日弁連の「宗教ガイドライン(判断基準)」と宗教法人法「改正」問題をめぐって
の古本を入手しました。
その中に「宗教ガイドライン(判断基準)」ありましたので下記転載です。
宗教的活動にかかわる人権侵害についての判断基準
反社会的な宗教的活動がもたらす消費者被害等救済のための指針
(日弁連)
1.献金等勧誘活動について
⑴献金等の勧誘にあたって、次の行為によって本人の自由意思を侵害していないか。
① 先祖の因縁やたたり、あるいは病気・健康の不安を極度にあおって精神的混乱をもたらす。
② 本人の意思に反して長時間にわたって勧誘する。
③ 多人数によりまたは閉鎖された場所で強く勧誘する。
④ 相当の考慮期間を認めず、即断即決を求める。
⑵.説得・勧誘の結果献金等した場合、献金後間もない期間(たとえば1ヶ月)はその返金の要請に誠意をもって応じているか。
(3)一生を左右するような献金などをしてその団体の施設内で生活してきた者がその宗教団体等から離脱する場合においては、その団体は献金などをした者からの返金要請にできる限り誠実に応じているか。
(4)一定額以上の献金者に対しては、その宗教団体等の財政報告をして、使途について報告しているか。
(5)お布施、献金、祈祷料等名目の如何を問わず、支払額が一定金額以上の場合には受取を証する書面を交付しているか。
2.信者の勧誘について
⑴勧誘にあたって、宗教団体等の名称、基本的な教義、信者としての基本的任務(特に献金等や実践活動等)を明らかにしているか。
(2)本人の自由意思を侵害する態様で不安感を極度にあおって、信者になるよう長時間勧めたり、宗教的活動を強いて行わせることがないか。
3.信者及び職員の処遇
⑴・献身や出家など施設に泊まり込む信者・職員について
① 本人と外部の親族や友人、知人との面会、電話、郵便による連絡は保障されているか。
② ・宗教団体等の施設から離れることを希望する者の意思は最大限尊重されるべきであるが、これを妨げていないか。
③ 信者が健康を害した場合、宗教団体等は事由の如何にかかわらず、外部の親族に速やかに連絡をとっているか。
(2)宗教団体やその関連の団体・企業などで働く者については、労働基準法や社会保険等の諸法規が遵守されているか。
4.未成年者、子どもへの配慮
(1)宗教団体等は、親権者・法定保護者が反対している場合には、未成年者を長期間施設で共同生活させるような入信を差し控えているか。
(2)親権者・法定保護者が、未成年者本人の意思に反して宗教団体等の施設内の共同生活を強制することはないか。
(3)子どもが宗教団体等の施設内で共同生活する場合、親権者及びその宗教団体等は、学校教育法上の小中学校で教育を受けさせているか。また、高等教育への就学の機会を妨げていないか。
(4)宗教団体等の施設内では、食事、衛生環境についてわが国の標準的な水準を確保し、本人にとって到達可能な最高水準の身体及び精神の健康を確保するよう配慮されているか。(以上)