仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

教育

2021年12月31日 | 日記

過去の資料を廃棄していたら『日本農業新聞』(1988年2月28日)「心のみち」―知識優先をやめ個性尊重を―という私の原稿掲載の新聞がありました。月一度で連載していたものです。

 

個性尊重の教育といわれる。教育が競争、能率、知識の詰め込み主義化していることへの軌道修正とも受け取れます。個性尊重とは、その人にしかない人間性を大切にし、その人間性に沿った教育を考えるのが個性尊重の教育です。むしろ教育とは本来、個性を尊重ずるところに成り立ち、教肓の原点であるとも言えます。そのことが忘れられているところに、現在の教育現場でのさまざまな問題が起因しているようです。教育という言葉そのもの「教え育(はぐく」むと書きますから、育まれるものが一番中心なのでしょう。ところがこの育むことを切り捨てて、教えを優先する教育のあり方、これではレールに乗れない子どもが出るはずです。

 以前、テレビ放送の対談の中で語れれていたことですが、ある小学校の先生が子どもたちの宿題を出したそうです。「今日の宿題は簡単です。おうちに帰って、お父さんの顔をよく見てくること。明日図画の時に、お父さんの顔の絵を描いてもらいます。お父さんの顔をよく見て覚えてきてください」

 Aくんは家に帰り、帰ってきたお父さんの顔を見ると、お父さんはお酒を飲んだらしく赤い顔をしていました。次の日の図がの時間のことです。Aくんは画用紙いっぱいの見てきたとおりの赤い顔のお父さんを画いたそうです。そしてその絵を先生の所へ持っていくど先生は「今日の絵は次の授業参観日に張り出すの。そうすると、ひとりだけ赤い顔のお父さんではおかしいから、皆と同じ色で画いてくれるかなあ」とのこと。次に描いたお父さんの絵は、小さな小さなお父の顔だったそうです。

その対談の結末は記憶していませんが、先生が否定されたように知識としては赤い顔は正しくなく、顔には顔に適した色があります。しかし教育とは正しければよいというものではなぐ、常に育まれるものが優先され、育まれるものがあったとき、そこに正しい教えがあり教育があるのです。

 先の話でいえば、教えは、赤い顔の色の中に躍動しているAくんの思いに沿って語られ、そのAくんを育てるためのものなのです。

 情報化社会にあって最も価値のあるのは情報です。その情報という知識を与え    るのが学校であり、事実、より高い知識を与えることのできる学校は人気があります。だからといって知識の伝達を最優先するのはいかがなものでじょう。何が本当に価値があ

り、何が大切にしなけれぱならないのかをしっかと見究めたいものです。

 西原祐治(以上)

 

昭和63年頃は、母子家庭はあまりいなかったようです。現代ならば「お母さん、お父さん、おばあちゃん‥の顔」となることでしょう。一年間有難うございました。

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『「母と子」という病』②

2021年12月30日 | 現代の病理

『母と子」という病』 (ちくま新書1226・高橋和巳著)のつづきです。著者の高橋和巳氏は精神科医であり、医学博士です。都内でクリニックをされている方で、10数年前、築地本願寺へお招きして複数回、講義をしていただいたことがあります。クリニックで、本で紹介されているような治療を実践されていたのかと思いました。

 

母親と子供の関係について、著者は子育てで最も大切なことは子供を甘えさせることだ、と言っています。
人がこの世に生まれてきて、甘えを学べるのは親しかいない。小さい頃に甘えた体験が少ないと、子は生涯にわたって心に不安を抱いて生きる。子供のしつけの前に甘えさせて、人への安心と信頼を感じてもらう。心の発達は母親に安心と信頼を、父親に頑張り=人生の生き方を学ぶとあります。

 

そして母親には3つのタイプがある

A…子供に豊かな愛情を与え、正常な愛着関係を築ける母親。
S…子供をあまり甘えさせない。愛着関係はある。
D…子供の気持ちを理解できず、愛着障害が生じている。
(このタイプの母親は軽度の知的能力障害があることが多い)

母親はほぼAタイプ(90%)ですが、残りはSや、Dタイプの母親。
そしてカウンセリングの事例を挙げながら、Aタイプの母親の反応。
S、Dタイプの母親の反応を並行して書かれています。

そして子供が二十歳ごろまでの心理発達は、母親のタイプによって制限を受けるとあります。

 

母親の3つのタイプ

●Aタイプ(正常成人の母親)
<愛着障害なし 愛着関係を作る能力◎>

母親は親としての責任を持ち、この気持ちを理解し、共感的に応答し、十分に甘えさせることができる。

子どもは、失敗しても安心して積極的に公園で遊び回る。公園で転んだ子どもの傷を見て、「痛かったね、痛かったね、かわいそうに。でも、大丈夫、ほらこうしておけば大丈夫」と簡単な傷の手当をする。

