仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

南無阿弥陀仏は機能美の極まり

2012年03月17日 | セレモニー
さすが美智子皇后。「皇后さま、とっさに動ける草履で 追悼式、陛下を気遣い」東京新聞夕刊(24.3.16)の記事です。

東京新聞より転載。

 東京で11日にあった政府主催の東日本大震災追悼式で、皇后さまが和服姿だったのは、心臓の手術後間もない天皇陛下が万一転倒しても、底が平らな草履ならとっさに動けると考えられたからだった。宮内庁幹部が15日明らかにした。
 天皇陛下は退院から1週間で式に出席。体力は十分に回復しておらず、周辺は壇上での転倒を懸念した。幹部は事前に「最もそばにいる方にお支えいただくしかない」と皇后さまに相談。皇后さまはハイヒールを履く洋装だと対応できないと、和装を選んだという。
 追悼式の壇上で天皇陛下はゆっくりと歩き、転ぶことはなかった。(以上)

先日、皇后さまの喪装について記しました。私は儀礼的な視線でしたが、皇后さまは働きからきました。ふと以前書いた「南無阿弥陀仏のお姿は機能美を極めたお相」という言葉を思い出しました。皇后さまの和装の喪服は、格好よりも、どう動けるかというお気持ちが和装のお相となったという。南無阿弥陀仏…。有り難い。

仏さまのお姿には、働きをあらわした相が多くあります。その一つ、指と指の間にある膜(指縵網相・しまんもうそう)は、全ての衆生を漏れなく救う慈しみ表しています。この膜は、水鳥に似せています。水鳥は、水上にも空にも陸にも身を置くことができます。水鳥が、水の上も、陸も、空も、すべてに対応できるように、人間の欲や怒りや愚かさにも遮られることなく、救いの手をさしのべことができるという働きを伝えています。
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