銀メダルを獲得した"安楽選手(17)"をはじめ、パリ五輪のスポーツクライミングで日本勢が活躍した。
2021年の東京大会で初めて五輪競技に採用されて人気が高まり、子ども向けの民間ジムが増え
ている。 狭い場所でも施設を設けやすいことから、都市部の学校内に「壁」をつくり、子どもの
体力向上に役立てる動きも出てきた。
スポーツクライミングは自然の険しい岩場を登るロッククライミングから派生した。 1940年
代以降、欧州や旧ソ連で競技会が開かれるようになったとされる。 カラフルな突起(ホールド)
のある人工の壁を登り、種目ごとに完登の度合いや速さを競う。
伝統的に欧州勢が強いものの、日本も世界トップクラスの選手がそろい、競技の裾野も広がってい
る。 男子複合の安楽選手は世界ランクング1位で迎えたパリ大会で、この競技では日本男子初
となるメダルを獲得した。 特に人気なのがスポーツクライミングの種目の一つで、指定された
ホールドに沿って登りゴールを目指す「ボルダリング」だ。 ルールがわかりやすき、初心者も
始めやすいという。
日本山岳・スポーツクライミング協会によると、民間のボルダリングジムは東京五輪のあった20
21年時点で国内に800カ所以上あった。 2大会連続で五輪に出場した”楢崎選手”らが通っ
た「クライミングジムZEーRO」(宇都宮市)の経営者、”小菅さん”は「東京五輪を境にボルダ
リング用の壁を設置する公共施設が相次いだ。 関心を持つ子どもが増え、習い事中心に切り
替える民間ジムも少なくない」と話す。
トップ選手自身も普及に取り組む。 楢崎選手は妻で東京五輪銅メダリスト、”野口さん”とともに
各地で体験教室やプロ選手が登場するイベントを開いてきた。 現役引退後に普及のための企
業を立ち上げた野口さんは「アスリートのレベルに合った施設を増やし、日本で国際大会を開
くなど競技の活性化につなげたい」と語る。
最近は民間ジムだけでなく、子どもの体力向上のためにボルダリングを取り入れる教育現場の動
きもある。
「頑張れ」「上まで行ける」。東京都港区の区立白金
小は21年、校舎と校庭を結ぶ通路に高さ約3㍍の壁
を設けた。休みに時間になると児童が並んでボルダリ
ングを楽しむ。4年生の女子児童は「一番上まで行け
るとうれしい」と笑顔を見せた。港区は東京五輪開催
をきっかけに導入を進め、23年度末までに区立幼稚
園12園と小学校19校に設けた。
都心のため敷地が限られ、体を動かせる場所が狭い施設が目立つ。 区教育委員会は「縦の空間
を生かせる」ボルダリングの特徴に目をつけた。 安全に遊べるよう壁の下に厚さ30㌢のマ
ットを敷く。 体育の授業や休み時間に使うときは教員が立ち会い、危ない登り方をしないよ
う声をかける。 区教委担当者は「全身の筋肉に加え、頭も使うスポーツ。 頂上まで登る方
法を考えて挑戦する力を身につけてほしい」と話している。
栃木県壬生町は22年の国民体育大会の競技会場となったことを受け、町内の全ての小学校と町
の体育館にボルダリングの壁を整備した。 学校の壁は休み時間の遊具として使われ、総合体
育館の壁は利用者登録すれば誰でも有料で利用できる。 体育館には利用者が壁のほかに申請
した団体向けの高さ5㍍の大型壁もある。 担当者は「持参が必要な道具が少なく初心者でも
手軽に始められる。 スポーツ振興につなげたい」と熱く語っている。
2021年の東京大会で初めて五輪競技に採用されて人気が高まり、子ども向けの民間ジムが増え
ている。 狭い場所でも施設を設けやすいことから、都市部の学校内に「壁」をつくり、子どもの
体力向上に役立てる動きも出てきた。
スポーツクライミングは自然の険しい岩場を登るロッククライミングから派生した。 1940年
代以降、欧州や旧ソ連で競技会が開かれるようになったとされる。 カラフルな突起(ホールド)
のある人工の壁を登り、種目ごとに完登の度合いや速さを競う。
伝統的に欧州勢が強いものの、日本も世界トップクラスの選手がそろい、競技の裾野も広がってい
る。 男子複合の安楽選手は世界ランクング1位で迎えたパリ大会で、この競技では日本男子初
となるメダルを獲得した。 特に人気なのがスポーツクライミングの種目の一つで、指定された
ホールドに沿って登りゴールを目指す「ボルダリング」だ。 ルールがわかりやすき、初心者も
始めやすいという。
日本山岳・スポーツクライミング協会によると、民間のボルダリングジムは東京五輪のあった20
21年時点で国内に800カ所以上あった。 2大会連続で五輪に出場した”楢崎選手”らが通っ
た「クライミングジムZEーRO」(宇都宮市)の経営者、”小菅さん”は「東京五輪を境にボルダ
リング用の壁を設置する公共施設が相次いだ。 関心を持つ子どもが増え、習い事中心に切り
替える民間ジムも少なくない」と話す。
トップ選手自身も普及に取り組む。 楢崎選手は妻で東京五輪銅メダリスト、”野口さん”とともに
各地で体験教室やプロ選手が登場するイベントを開いてきた。 現役引退後に普及のための企
業を立ち上げた野口さんは「アスリートのレベルに合った施設を増やし、日本で国際大会を開
くなど競技の活性化につなげたい」と語る。
最近は民間ジムだけでなく、子どもの体力向上のためにボルダリングを取り入れる教育現場の動
きもある。
「頑張れ」「上まで行ける」。東京都港区の区立白金
小は21年、校舎と校庭を結ぶ通路に高さ約3㍍の壁
を設けた。休みに時間になると児童が並んでボルダリ
ングを楽しむ。4年生の女子児童は「一番上まで行け
るとうれしい」と笑顔を見せた。港区は東京五輪開催
をきっかけに導入を進め、23年度末までに区立幼稚
園12園と小学校19校に設けた。
都心のため敷地が限られ、体を動かせる場所が狭い施設が目立つ。 区教育委員会は「縦の空間
を生かせる」ボルダリングの特徴に目をつけた。 安全に遊べるよう壁の下に厚さ30㌢のマ
ットを敷く。 体育の授業や休み時間に使うときは教員が立ち会い、危ない登り方をしないよ
う声をかける。 区教委担当者は「全身の筋肉に加え、頭も使うスポーツ。 頂上まで登る方
法を考えて挑戦する力を身につけてほしい」と話している。
栃木県壬生町は22年の国民体育大会の競技会場となったことを受け、町内の全ての小学校と町
の体育館にボルダリングの壁を整備した。 学校の壁は休み時間の遊具として使われ、総合体
育館の壁は利用者登録すれば誰でも有料で利用できる。 体育館には利用者が壁のほかに申請
した団体向けの高さ5㍍の大型壁もある。 担当者は「持参が必要な道具が少なく初心者でも
手軽に始められる。 スポーツ振興につなげたい」と熱く語っている。