても抜き易く、しかも、若いですから治りもとても良いのです。
特に強調したいのが、適齢期の女性の方です。
妊娠出産育児の時、もしも親知らずが痛くなったら?
大切な赤ちゃんのことを考えたら、痛み止めの薬すら飲むのがためらわれますよね。
でも、妊娠に関わる頃は、女性はお口の中が汚れ易く、問題を起こし易いんです。
歯医者の世界では、そう言う患者さんが良く来られて難儀した、と言うのは良く聞く話なんです。
だから、若い頃にレントゲンで診断して、なくべき親知らずは抜いた方が良いのです。
それを痛くないからで温存してたりしたら、歯根は長く育ち、時には曲がりくねり、骨も硬くなり、神経にも近くなる、と悪いことばかりになるんです。
そのことをちゃんと説明しない歯医者がいけない、と私は明言します。
患者さんの将来のことをきちんと考えて、ちゃんとした説明をすれば、抜いて下さいと言われる患者さんは確実におられます。
患者さんの安寧な老後の人生を守る一手として、骨に横になって埋まっている親知らずは、できるだけ早いうちに抜いておくべきだ、と私は明言します。
その代わり、できるだけ腫らさない痛くならないような手術でして差し上げること、を追究しなければならない、と言うことも申し添えて置きます。
やればやるほどどうして今までの先生は誰一人手を挙げなかったのか、と悲憤慷慨しています。
誰もやらないのなら私がやる、の決意で私はやらせていただいています。
お陰さまで、最近は同業者の先生、同業者やディーラーのご子息、の親知らずをお願いされることも増えて来ました。
誰に任せる?となった時に、私にとお声をかけていただけることは大変名誉なことで、有り難いことです。
お引き受けする時には、とても身が引き締まる思いです。
具体的にどなたからとかは言えないので、それはご容赦下さい。
今回の患者さんも、レントゲン見ると
もろに神経にくっ付いて埋まってますから、とても大変でした。
幸い終わった後のレントゲンを見ると、綺麗に神経のトンネルが保たれてますので、多分大丈夫だろう、と思います。
幸い私は今の所、親知らずの抜歯で麻痺などの事故の経験はほんの少ししかありません。
口腔外科の統計データでは3%とか聞きますが、私はその更に100分の1もないです。
コツを言えば、素直に生える方向に力掛けずに抜く、でしょうか。
私は、この仕事を使命感を持ち、これからもできる限り多くの患者さんをお救いできるように頑張ります。
下顎の骨に横に埋まってる親知らずは抜いて下さい。
それが切なるお願いです。