2歳までの愛着関係の成立◎
20歳までの反抗期の成就◎
→安定した成人の心をもち、困難を乗り越える力がある

●Sタイプ(親として未熟な母親)
<愛着障害なし 愛着関係を作る能力○>

母親は子の気持ちを理解するが不十分で、子をあまり甘えさせない。最後まで子に寄り添えず、子育ての責任感に欠けるところがある。

子どもは少し母親を気にしながら、気をつけて公園で遊ぶ。公園で転んだ子供の傷を見て、「何やってるの、まったく!はしゃぎすぎなんだよ!ほら傷を見せて!」と怪我をした子の不注意を叱る。

2歳までの愛着関係の成立○
20歳までの反抗期の成就×(反抗期で問題が出てくる)
→自我同一性(アイデンティティ)の障害を抱えて悩む

●Dタイプ(対人理解に障害のある母親)
<愛着障害あり 愛着関係を作る能力×>

母親は、子の気持ちが理解できず、継続的な母子関係を作れない。生まれつき、他人の気持ちを理解できない能力的な障害を持っている。(軽度知的障害)

子供は、公園に連れて行ってもらえず一人で遊ぶ。愛着障害が生じる。子どもが転んで怪我をしても、親は無関心。子供は、泣かずにじっと傷をみつめて一人で痛みに耐える。

2歳までの愛着関係の成立×
20歳までの反抗期の成就×(そもそも反抗期がない)
→愛着障害を抱えて悩む

 

Aタイプの母親は子のカウンセリングは不要で、母親の治療だけで回復するが、Sタイプの母親では難しく、母親のカウンセリングに時間がかかる。Dタイプの母親は、残念ながら子供のカウンセリングでしか子供の問題は解決しない。子供は自分の母親が普通でないことを認識し、一度精神的な死を迎えます。そして自分が生まれ変わり、自分自身の力で回復するのだそうです。関心のある方は読んでみてください。「一度精神的な死を迎えます。そして自分が生まれ変わり、自分自身の力で回復する」という辺りが、浄土真宗のみ教えとの関連があり、信心の有効性が思われました。

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LGBTの不都合な真実➅

2021年12月29日 | 現代の病理

『LGBTの不都合な真実 活動家の言葉を100%妄信するマスコミ報道は公共的か』(2021/9/17・松浦大悟著)の続きです。

 

・トランス女性の女性トイレ、女性更衣室、女湯等使用

 そのような中、いまSNS上では、フェミニストとトランスジェンダー活動家の間で大論争が起こっています。

 2018年7月、お茶の水女子大学がトランス女性の入学受け入れを発表したことをきっかけに、一部のフェミニストたちがトランス女性の女性トイレ使用について異議を唱え始めたのです。女性の中には過去に性暴力被害に遭った人が少なくありません。性別適合手術を受けてないトランス女性が女性専用スペースに入ってくるのは、やはり恐怖を覚えるというのが、その理由です。

 イギリスでは世界に先駆けて手術要件が廃止され、10年以上経ちます。この間、公的機関や民のですが、これが社会に大変な混乱をもたらしました。スポーツジムの女性用シャワールームに男性器が付いたままのトランス女性が入ってきても、誰も何も言えない。「この時間帯は少しご遠慮いただけますか」とお願いすること自体が差別となるからです。2016年にセルフーD制度を施行したノルウェーでは、ペニス付きのトランス女性に注意した女性が警察に通報されました。

 日本には温泉や銭湯など、海外にはない固有の文化があります。幼少期の娘さんが女湯に

入っているとき、ペニスのついた自称女性だという人が前を横切ったら親御さんはどう思うか。彼女や奥さんが温泉に入っているときに異性愛者の女装家と遭遇したら、彼氏や旦那さんはどう思うのか。心配するのは人間の感情の働きとして自然なことだと思います。

 トランスジェンダー活動家は「私たちは権利を主張しても実際にそれを行使するようなことはしません」「男性器のあるトランス女性が女湯に入っているケースはない」といいますが、残念ながらそれは事実とは違います。「股間タック」という文字で検索してみてください。股間タックとは陰茎と睾丸を体内にしまい、睾丸の皮で女性の股間のようなワレ目をつくる技術のこと。この方法で女湯に入ることに成功した人たちが再び陰茎を外に取り出し、恍惚とした表情で放尿している動画や画像をいくらでも発見することができるでしょう。彼らのような女装する自分の姿に性的興奮を覚えるオートガイネフィリア(自己女性化愛好症)も、現在トランスジェンダーとして分類されているのです。

(以上)

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LGBTの不都合な真実⑤

2021年12月28日 | 現代の病理

『LGBTの不都合な真実 活動家の言葉を100%妄信するマスコミ報道は公共的か』(2021/9/17・松浦大悟著)の続きです。

 

 

たとえば動物との結婚については、2019年の開高健ノンフィクション賞に輝いた『聖なるズー』に詳しく載っています。本書では、文化人類学の立場から研究している著者の濱野ちひろ氏がドイツに暮らす動物性愛者たちを紹介していきます。彼らは動物を愛し、動物とときにセックスをする。自らを「ズー」と称し、愛する特定の動物を「パートナー」と呼んでいます。大型犬を「僕の妻だよ」と紹介する男性。7匹のねずみと「群れ」となって生活する男性。馬に恋する男性。車椅子生活のなかで犬をパートナーとして迎え入れ、ズーになっていった女性……。濱野氏はインタビューで「動物性愛は、医学的には精神疾患として分類されていますが、最近ではLGBTのような『性的指向』の一つだとする性科学者の意見もあります」と話しています。これは同性愛者がたどってきた歴史を彷彿とさせます。WHOが同性愛者を精神疾患の分類から外したのは1970年のこと。性同一性障害を外すのは2022年からです。そう考えると、誰にも迷惑をかけない「純粋な愛」であるズーフィリアも、いずれ精神疾患から分離される日が来てもおかしくありません。

