Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

スピーカーケーブルは何処まで太く出来るか?

2009年12月01日 | ピュアオーディオ

昨年12月に「アンプはどれくらいの情報を伝送しているか?」の素朴な疑問を持ち実験をしています。

市販のSPケーブルでパイオニア製やベルデン、WEの単線、撚り線、モンスターケーブル、フジクラやオルトフォンの7.6N、8N等色々試して見ました。しかしどれも「どんぐりの背比べ」の様で今一ピンと来ません。

スーナーのケーブルも最初はφ6mmのブラックスーナーからφ6mmのブルースーナーにして初めて「グレード」の違いと「自然なバランスとサウンド」に近づいた様な気がしました。ただこのφ6mmのブラックもブルーも芯線が「単線」で扱いにくい事この上ありません。もっと良いものはないかと探したのが同じスーナーのφ11mmのブラックスーナーと呼ばれるケーブルです。

φ11mmのブラックスーナーには見かけはほとんど同じで中身が全く違う兄弟ケーブルが沢山あります。この中から本当に素晴らしい「音質」を持ったものを探し出し、SPケーブルにする事から始めました。

この時点で従来のオーディオの常識を越えた線径と重さになりましたので、オーディオテクニカのアダプターを介して使用しましたが音が荒く、良さは認めつつも試行錯誤の毎日でした。
同じケーブルを使ってRCAケーブルを作ると「粗さ」がほとんど感じない事に着目して、オーディオテクニカ製のアダプターに疑問を持ち、アダプターを外して直接SPターミナルに接続して見ました。するとどうでしょう!!音の粗さがなくなり、今まで使ってきたSPケーブルが「陳腐」に聴こえるほど素晴らしい音質が獲得できました。そうして生まれたのがSPケーブル SCS-33 です。

SCS-33でも一般のSPケーブルの常識からはかけ離れた「硬さ」と「重さ」です。このケーブルも1年ほど使って来ますともう少し「柔らかさ」が欲しいと願望がわいて来まして、SCS-34(ルシファー)の制作に突き進みました。

SCS-34は今までのケーブルの作り方の「常識」を根底から覆す「思考」を入れています。「発明」の領域と云っても良いと考えています。「オンの音」と「オフの音」の双方を同時に出す事を意図的に作っています。結果としてこちらが「より自然」な事だと認識するようになりました。と云う事は今まで一般的にオーディオの常識の様に作られているSPケーブルは「大きな欠陥」を持ったSPケーブルで有ったと認識させられました。

SCS-34は2種のケーブルを組み併せて3本仕様で1本のケーブルに仕立てています。これでSCS-33の約2倍の伝送容量を持っています。このSCS-34を作る時も配線の組み合わせを何種類か作成し、ヒヤリングで現在の仕様に決めました。
Scs351
そして昨年末に更にこの上のSPケーブルを開発しています。「アンプからどれくらい情報が出ているのだろう?」、「SCS-34(ルシファー)で十分なのか?」が素朴な疑問です。

実際にSCS-34×2倍のケーブルを作り、SCS-34単体と比較をしましたが、「音数はさらに増える」事を確認しています。SCS-34×2倍のケーブルをSCS-Xと呼んで、自宅のSP-707JシステムとRCA箱システムで使い続けてようやく1年が経ちました。1本のケーブルが6本のφ11mmのケーブルで出来ていますので、もうこれは「きちがい」の領域でしょう。それがネットワーク方式のSPで4本必要ですから、φ11mmのケーブルが24本有る事になります。これが3ウェイマルチだと72本になりますので、オリンパスシステムには物理的に使えない状況だと判断しました。
Scs353
でもこのSCS-Xの世界はまた格別な世界でも有ります。うるささを感じず、音がその場で鳴っている(演奏している)雰囲気を絶妙に再現します。

この事例からも判る様に「CDからの情報量」はとてつもなく多いのです。これの何%の情報をSPから出しているか・・・を考えると、まだまだ改善の余地が有ると思うのです。

ただ難しいのが1本のケーブルでは断面積を大きくするには限界が有ります。束ねてもまたバランスを壊します。音のバランスと断面積の拡大を両立できるケーブルに仕上げる事が重要です。


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