関節を守る筋肉を鍛える「関節トレーニング(関トレ)」はシニア世代が自宅で手軽にできる健康法です。
道具は使わず動作は単純。 体力がない人や運動が苦手な人でも無理せず自分のペースで継続できる。
腰や膝の筋肉を強化でき、加齢による腰・膝の痛みの改善や転倒防止にもつながるといわれています。
「見た目にはかなり地味ですが、普段使わない筋肉を使うので効果があります」
12月初旬、東京・新宿の朝日カルチャーセンターで開かれた「筋力の老化を防ぐ簡単筋トレ」講座。
理学療法士の講師“笹川さん”の掛け声で、27
人の生徒が片足のつま先を反対側のかかとに向
けて内側にひねる。そして、ひねった足を膝を
曲げずに床から浮かせてそのまま10秒間静止
する。 足を下ろすと、苦しさから解放された
「ハァー」という声が一斉に上がった。これが
腰の関節周りの筋肉を鍛える運動(左図①)です。
腰を丈夫にする動作はもう一つある。あぐらを
かいて両脚の裏をくっつける。股間からかかと
までの距離は約50㌢。背中を丸めず胸をつま
先にゆっくり近づける(左図②)。 実際にやって
みると、ベルトの下あたり、股関節の付け根の
筋肉に負荷がかかっているのがわかる。
定員20~30人のこの講座は定期的に開かれ
毎回満員になる。この日の参加者は60代から
70代の女性が中心だったそうだ。
2回目の受講という都下に住む女性は「自宅で母を介護しています。 体を持ち上げようとすると
ツラくなってきたので、筋力をつけたいと思いました」と参加した理由を語っていたという。
笹川さんが腰の運動と並んでシニアに勧めるのが、中高年が痛めやすい膝の運動だという。
イスに座って股を開き、片足のつま先を前に向けて膝を力を入れて曲げる(上図③)。
膝を曲げたり股関節を伸ばしたりするときに使う太ももの裏側の筋肉を鍛える運動だそうだ。
もう一つが、あおむけに寝て片足のつま先を内側に向けて尻を浮かせる運動(上図④)。
寝返りを打つ格好で肘をついて尻を浮かせる。太ももに力を入れることで膝の関節を支える筋肉を
強化することができる。この部分は下半身の左右の重心移動に大きく関係しているそうだ。
電車でつり革につかまって立ってもよたよたするのは、この筋肉がうまく働いていないことが要因
だといわれている? この4つの運動をそれぞれ3回繰り返す。
「毎日、10分間程度の運動で効果がある」と笹川さんは話しています。
こうした「関トレ」は筋肉回復を目的に各地の病院で患者のリハビリとしても採用されています。
東京都健康長寿医療センター研究所の“金研究部長”も「関節トレーニングを勧めます」と話す。
高齢になると腰や膝の痛み、転倒による骨折が増え「老年症候群」と呼ばれる。 いずれも悪化
すると歩行困難になり介護が必要になる。 それらにつながる原因の多くが筋力低下という。
筋力は加齢とともに衰えると思われがちだが、適度なトレーニングで維持・強化できる。
継続すれば、健康寿命が延ばせて生活が楽しめる。
東京都健康寿命医療センター研究所が昨年、東京・板橋区在住の65歳以上の女性1035人に
痛みがある体の部位を調査したところ、「腰」が38%、「膝」が35%と圧倒的に多かった
という。 腰の痛みがある人は転倒した経験が多い。 調査した金部長は「シニアの間違った
筋トレは、鍛えるどころか、ケガや故障につながる」と注意を促しています。
膝が痛いのにスクワットしたり、足が弱っているのにジョキングしたりするのはかえって逆!
症状を悪化させるという。
一方、関トレは「腰や膝と股関節を守るため、いわば体の中にサポーターを作るイメージ」。
間違った「筋トレ」はケガや故障を起こしますのでまずは、「関トレ」から始めましょう!
道具は使わず動作は単純。 体力がない人や運動が苦手な人でも無理せず自分のペースで継続できる。
腰や膝の筋肉を強化でき、加齢による腰・膝の痛みの改善や転倒防止にもつながるといわれています。
「見た目にはかなり地味ですが、普段使わない筋肉を使うので効果があります」
12月初旬、東京・新宿の朝日カルチャーセンターで開かれた「筋力の老化を防ぐ簡単筋トレ」講座。
理学療法士の講師“笹川さん”の掛け声で、27
人の生徒が片足のつま先を反対側のかかとに向
けて内側にひねる。そして、ひねった足を膝を
曲げずに床から浮かせてそのまま10秒間静止
する。 足を下ろすと、苦しさから解放された
「ハァー」という声が一斉に上がった。これが
腰の関節周りの筋肉を鍛える運動(左図①)です。
腰を丈夫にする動作はもう一つある。あぐらを
かいて両脚の裏をくっつける。股間からかかと
までの距離は約50㌢。背中を丸めず胸をつま
先にゆっくり近づける(左図②)。 実際にやって
みると、ベルトの下あたり、股関節の付け根の
筋肉に負荷がかかっているのがわかる。
定員20~30人のこの講座は定期的に開かれ
毎回満員になる。この日の参加者は60代から
70代の女性が中心だったそうだ。
2回目の受講という都下に住む女性は「自宅で母を介護しています。 体を持ち上げようとすると
ツラくなってきたので、筋力をつけたいと思いました」と参加した理由を語っていたという。
笹川さんが腰の運動と並んでシニアに勧めるのが、中高年が痛めやすい膝の運動だという。
イスに座って股を開き、片足のつま先を前に向けて膝を力を入れて曲げる(上図③)。
膝を曲げたり股関節を伸ばしたりするときに使う太ももの裏側の筋肉を鍛える運動だそうだ。
もう一つが、あおむけに寝て片足のつま先を内側に向けて尻を浮かせる運動(上図④)。
寝返りを打つ格好で肘をついて尻を浮かせる。太ももに力を入れることで膝の関節を支える筋肉を
強化することができる。この部分は下半身の左右の重心移動に大きく関係しているそうだ。
電車でつり革につかまって立ってもよたよたするのは、この筋肉がうまく働いていないことが要因
だといわれている? この4つの運動をそれぞれ3回繰り返す。
「毎日、10分間程度の運動で効果がある」と笹川さんは話しています。
こうした「関トレ」は筋肉回復を目的に各地の病院で患者のリハビリとしても採用されています。
東京都健康長寿医療センター研究所の“金研究部長”も「関節トレーニングを勧めます」と話す。
高齢になると腰や膝の痛み、転倒による骨折が増え「老年症候群」と呼ばれる。 いずれも悪化
すると歩行困難になり介護が必要になる。 それらにつながる原因の多くが筋力低下という。
筋力は加齢とともに衰えると思われがちだが、適度なトレーニングで維持・強化できる。
継続すれば、健康寿命が延ばせて生活が楽しめる。
東京都健康寿命医療センター研究所が昨年、東京・板橋区在住の65歳以上の女性1035人に
痛みがある体の部位を調査したところ、「腰」が38%、「膝」が35%と圧倒的に多かった
という。 腰の痛みがある人は転倒した経験が多い。 調査した金部長は「シニアの間違った
筋トレは、鍛えるどころか、ケガや故障につながる」と注意を促しています。
膝が痛いのにスクワットしたり、足が弱っているのにジョキングしたりするのはかえって逆!
症状を悪化させるという。
一方、関トレは「腰や膝と股関節を守るため、いわば体の中にサポーターを作るイメージ」。
間違った「筋トレ」はケガや故障を起こしますのでまずは、「関トレ」から始めましょう!