 「そんなことをいったって、動物とのセックスに同意は取れないじゃないか。これは動物虐待だ」と反論する人がいます。しかし、ズーたちは「違う。犬が誘ってくるんだよ。犬が求めくるんだ」と静かに語りかけます。動物第丁王義の彼らは、決して嫌がる動物に無理やりセックスをすることはしない。動物が誘ってきたときだけ性行為に及ぶのだといいます。

彼らは愚直にパートナーを愛しているのです。また濱野氏は「ファーリー」についても言及しています。ファーリーとは、動物を愛し、自分も動物になる人たちのことです。2008年にアメリカの社会心理学者キャスリーンーゲルバジ氏たちがファーリーの量的調査を行い、彼らは「種同一性障害」と言えるのではないかと論文を発表しています。濱野氏が知っているズーの30代以下の世代は、ほぼファーリーとのこと。「性同一性障害が人権問題であるなら、種同一性障害が人権問題ではないという理由はない」と迫られたら、多くの人は答えに窮するのではないでしょうか。

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LGBTの不都合な真実④

2021年12月27日 | 現代の病理

『LGBTの不都合な真実 活動家の言葉を100%妄信するマスコミ報道は公共的か』(2021/9/17・松浦大悟著)の続きです。

 

 

 LGBT活動家はゲイの薬物乱用や過剰な性交人数について、背景には社会の無理解を原因とする自尊心の低さがあると弁明してきました。一昔前ならそうした分析にもリアリティを感じられましたが、これだけネットによってゲイの多様な生活が可視化された現在では説得力に欠ける。こうした言い訳は、むしろ当事者の甘えを肯定するために機能してしまっているのではないでしょうか。

 また、こんなこともありました。「8割おじさん」こと厚生労働省クラスター対策班の西浦博北海道大教授(当時)がインタビューで、新型コロナウイルス感染拡大の事例として「性的に男性同士の接触がある人も多い」と説明しました。

 すると突然、過激なLGBT活動家から「同性愛差別だ」と難癖をつけられたのです。小池百合子東京都知事が「三密」を避けるよう緊急会見した2020年3月25日以降もハッテン場は営業を続けていました。エロ系のゲイ・クラブイベントも中止されることなく強引に開かれていました。西浦氏が警鐘を鳴らしたのは当然のことでした。

 しかしながら「差別」という言葉にあおられた人々は反射的に西浦氏を断罪しました。結 局西浦氏は、早期に事態を収拾させるために謝罪せざるを得ませんでした。この理不尽な糾弾劇を見て怒ったのは一般のゲイたちです。「西浦氏は謝る必要はない」「われわれには自浄作用がない。LGBT団体も見て見ぬふりをし、ハッテン行為を自粛しろとは言わない。西浦先生に言わせてしまって申し訳ない」と、ネットにはLGBT運動の問題点を冷静に分析するコメントが溢れました。

 このエピソードからも分かるように、LGBT活動家と「普通」に暮らすLGBT当事者との感覚のズレは近頃ますます大きくなっています。韓国での例ですが、ゲイが集うクラブで感染爆発が起き、身元を明かされることを恐れた約3000人と連絡が取れないとの情報

もあり、そうなる前に啓発した西浦氏の行動には意味があったと言えるでしょう(実は西浦

氏に情報提供していたのは、新宿2丁目に詳しいゲイだったのです。私は本人酥ら直接そのことを聞かされていました。西浦氏は確かな情報源をもとにアナウンスをしていたのです)。

 

もつと不都合な真実

 一方、歌舞伎町ではさらに困惑する事件が起こっていました。アパホテルがゲイたちのハッテン場と化していたのです。新型コロナウイルス感染者の受け入れにいち早く名乗りを上げたアパホテルは、一般客の宿泊料も大幅に値下げして一泊2500円としていました。これに目をつけたのがゲイたちでした。ツイッターに投稿された写真を見ると、ホテルの入り口は大行列。「3泊4日で計15人とやれた」「何時ごろ入る? 175‐105‐29デブですが」「さっき露天で見せ合いした君、やらない?」といったゲイ専用ネット掲示板への書き込みを確認すること、ができます。廊下をバンツー丁でうろうろする人や大浴場で性行為に及ぶ人がいるとの情報も飛び交っていました。ついには異性愛者のユ-チューバーが潜入取材する顛末に。ネットメディアが元谷芙美子社長にインタビューしたことで、ノンケの皆さんの知るところともなりました。当然、ゲイカップルが同じ部屋に泊まることを断れば差別です。しかし、同性愛者だからといって、共用部分での迷惑行為までもが容認されることはありません。(以上)

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